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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない

篠ノ井線
(塩尻 - 松本 - 篠ノ井)

Shinonoi Line
(Shiojiri - Matsumoto - Shinonoi)

篠ノ井線は長野の南、信越本線の篠ノ井から
南下し、松本を通り、塩尻に至る路線です。

篠ノ井線は、信越本線と中央本線を結ぶ路線として、
1900年(明治33年)から1902年(明治35年)にかけて
開業しています。

1906年(明治39年)には中央本線が東京から
塩尻まで伸び、篠ノ井線と接続しています。
当初は、中央本線の一部になっていましたが、
1911年(明治44年)に篠ノ井線として独立しています。

信越本線の乗車記はこちらです。
東京 - 塩尻間の中央東線の乗車記はこちらです。

篠ノ井線の開業は、篠ノ井側から始まった為か、
線路戸籍上は篠ノ井が起点になっています。

現状は、名古屋からの特急「ワイドビューしなの」が
篠ノ井線全線を走る優等列車となっており、塩尻から
松本へは、中央東線の特急「あずさ」が走っています。

篠ノ井線は名古屋から長野や松本に向かう際に
何度も乗車しています。

2016年9月に、長野から名古屋に向かった
際の様子を中心に紹介します。

篠ノ井 - 姨捨
Shinonoi - Obasute
Feb. 20, '22

姨捨 - 松本
Obasute - Matsumoto
Mar. 07, '22

松本 - 塩尻
Matsumoto - Shiojiri
NEW! Mar. 13, '22

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篠ノ井 - 姨捨
Shinonoi - Obasute


2016年9月に長野発11:00の特急
「ワイドビューしなの10号」に乗車しました。

北陸新幹線と並走し、長野市内を抜け、
犀川を渡ると8分程で篠ノ井に到着しました。

信越本線の乗車記はこちらです。

篠ノ井駅到着前に、構内に入った様子です。
篠ノ井駅を発車すると、篠ノ井線は右に分岐して
いくのですが、「ワイドビューしなの」は
信越本線の上り線を直進し、1番線に到着しました。


撮影: 2016年9月

特急「ワイドビューしなの」は篠ノ井駅を発車すると、
ポイントを渡って、右に分岐していく線路に入ります。
直進する線路は、しなの鉄道の路線になります。

しなの鉄道の乗車記はこちらです。

篠ノ井線に入ると、周囲には
長閑な田園風景が広がりました。


撮影: 2016年9月

やがて次の稲荷山を通過しました。


撮影: 2016年9月

稲荷山からは25‰の勾配を上るようになります。
松本から長野へは犀川が流れていますが、曲がりくねって
狭い峡谷を流れる犀川沿いには線路を敷く事が出来ずに
冠着山をトンネルで抜けるルートになっています。

勾配を上るにつれ、千曲川の作る
平地が見渡せるようになりました。


撮影: 2016年9月

この景色を眺めるうちに桑ノ原信号場を通過しました。
桑ノ原信号場は、稲荷山から4,5kmの位置に
あるスイッチバック式の信号場です。

下の写真は、松本方面から長野方面に向かう
「ワイドビューしなの」から眺めた様子です。


撮影: 2011年10月

手前から斜め右に延びる線路が通過線で、
直進する線路がスイッチバックの信号場に
向かう線路になっています。

篠ノ井線は、この先も上り坂が続き、やがて
善光寺平を見渡せる景色が広がりました。


撮影: 2016年9月

この雄大な眺めは、JR北海道・根室本線の
狩勝峠、JR九州・肥薩線の矢岳越えと共に、
日本三大車窓風景としても知られています。

根室本線の乗車記はこちらです。
肥薩本線の乗車記はこちらです。

この雄大な眺めに目が釘付けになるうちに
姨捨駅を通過しました。


撮影: 2011年10月

上の写真は、長野に向かう特急「ワイドビュー
しなの」の先頭車から撮ったものです。

姨捨駅もスイッチバック駅となっていて、
特急「ワイドビューしなの」はホームのない
通過線を駆け抜けてしまうので、姨捨駅を
通過するのに気が付かない事も良くあります。

ここは姨捨伝説の土地で、善光寺平へと続く斜面に
築かれた棚田は、日本棚田百選にも選ばれています。
その棚田に映る「田毎の月」は江戸時代から
その美しさが知られた景勝地でした。

篠ノ井線は、いつも特急「ワイドビューしなの」で
駆け抜けてしまっているので、姨捨駅には
降り立った事は無かったのですが、2015年5月に
その機会が訪れました。

夕方近く、長野から松本行の普通列車に乗車しました。
車内は、思いかけず多くの乗客が居て、姨捨までは
座る事が出来ずに立ち詰めでした。


撮影: 2015年5月

姨捨駅に到着した松本行の普通列車です。
列車は一旦、姨捨駅を行き過ぎ、そこから
後退してホームに到着しています。

姨捨駅から眺める善光寺平の眺めです。


撮影: 2015年5月

遠くが霞んでしまっていますが、雄大な
眺めが一望出来、素晴らしい光景です。

姨捨駅の駅舎は綺麗に整備されていました。
駅名標が、スイッチバック形式になっています。


撮影: 2015年5月

駅舎を出て、駅の周辺を歩いてみました。
地平のホームへと続く線路です。


撮影: 2015年5月

そしてその先、通過線と交差する駅ホームへの
線路と、駅舎と反対側の待避線の様子です。


撮影: 2015年5月

スイッチバック駅は、以前は日本各地にありましたが、
急こう配の緩和を目的に作られたスイッチバック駅は
蒸気機関車の運行が無くなってから徐々に姿を消し、
2022年1月現在、残っているのは12駅だそうです。

