Ice Field Parkway
from Lake Louise to Jasper








Ice Field Parkwayはレイク・ルイーズから
カナディアン・ロッキーの山々の間を走り
ジャスパーに至る230kmのハイウェーです。

レイク・ルイーズの様子はこちらです。
ジャスパーの様子はこちらです。


この区間の景観は素晴らしく、スイス・アルプスの
マッターホルンに初登頂した Edward Whymperが
「スイスを50ばかり、一箇所に集めたようだ」
と語ったと言われています。

途中にはコロンビア大氷原から流れ出す
アサバスカ氷河にも行く事が出来ます。

カナダ旅行の4日目、一日かけて
このIce Field Parkwayをドライブしました。

その様子を紹介します。



レイク・ルイーズからボウ峠
from Lake Louise to Bow Pass

Jun. 30,'06


ボウ峠からコロンビア大氷原
from Bow Pass to Columbia Ice Field

Jul. 04,'06


コロンビア大氷原からジャスパー
from Columbia Ice Field to Jasper

NEW! Jul. 12,'06











レイク・ルイーズからボウ峠
from Lake Louise to Bow Pass







レイク・ルイーズを朝早くに出て、
Trans Canada Highwayを北に向かいます。

片側2車線のTrans Canada Highwayが
片側一車線の対面交通に変わった辺りで、
右に分岐する#93のハイウェーが
Ice Field Parkwayです。

Ice Field Parkwayへの
分岐点の前方に聳える山です。



この日は良く晴れて、周囲のロッキーの
山々は朝日を浴びて輝いています。

下の写真は、レイク・ルイーズ周辺の
Fairview Mt.と思います。



Ice Field Parkwayは、Bow川が
作る谷間に沿って走っています。
谷の幅は地図で見ると10km程でしょうか。

その昔は氷河で覆われていたのか、
U字状の谷底は針葉樹で覆われ、
3000m級の山々がその両側に連なっています。

車を走らせると、雪を抱いた
山々がいくつも現れてきます。
地図では、ヘクター湖が見えてくる筈ですが、
なかなか湖が現れません。

途中、野生の鹿が
道端にいるのを見かけました。

通り過ぎたかなと思う頃、
やっと針葉樹の向こう側に
ヘクター湖が見えてきました。



朝日を浴びて輝く雪山の麓に
ヘクター湖が佇んでいます。

岩山には地層が浮き出ていて、
遠い昔の造山活動を今に伝えています。

谷底の針葉樹林には
まだ日が当たっていません。

レイク・ルイーズを朝早く出てきたので、
Tranz Canada Parkwayには
行きかう車も殆どありません。



ヘッドライトを輝かせて
珍しく、対向車がやってきました。


やがて、雪を抱いたロッキーの山が
屏風のように目の前に迫ってきました。



Bow Peakです。
山の氷河や雪渓が輝いています。

車を運転していてもこの景色に
思わず喚声を上げてしまいます。

しばらく行くと、このBow Peakの山腹に
クロウフット氷河 (Crowfoot Glacier)が
姿を見せてきました。



クロウフット氷河は上の写真の
左端に見える氷河です。

今では、二筋の氷河となってしまっていますが、
100年程前には、3つの氷河がまるで
カラスの足のように見えたそうです。

地球温暖化の影響なのか、
下に伸びている氷河も
年々後退しているそうです。

この壮大なクロウフット氷河の
景観を眺めながら走ると、
ボウ湖 (Bow Lake)の湖畔に出ました。



雪を被った険しいBow Peakが湖に浮き上がり、
息を呑むような景色です。

この辺りの標高は2000m。
レイク・ルイーズよりも400m近くも高く、
その分気温が低いのか、湖は、
ほぼ前面にわたって氷結しています。

湖を渡る冷たい風に打たれながら
しばらくこの景色を眺めていました。


このボウ湖から少しばかり車を走らせると
再びビューポイントが現れます。

ここでは牧歌的な景色が広がっていました。



写真の奥に輝く白い氷河は
ボウ氷河(Bow Glacier)です

その氷河の手前、針葉樹の森のなかに
ちらっと見える建物は、
Num-Ti-Jah Lodgeと思います。



このロッジはとても雰囲気がいいそうです。
食堂では、宿泊客以外も食事が摂れるそうです。
ここからボウ氷河まで4時間程のハイキングコースもあり、
ここで一泊するのもお薦めと思います。
晴れた夜には、星空も綺麗だと思います。

Num-Ti-Jah LodgeのHPは
こちらです。


このボウ氷河の景色を眺めた後、
しばらく車を走らせると、
ボウ峠に差し掛かります。
ボウ峠の標高は2,069mです。

Ice Field Parkwayから左に折れ、
駐車場に車を止めました。

ここからは10分程の散策で
ペイト湖への展望台に行けるということですが、
駐車場は、雪に覆われていて、
その散策路がどこか判りません。



どうしようかと、迷っているうちに、
観光バスの駐車場は展望台のすぐ近くに
あるというガイドブックの記事を思い出し、
雪の為に通行止めになっている
バス専用道路を歩き出しました。

