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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



室蘭本線
(長万部- 岩見沢、室蘭 - 東室蘭)
JR Muroran Main Line
(Oshamanbe- Iwamizawa, Muroran - Higashi Muroran)








室蘭本線は函館本線の長万部駅から
噴火湾と太平洋沿岸に沿って苫小牧に至り、
苫小牧から北上し、岩見沢へと至る211.0kmの路線です。

この他に東室蘭から室蘭に至る7.0kmの枝線もあります。


1892年(明治25年)に北海道炭礦鉄道が
室蘭(現・東室蘭) - 岩見沢間を開業し、
1897年(明治30年)には現在の室蘭まで
路線が延長されています。

その後、1906年(明治39年)に国有化され
1928年(昭和3年)には長万部 - 東輪西(現・東室蘭)間の
路線延長も完成し、現在の室蘭本線が完成しています。



Yahoo Mapに加筆・追記しています。


この室蘭本線のうち、長万部 - 苫小牧間は
札幌と函館を結ぶ特急列車や貨物列車の
メインルートになっており、また室蘭から札幌に向かう
特急「すずらん」も同区間を走っています。

また苫小牧から岩見沢への区間は
石炭輸送の貨物列車が頻繁に走っていましたが、
今では普通列車が8往復程走るローカル線になっています。

1975年(昭和50年)に蒸気機関車が牽引する
最後の旅客列車が走ったのは室蘭と岩見沢の間でした。


この室蘭本線の様子を紹介します。



岩見沢 - 追分
(Iwamizawa - Oiwake)
Dec. 14, '10

追分 - 苫小牧
(Oiwake - Tomakomai)
Dec. 16, '10

苫小牧 - 東室蘭
(Tomakomai - Higashi Muroran)
Aug. 25, '14

東室蘭 - 長万部
(Higashi Muroran - Oshamanbe)


東室蘭 - 室蘭
(Higashi Muroran - Muroran)
NEW ! Aug. 31, '14




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岩見沢 - 追分
(Iwamizawa - Oiwake)








2008年11月、根室本線の未乗区間、
島ノ下 - 野花南間13.1kmに乗車した後、
滝川から岩見沢に向かいました。

根室本線の乗車記は
こちらです。

岩見沢から室蘭本線の列車に乗って
苫小牧に向かう為です。

この時、島ノ下 - 野花南間を乗車した段階で
室蘭本線の志文 - 岩見沢間が北海道に残る
最後の区間になっていました。


滝川発 14:30の「スーパーカムイ30号」に乗り、
岩見沢に 14:55 に到着し、岩見沢からは
15:06 の苫小牧行きに乗車しました。


室蘭本線の苫小牧行きは
1番線からの発車です。



1両編成のディーゼル列車でした。

発車間際の車内の様子です。



座席の4割りほどが埋まる程度の乗車率です。

岩見沢を発車して、函館本線に沿う
広大な操車場を眺めながら走ります。

室蘭本線は函館本線に沿うように走っていきました。



その昔、室蘭本線は岩見沢を出ると
すぐに函館本線と別れ、まっすぐ
志文を目指す線路配置になっていました。

函館本線の乗車記は こちらです。

いま室蘭本線のルートになっているのは
以前の貨物線を1994年に改良復活させ、
旧来の室蘭本線の線路を廃止にしたのです。

このルート変更によって営業キロが
改訂となったので未乗区間としていました。

以前、志文 - 岩見沢間は複線でしたが、
貨物列車の運行が激減した為か、
この線路付け替えで、単線に戻っていました。


岩見沢の市街地を抜けると、車窓左手、
岩見沢の市街地を囲む丘陵地の向こう
遠くに雪を抱いた山が見えていました。



夕張岳の雄姿でしょうか。

北海道の冬の日は短く、午後3時過ぎというのに
すでに傾いた冬の陽が差し込んでいます。



広々とした雪原には1両編成の
ディーゼル列車の長い影が落ちていました。

まるで夕暮れの列車に
乗っているかのような雰囲気でした。



車窓右手には、広大な石狩平野に
傾いた陽が見えていました。

やがて車窓右手から高速道路の
無粋な土盛が現れ、この景色も
台無しになってしまいました。


高速道路をくぐる際、車両の
最後尾から眺めた光景です。



いまの線路は左にカーブしていますが
かつての室蘭本線は真っ直ぐに伸びていました。

そして志文駅に到着です。



この志文に到着した瞬間に
北海道全線乗車を果たしました。

志文は何もないプラットホームにマッチ箱のような
駅舎がポツンと建っているだけの殺風景な駅でした。

かつて、この志文からは万字線が
分岐していましたが乗車する機会がないまま、
1985年(昭和60年)に廃線になっています。


志文からも広々とした雪原の景色が続きます。

しだい次第に太陽の位置が低くなり
雪原に伸びる影も長くなっていきました。




栗沢、栗丘と過ぎると、
少しばかり渓谷の景色を走り
再び平原の中の栗山駅に到着しました。

栗山駅を発車した後の
車両後部からの車窓風景です。



栗山駅は、かつて夕張と函館本線の
野幌を結ぶ夕張鉄道との接続駅でした。

発車してしばらくすると夕張鉄道の
土堤跡と鉄橋の橋台跡が見えました。



夕張鉄道は夕張地区の石炭積み出し輸送に
活躍しましたが、石炭産業の斜陽化と
マイカーの普及によって客貨とも輸送量が
減少し1975年(昭和50年)に廃止になっています。

