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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



JR中央東線
(東京 - 塩尻)
JR Chuou Tou Line
(Tokyo - Shiojiri)







中央本線は、その呼称と路線区間が複雑な路線です。

一般に中央本線というと、松本への特急が発着する
新宿 - 松本間を思う浮かべる人も多いでしょうし、
「中央線」というと、東京の方は高尾からのオレンジ色の
快速電車を真っ先に思い浮かべる事と思います。

名古屋から長野に向かう「しなの」も
中央本線を走っています。

そんな中央本線の正式な区間は、国鉄時代には、
東京駅から長野県の塩尻を経由し、
名古屋に至る全長424.6kmでした。

JRが発足した際には、神田-代々木間、220.1kmと
新宿 - 塩尻 - 名古屋間、174.8kmとなっています。

これは、線路の戸籍上、東京 - 神田間が東北本線、
代々木 - 新宿間が山手線と重複しているので
2重に計上するのを避ける為だそうです。
この他に、岡谷 - 辰野- 塩尻の27.7kmも
中央本線に含まれています。



中央本線の歴史は1889年(明治22年)に
甲武鉄道が新宿 - 立川間を開業した事から始まり、
1911年(明治44年)に東京から名古屋まで全通しています。

建設当時は軍事的理由で海岸部を通る東海道本線の
代替ルートとして中央本線考えられていたようですが、
開業当初から直通列車は本数は限られ、
1960年代には、直通列車は走らなくなりました。

その後、東京方面や名古屋から松本方面に
向かう列車がメインとなっていきます。
この為、中央本線の塩尻以東を「中央東線」、
以西を「中央西線」と通称で呼ぶ事もあります。

中央西線を走る「しなの」の乗車記はこちらです。


2006年頃から山梨や諏訪に何度か訪れました。
その際に乗った「中央東線」の様子を紹介します。



東京 - 高尾
(Tokyo - Takao)
Jan. 25, '09

高尾 - 甲府
(Takao - Kofu)
Jan. 27, '09

甲府 - 塩尻
(Kofu - Siojiri)
NEW ! Jan. 30, '09




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東京 - 高尾
(Tokyo - Takao)






中央本線の正式な区間は、冒頭に記したように
神田 - 代々木、新宿 - 名古屋間ですが、
「中央線」のオレンジ色の快速電車は
東京駅の高々架になっている
1、2番線から頻繁に発着しています。

以前は東京駅の赤レンガに寄り添うように
中央線のホームがあったのですが、
1995年に新幹線ホームを増設する際、
窮余の策として中央線のホームを高々架とし、
その直下に山手線内回り、京浜東北線
北行きのホームを配置しています。



ちょっと古い写真ですが、東京駅丸の内側駅舎の様子です。
赤レンガの堂々とした駅舎ですが、第二次大戦時に
受けた被害を応急復興させたままの姿なので、
現在は開業当時に復元する工事が行われています。


多くの人が行きかう東京駅コンコースから
長いエスカレーターで中央線のホームに降り立つと
頻繁に快速電車が発着しています。



ラッシュ時には10両編成の通勤電車が
2分毎に発着しているそうです。

高々架の中央線2番ホームの
南端から眺めた東京駅です。




そのダイヤを縫うように一日に下り4本、上り3本
松本や甲府とを結ぶ特急「あずさ」
「かいじ」号が乗り入れています。




2008年12月に東京発16:15の
「かいじ」に乗りました。

生憎、雨だったのですが、
普段、吊革に掴まりながら眺める車窓を
ゆったりと座って眺めるのはいいものです。

東京を発車すると、高々架のホームから
勾配を下り、山手線や京浜東北線の線路と
並ぶようになり、すぐに神田を通過しました。



路線の戸籍上では起点となっている
神田駅を通過中の様子です。

神田を出ると、左にカーブを切り、
御茶ノ水へ向かいます。

車窓を気をつけて見ていると、
カーブしている上下線の間隔が広がり
高さの低いホームのような
構造物が見えるのですが、
これは1943年(昭和18年)に
廃止になった万世橋駅の跡です。

そして、総武線の高架橋が見え、
すぐに御茶ノ水駅に至ります。
御茶ノ水駅は神田川沿いの
崖っぷちに造られた駅です。



総務本線と中央本線の交差だけでなく、
東京メトロ・丸の内線も顔をのぞかせ、
まさに都会を象徴するような構造になっています。

御茶ノ水付近の様子は
こちらです。


御茶ノ水からは複々線区間となり、
四谷にかけて神田川と江戸城の
外堀に沿って走ります。



この写真は飯田橋の西側の様子です。
線路は、写真左手の崖の下を走っています。
都心とはいえ、変化に富んだこの区間は
乗るたびに車窓に目を釘付けにしているのですが、
一度、写真に収めたいと思っています。