篠ノ井線でも、姨捨駅、桑ノ原信号場以外にも
潮沢信号場(明科 - 西条間)、羽尾信号場
(姨捨 - 冠着間)のスイッチバック式信号場が
ありましたが、現在では廃止されています。

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姨捨 - 松本
Obasute - Matsumoto


特急「ワイドビューしなの」は姨捨駅を通過していきます。
下の写真は、右側の線路がスイッチバック駅へと繋がる
線路で、左側が駅とは反対側の待避線、中央が通過線です。


撮影: 2016年9月

姨捨を過ぎると、冠着山の麓の山間を走り、
やがて冠着トンネルへと入って行きました。


撮影: 2016年9月

冠着トンネルは1900年(明治33年)に
開業した全長 2,656mのトンネルです。
開業当時は日本一長いトンネルだったそうです。

トンネル内も、姨捨から冠着に向けて25‰の
急勾配が続き、蒸気機関車が用いられていた
当時は、運転士の窒息事故も起きる程の
過酷なトンネルだったそうです。

冠着トンネルを出ると直ぐに冠着駅を通過しました。


撮影: 2016年9月

冠着駅の標高は676mで、篠ノ井線で
最も標高の高い地点になります。

冠着からは、のどかな高原の景色が広がりました。
蕎麦の花も車窓を過ります。


撮影: 2016年9月

聖高原を通過し、次の坂北で長野行の
「ワイドビューしなの」と列車交換しました。


撮影: 2016年9月

坂北駅の待避線には別の特急用車両も
停車していますが、これは回送列車でしょうか。
次の西条では長野行の普通電車と行き違いをしました。


撮影: 2016年9月

西条を出ると、1988年(昭和63年)に開通したトンネルで
勾配と急カーブを解消した新ルートを走ります。


撮影: 2016年9月

このトンネルは、複線用の断面で造られていますが
線路は単線分しか敷かれていません。

現在、篠ノ井線は「ワイドビューしなの」と
普通列車が各1本ずつという運転頻度なので、
複線化の必要はないという事なのでしょう。

トンネルを抜けると明科です。


撮影: 2016年9月

明科からは松本盆地となり平地が広がります。
生憎雲がかかっていましたが、遠くには
北アルプスの山々が連なっています。


撮影: 2016年9月

田沢駅を過ぎると、犀川が迫る
岸の端を走るようになりました。

犀川の向こうには、遠く北アルプスの
山々が屏風の様に連なっています。


撮影: 2011年10月

2011年10月に篠ノ井線に乗車した際には
北アルプスの山々が見渡す事が出来ました。

大糸線の線路が右側から寄り添いました。
複線の様に、並走して松本へと向かいます。

大糸線の乗車記はこちらです。


撮影: 2016年9月

大糸線は北松本駅に差し掛かりますが、
篠ノ井線にはホームは無く、その横を
素通りしていきました。


撮影: 2016年9月

大糸線の普通電車とすれ違い、
松本駅に到着しました。


撮影: 2016年9月

松本駅は、新宿から特急「あずさ」も乗り入れる
交通の要衝で、乗降客数は1日22,000人に上ります。

松本駅に停車中の様子です。


撮影: 2016年9月

長野からの普通列車の多くは松本止まりで、
松本からは諏訪方面と木曽方面の中央西線に
乗り入れる普通列車が発着しています。

上の写真、ホームの反対側に停車している電車は、
中央西線に乗り入れて中津川に向かう列車です。

中央西線の乗車記はこちらです。

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松本 - 塩尻
Matsumoto - Shiojiri


特急「ワイドビューしなの」は、2分程の
停車時間の後に、松本を発車しました。


撮影: 2016年9月

松本駅の広い構内から線路が次々に収斂していきます。
松本から塩尻に向かう篠ノ井線の線路は、ポイントを
渡ることなくほぼ真っすぐに進んでいきました。

篠ノ井線は松本からは複線になっています。

程なく多くの線路が分岐し、南松本を通過します。


撮影: 2016年9月

南松本には貨物駅があり、石油を運ぶタンク車を
連ねた貨物列車が停まっていました。

長野県のガソリン輸送は、鉄道貨物の依存度が高く、
災害などで中央西線が不通になるとしばしば
ニュースでも取り上げられます。

南松本からは真っすぐな線路が続き、
平田、広丘と短い間隔で駅が続きます。

松本 -塩尻間は、沿線人口も多く、
平田駅は2007年に新たに開業した駅です。


撮影: 2016年9月

松本行の特急「あずさ」とすれ違いました。
写真の列車は、E257系と呼ばれる車両ですが、
2002年から2019年までの18年間使用された後、
いまは後継のE353系に置き換わっています。

長野行の特急「ワイドビューしなの」と
丁度、広丘駅ですれ違いをしました。


撮影: 2016年9月

塩尻 - 松本間の複線区間を上手く利用した
列車ダイヤになっています。

広丘を過ぎると田畑が広がりました。
遠くに北アルプスの山々を眺める雄大な景色です。


撮影: 2016年9月

やがて塩尻駅の構内が見えてきました。
松本 - 塩尻間はわずか13.3kmです。


撮影: 2016年9月

特急「ワイドビューしなの」は僅か8分で到着しました。


撮影: 2016年9月

塩尻駅は篠ノ井線の終点の駅ですが、線路は
中央東線と中央西線へと続き、途中駅の趣です。

特急「ワイドビューしなの」は短い停車時間で
名古屋に向けて発車していきました。

中央東線の乗車記はこちらです。
中央西線の乗車記はこちらです。

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