車窓左手、夕張岳の姿が、志文辺りよりも
随分と大きくなって見えていました。




列車は由仁、古山と停車していきます。
周囲は緩やかな丘陵地が広がるようになり、
傾いた太陽がしだい次第に、その傾きを増し、
丘陵地に近づいて行きます。

三川駅の様子です。



家路に就く人たちが、列車を降りて
三々五々駅舎に向かっていきました。


陽は益々西に傾き、いよいよ
山の端に掛かるようになりました。



この日の夕暮れが迫っています。

この日は富良野線や美瑛で素晴らしい雪景色を眺め、
この室蘭本線でも雪原の夕暮れの景色が素晴らしく
その一日の夕暮れに惜別の念を感じました。

富良野線の乗車記は こちらです。
美瑛の町の散策の様子は こちらです。




日が沈み辺りが暗くなりかけた頃
車窓左手より石勝線が寄り添い
追分駅へと到着しました。


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追分 - 苫小牧
(Oiwake - Tomakomai)








2008年11月、岩見沢からの普通列車は
15:53に追分に停車しました。
岩見沢から40.2km、所要時間は47分でした。

追分駅に停車中の苫小牧行きの列車です。



既に日が沈み、暖かな車内から
外に出ると刺すような寒さを感じました。

追分駅には1991年10月に、
石勝線に乗った際に途中下車しました。
駅前を少し散策しましたが、どこといって見るところもなく
すぐに駅に戻って、次の列車の到着を待った記憶があります。

追分には2分間の停車した後、発車しました。


既に日が沈んだ車窓には丘陵地が迫り、
まだ青さが残った夕暮れの空に
雑木林の枝が黒い影となって
映えていました。



次の安平駅に到着した際の様子です。



何人かの乗客が列車から降り、
家路に就いていきます。

乗客が減り、次第に寂しくなっていく
列車の中から、その様子を見守るのは
どこか寂しさを感じる光景でもあります。

次の早来を過ぎると、再び丘陵地の景色です。



夕焼けで黄金色に染まる空に
映える雑木林が印象的でした。

そして遠浅駅に到着しました。



つるべ落としの秋の陽、周囲は
既に暮れなずんでいました。

遠浅駅を発車した後の、
列車後部からの眺めです。



遠浅駅周辺は、広大な湿地が広がっています。

黄昏時の湿原の景色が広がってきました。



車窓右手遠く、湿原の遥か向こうに
高い山のシルエットが見えてきました。
恵庭岳か樽前岳でしょうか。



空の端が少しばかり、
ほんのりと赤く染まっていますが
既に夜の帳が下りようとしていました。

千歳線が合流し、線路脇には
架線柱も立ち並びようになり、
暗闇の湿原に、街の明かりが
点々と輝くようになりました。

千歳線の乗車記は こちらです。


そして沼ノ端駅に到着しました。



まだ午後4時半頃なのですが、
既に夜の光景でした。

沼ノ端からは電化された複線の線路を走り
16:34に苫小牧に着きました。



岩見沢から75.6km、
1時間28分の所要時間の旅でした。


夕暮れの丘陵地や遠浅駅からの湿原の
雄大な景色を楽しむ事が出来ました。


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苫小牧 - 東室蘭
(Tomakomai - Higashi Muroran)








2009年12月、札幌出張の際に、室蘭に行く機会がありました。
新札幌まで地下鉄東西線に乗車し、新札幌から12:30 発
函館行「スーパー北斗12号」に乗車しました。



札幌市交通局東西線の乗車記は こちらです。


苫小牧までは千歳線を走り、僅か33分で到着します。



千歳線の乗車記は こちらです。


平日の昼下がりの時間ですが、反対側のホームには
まとまった数の乗客が列車を待っていました。

室蘭本線の岩見沢から苫小牧は、本線とは名ばかりで
普通列車が走るばかりのローカル線然とした路線ですが、
苫小牧から東室蘭にかけては、特急列車も走る
幹線路線になっています。