飯田橋付近の様子はこちらです。
市ヶ谷駅にある江戸城石垣の様子はこちらです。

四谷を過ぎて短いトンネルをくぐると
まもなく、新宿御苑の南側を通ります。



この写真は、新宿御苑に訪れた帰りに
千駄ヶ谷駅のホームから撮った写真です。

新宿の高層ビルもすぐ近くに見えるようになり
代々木で山手線と合流すると新宿です。


新宿駅はJRだけでも乗降客が
150万人にも達する日本一のターミナルです。
接続している私鉄の乗降客を合わせると、
新宿駅を利用する乗降客は
350万人近くにもなるそうです。

中央本線も東京西部と都心を結ぶ
通勤電車がメインですが、
この新宿からは松本・甲府方面への
特急列車の始発駅になっています。



新宿駅では多くの乗客を捌くために
拡張工事を続けているのですが、
駅の東西をターミナルビルで囲われているので
埼京線や松本方面の特急の乗り場は
駅の南側にズラして配置されています。

新宿発着の各列車の乗車記はこちらです:

「あさぎり」
(新宿 - 沼津)
「スペーシアきぬがわ」
(新宿 - 鬼怒川温泉)
「小江戸」
(西武新宿 - 本川越)

新宿駅を出てすぐ右手、
歌舞伎町のネオン街の様子です。



新宿の高層ビル街も
車窓の左手に見えています。



写真は「スペーシアきぬがわ」からのものです

やがて左に大きくカーブすると
住宅密集地を高架で走るようになります。



1889年(明治22年)に開業した甲武鉄道は
人家の多い甲州街道を避け、人家の少ない
地域を一直線に立川まで結んだそうですが、
それが信じられない程の住宅密集地です。

中野や阿佐ヶ谷、吉祥寺などの商店街も続き
目まぐるしく車窓風景が変わっていきます。

吉祥寺、武蔵境、国分寺と
私鉄との接続駅も続いています。

三鷹までは複々線となっていますが、
列車の運転頻度が高く、特急列車でも
快速電車の後を追いながらゆっくり走っていきます。

新宿から27.2km、約30分程で立川です。



27km程の距離であれば、関西や名古屋地区の
快速電車なら20分以内で走ってしまうので、
実際の距離以上に遠く感じます。


立川を出てしばらく走ると多摩川を渡ります。



広い川原の東側に遠く多摩モノレールが
走っているのが見えました。

多摩モノレールの乗車記はこちらです。

多摩地区を南北につなぐ多摩モノレールと
中央線とは立川で直交すると思っていたので、
中央線の車窓から見えるとは意外でした。

立川を過ぎると田畑も広がるようになり
横浜線との接続駅、八王子に到着しました。




八王子からは山が迫るようになり、
国電区間の西の端、高尾ももうすぐです。


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高尾 - 甲府
(Takao - Kofu)






「中央東線」もオレンジ色の
中央線快速の終点・高尾を過ぎると
一気に山間を走るようになります。

2007年3月上旬に乗った際には
車窓から梅の花が眺められました。



多摩川水系と相模川水系を分ける
小仏トンネルを抜けると相模湖畔を走ります。

地図で見ると相模湖の近くを走るのですが、
湖は車窓からはなかなかはっきりと見えません。



車窓で湖を探すうちに谷も狭くなり、
上野原を出ると何度もトンネルをくぐり、
深い山あいを走ります。



いつしか山梨県に入っています。

広い関東平野に位置している東京ですが、
西側だけは丹沢や奥多摩の山が迫り、
普通電車でも高尾から僅か30分程で
この、のどかな山間の景色になります。


そして、鳥沢駅を通過した直後に
急に大空に飛び出したように、
梓川を渡りました。



とても鄙びた景色ですが、平日の朝には
新宿に向かう通勤電車が何本も走っています。

やがて岩の塊のような山が見えてきました。



岩殿城址です。
戦国末期には武田信玄の家臣
小山田信茂の居城だったお城です。

この岩殿城は、武田勝頼の最期に
深くかかわっているお城です。

岩殿城を眺めるうちに大月に到着しました。
大月駅に停車中の115系近郊型電車と 大月駅の様子です。



駅舎の写真は、2007年1月に
富士急行に乗った際に撮ったものです。
夕暮れが近づき、駅に灯りがともる頃でした。

河口湖への富士急行線と接続する要衝の駅です。

富士急行線の乗車記はこちらです。


大月を発車してすぐに富士急行線の
線路が分かれていくのが見えました。




大月を出ると、相模川上流の
笹子川に沿って走ります。

この辺りは笹子峠に向けての勾配区間で、
初狩駅、笹子駅とスイッチバック駅が続きます。

写真は、初狩駅のスイッチバックの側線の様子です。



蒸気機関車の時代には、貨物列車を牽引して
勾配区間では起動出来ないため、
勾配の途中に平坦な路線も設けていたのですが、
蒸気機関車が廃止され、その設備も
不要になってきています。