苫小牧を発車すると、室蘭本線の旅となります。
市街地を抜けると、周囲は原野の光景となり
樽前山が手に取るように見えるようになりました。



樽前山は、標高1041mの山です。
海岸に近いところに聳えているので、
その数字よりも高い山の様に思えます。

しかもこの樽前山は活火山で、
うっすら噴煙のような煙も見えました。



進行左手は、少し離れたところに太平洋が
広がり、国道36号線が並走しています。

苫小牧の手前の沼ノ端から白老に掛けては、
原野の中を、28kmにもわたり直線が続き、
日本で最も長く直線が続く区間になっています。


次第次第に樽前山が近くに迫り、
とても雄大な景色になりました。



樽前山の中央に黒いドーム状の突起があり、
これが1909年(明治42年)の噴火で
出来た樽前ドームです。



この日は、雲一つない快晴の天気で
この樽前ドームも良く見えました。

しばらく樽前山を眺めていましたが、
席を立って先頭車両の一番前の所に向かいました。

今では立ち入りが禁止されていますが、
貫通路の所に窓があり、立っていると
進行方向の景色が楽しめます。



「スーパー北斗」は最高時速130km/hの俊足で
しかも振り子機能の付いた車両なので、
前面の展望は迫力がありました。

白老を過ぎると、車窓右手の前方に
雪を抱いたホロホロ山やオロフレ山が
遠くに見えてきました。



この景色もとても雄大なものでした。

しばらくこの景色を愉しんでいましたが、
やがて北吉原駅前の製紙工場が見えました。



今まで大自然の景色が続いていたので
ちょっと違和感のある光景です。

しかし、ホロホロ山やオロフレ山の
光景を再び眺める事が出来ました。



再度、先頭部に向かうと丁度、
虎杖浜駅を通過するところでした。
そして貨物列車とすれ違いました。



青函トンネルを通り、五稜郭から苫小牧、
札幌へと向かう路線は、北海道の農産物や
北海道への物資輸送の貴重な路線になっていて
数多くの貨物列車が運行されています。

やがて、山が迫るようになり、トンネルを抜けると登別です。
苫小牧から21分で登別に到着しました。



有名な登別温泉への最寄駅です。
登別を発車すると、進行左手に
太平洋を眺めながら走ります。



登別市の中心に近い幌別を過ぎ、
鷲別を通過しました。



樽前山の雄大な光景を見た後では
かなり住宅が密集している印象を受けます。

やがて線路が幾つにも分岐するようになりました。



「スーパー北斗」もスピードを落とし、
東室蘭に到着です。



東室蘭に停車中の「スーパー北斗12号」です。
列車は、この先、函館まで向かいますが、
ここで下車し、室蘭を目指しました。


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東室蘭 - 室蘭
(Higashi Muroran - Muroran)








東室蘭で4分の待ち合わせで、
室蘭行の列車に乗り換えました。

1両編成のディーゼルカーです。



室蘭 - 沼ノ端間が電化されていますが、
室蘭に向かうこの列車はディーゼルカーでした。

ホームの向かいには苫小牧に向かう
普通電車が停車していました。



こちらは、札幌地区に初めて電車が
導入された時の711系という車両です。

乗車したのは2009年12月でしたが、2012年に
東室蘭と苫小牧の区間も普通列車は
すべてディーゼル列車が走る事となり、
この711系も2014年度で廃車になるそうです。

平日の午後早い時間の列車でしたが
車内は、多くの乗客がいました。



13:40、定刻に東室蘭駅を発車しました。
室蘭に向かう列車は、真っ直ぐに伸びる線路を走ります。



現在の室蘭本線は、特急列車の走る長万部 - 苫小牧が幹線で、
東室蘭から室蘭に向かう線路が枝線の様になっていますが、
建設当時の経緯からは、室蘭から苫小牧に向かう線路が
主要路線で、歴史も古く、線路配置はそれを物語っています。


次の輪西を出ると車窓の右手には工業地帯が見えてきました。



このあたりは、標高911mの鷲別岳から南に伸びる
山塊が太平洋に突き出た岬状の地形を築いており、
その岬に囲まれた西側の海が埋め立てられ
製鉄所等の工業地帯を形成しています。


この周辺の地図をご参照下さい:
http://yahoo.jp/KOv7hk


次の停車駅は御崎です。



今は、埋め立てられてその面影はありませんが
この工業地帯にせり出した岬に設けられた駅です。

御崎を出ると、国道と東側の高台との狭間を走ります。



次の停車駅、母恋駅に到着しました。
その名前から、母の日には入場券が良く売れるそうですが、
駅名はホッケ貝が沢山ある所という意味のアイヌ語、
「ポクセイ・オ・イ」から来ています。



既に傾いた北国の冬の陽射しが、
ホームに影を落としていました。

母恋を発車し、トンネルを抜けると
終着の室蘭に着きました。



室蘭駅は、島式ホームの両側に
発着番線のある簡素な駅でした。

往時、室蘭駅は石炭積み出し港として
栄えていたそうですが、その面影はありません。

駅もこの先1.1km程の所まで伸びていましたが
貨物取り扱いが無くなった為、1997年10月に
市役所に近い今の場所に移転しています。



新しい室蘭駅の駅舎です。
駅舎内は地域のコミュニティーセンターの様になっていました。

以前の室蘭駅舎は準鉄道記念物に指定されているようです。
30年程前は、この駅舎に降り立ったのですが、
残念ながらその記憶は残っていません。



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