初狩駅では定期列車の使用は取りやめとなり、
笹子駅では勾配の途中にホームを新設し、
スイッチバックは廃止になっています。

初狩駅では、時速500km/hで走るJR東海の
リニアモーターカー実験線がすぐ近くを走っています。



残念ながらリニア実験線は
騒音防止の覆いの中でした。

笹子に向け、谷はいよいよ
狭くなっていきます。



谷が尽きると笹子駅です。
笹子駅を発車した際にスイッチバックの
線路跡がちらっと見えました。



笹子を過ぎると、1902年に完成した
長さ4,656mの笹子トンネルに入りました。
開通当初は、日本一の長さだったようです。

笹子トンネルは、甲府盆地を取り囲む
山肌を貫くトンネルです。


笹子トンネルを抜けた最初の
停車駅は甲斐大和駅です。



ここは武田勝頼最期の地、田野や
墓所のある景徳院の最寄り駅です。
ここもいつか訪れてみたい所です。

そして、甲斐大和を発車し、
もう一つ長いトンネルを抜けると、
甲斐盆地の絶景が広がりました。



遠く、甲府の街がある盆地の向こうに
雪を抱いた南アルプスの
山々が見えてきました。

手前にはブドウ畑が続き、
遠くのアルプスの山々と
対比したのどかな景色です。



東京からの列車は、この景色の中を
甲府盆地への勾配を下っていきます。

ブドウ畑が続くうち、住宅が建ち始め
塩山駅に到着しました。



塩山は、武田信玄の菩提寺の
恵林寺のある歴史豊かな、ところです。

塩山の様子はこちらです。


塩山を過ぎるとブドウ畑の
中を走るようになります。



いくつもの温泉旅館のビルが
建ち並ぶ石和温泉駅を過ぎ、
住宅が建て込んできました。

身延線の線路が合流すると、
いよいよ甲府です。

甲府駅到着の手前、列車が速度を落とした頃
車窓右手には甲府城の稲荷櫓が見えてきました。




身延線の特急「ワイドビューふじかわ」号の乗車記はこちらです。
甲府城の様子はこちらです。


甲府駅は東京駅から134.1km。
新宿からの特急で1時間半、
普通電車で立川から、2時間程です。



甲府駅に停車中の115系普通電車です。


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甲府 - 塩尻
(Kofu - Shiojiri)






甲府を出ると、甲府盆地の中を走ります。
甲府から次の竜王あたりまでは
甲府の街並みが続きます。

このあたり、天気が良ければ甲斐駒ケ岳が
よく見える筈ですが、残念なことに
甲府 - 塩尻間の中央東線に乗った時には
いつも天気に恵まれず、車窓から
その姿を見たことはありません。

その先で、釜無川の支流の塩川を渡りました。



あいにく、電柱が正面に入ってしまいましたが、
河岸段丘に沿って流れる塩川の様子です。

このあたりから、中央東線は勾配を上り、
塩川と釜無川の間の河岸段丘の上を走ります。



韮崎を出て、塩川方面の河岸段丘の
下に広がる韮崎の街並みです。


やがて普通電車は新府駅に到着します。
この新付駅は武田勝頼が築いた
新府城の最寄り駅です。



2007年10月に新府城を訪れた際に
新府駅を訪れた際の様子です。



駅の周囲はのどかな果樹園と
こじんまりとした集落がありました。

新府城へ向かう途中に咲いていたコスモスです。



新府城の様子はこちらです。


新府を過ぎると、釜無川と塩川の間の
尾根のような地形を上って行きます。

どんよりと曇った車窓からは、
甲府盆地を囲む山々の姿は見えず、
雑木林や果樹園、田圃が
混在する風景が続きました。



山間の集落の様子です。

やがて、日野春駅に到着です。
ひっそりとした駅の佇まいです。



このあたりからは、そろそろ
八ヶ岳も見える頃と思いますが、
2007年10月も2008年9月末に乗った際も
生憎の空模様で八ヶ岳は見えず、
稲が実った田圃が広がっていました。



長坂を過ぎ、小淵沢に到着しました。



小淵沢駅は高原列車としても知られる
小海線との接続駅です。


小淵沢を発車し、小海線の線路が
右に分かれて行くのを眺めながら
更に勾配を上って行きます。

山梨・長野の県境を越え信濃境の先で、
河岸段丘をつくり流れる立場川を渡りました。



大幅な線路の付け替えがあったようで、
少し離れたところに廃線になった
鉄橋が見えました。

この鉄橋を渡るとすぐに富士見駅です。



標高955.2メートルで、中央本線で
最も高いところにある駅です。

小海線を除けばJRで最も標高の高い駅で、
JRの駅の標高ベスト10にも入っています。

富士見駅からは下り勾配となり、
諏訪谷へと下っていくのですが
高原のような雰囲気になってきました。



写真には撮れなかったのですが、
そばの白い花も車窓をかすめました。

雲がかかる山が迫ってきました。



谷に家が増えてくると、茅野です。



茅野駅に停車中の特急「あずさ」です。
茅野からは諏訪湖に沿った市街地を走ります。
この辺りは、天気のいい時に
また乗ってみたいです。


諏訪の様子はこちらです。
高島城の様子はこちらです。



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