ひっそりとした針葉樹の林の中、
車も人も来る事のない坂道を登って行きます。

熊が出てきたらと思うと、不安で、
引き返したくなる衝動を抑え、
熊除けに歌を歌いながら
歩いて行きました。

とても長い時間に感じましたが、
多分、10分も経っていなかったでしょう。

やっとバスの駐車場が現れ、ペイト湖の
展望台への標識が見えました。

針葉樹の間の短い道を抜けていくと、
眼下にペイト湖の景色が広がりました。



エメラルド・グリーンのペイト湖と、
Mr. Patterson (標高3197m)、
そして遥か彼方まで
繋がるロッキーの山々。

今まで、このカナディアン・ロッキーで
幾度も雄大な景色を見てきましたが、
このペイト湖の景色に
勝るものはなかったと思います。



深い谷を渡る風が、どこか遠くで
呻るような音を立てていました。

ペイト湖の展望台でその風に打たれながら、
この景色を心行くまで眺めていました。



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ボウ峠からコロンビア大氷原
from Bow Pass to Columbia Ice Field







ボウ峠でペイト湖の絶景を眺めた後、
再び車を北に走らせました。

峠を過ぎると長い下り勾配となります。
先ほどペイト湖から見た
Mt. Pattersonが左手に見えていました。



雪を被ったカナディアン・ロッキーの
山々は見えているのですが、
クロウフット氷河からペイト湖にかけての
眺めがあまりに素晴らしかったのか、
少々単調なドライブになってしまっていました。

しばらく走ると、Ice Field Parkway沿いに
湖が見えてきました。



Water Fowl Lakeです。

この辺りの標高は1650m程。
ボウ峠よりも400m近く低く、
湖も氷結していません。



ロッキーの山々が、静かに佇んでいました。
遠くに見える山は、Mt. Pattersonと思います。


このWaterFowl Lakeの先には、
ミスタヤ渓谷がありますが、
ここは駐車場からの道が判らず
立ち寄らずに車を走らせてしまいました。

しばらく走ると、左手に深く谷が刻まれ、
その谷を見下ろすビューポイントがありました。



U字状に切れ込んだ深い谷。
そこから吹き上がってくる風を感じます。
針葉樹林がとても小さく見えています。

左手に見えているのは、
Kaufmann Peaks (3094m)です。

谷は、北の方向に広がり、
斜めに走った地層がくっきりと浮き出た
大きな岩山が谷の向こうに聳えています。


地図で見ると、この岩山の麓に
クロッシング (Crossing)という
小さな集落があります。

時間は10時半頃。
朝ご飯抜きでホテルを出たので、
お腹も空き、ここで食事の予定です。

レストランでお昼を摂ろうと思っていたのですが、
Crossingの街のすぐ手前のビューポイントがあったので、
レストランで買った軽食をテイクアウトし、
雄大な景色を眺めながら昼ご飯を食べました。

流量の豊富なサスカチュワン川の流れと
その向こうのカナディアンロッキーの山々



この景色を眺めながら、
サンドイッチを頬張っていました。
寒いほどの風が吹いていました。

クロッシングを過ぎると、
北サスカチュワン川に沿って走ります。



左手に流量豊富な北サスカチュワン川が流れ
広い河原の向こうに雪の岩山が見えています。
上の写真は、多分 Mt. Saskachewan、
下の写真はMt. Ameryと思います。




この景色からしばらく走ると
右手に壁の様な岩山が聳えていました。

ガイドブックによると、この岩が
「すすり泣く壁」(Weeping Wall)でしょうか。
岩壁から幾筋もの雪解け水が滴り落ちてくるので、
この名前が付いたようです。



「すすりなく壁」を過ぎると、
Ice Field Parkwayは
北サスカチュワン川の河原を走り、
大きなU字を描き、方向を変え
急坂を上るようになりました。

この急坂の先がサンワプタ峠です。
峠に向かう途中で、ロッキーの山並みを
貫いて走るIce Field Parkwayを
見下ろすビューポイントがありました。



Parkwayの先に聳える山は
Mt. Colemanでしょうか。

峠を越えると、バンフ国立公園から
ジャスパー国立公園へと入ります。

急に雪深くなり、雪渓を抱えた
Mt. Athabasca(3493m)が
目前に見えてきました。



山の稜線に厚い雪の壁が見えてきました。
コロンビア大氷河(Columbia Ice Field)の
一部なのでしょうか。

コロンビア大氷原の様子はこちらです。




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コロンビア大氷原からジャスパー
from Columbia Ice Field to Jasper







コロンビア大氷原から流れ出る
アサバスカ氷河の散策を終えて
再びジャスパーに向けて車を走らせました。

コロンビア大氷原の様子はこちらです。


振り返ると氷河をまとったMt. Athabasca(左)と
Mt. Andromeda(右)が聳えていました。



しばらく走ると左手に再び
大規模な氷河が見えてきました。

地図で確認すると、多分
Stutfield Glacierと思います。



前衛の山に隠され氷河の
全貌は良く見えないのですが、
垂直に切り立った山の頂付近から
氷河が谷に落ち込んでいるようです。

Ice Field Parkwayの中で最も
迫力ある氷河の景色でした。


ここからはサンワプタ川に沿って、
ジャスパーまで下っていきます。
約100kmの道のりです。

サンワプタ川の谷は広く、
山の険しさも幾分和らいできたようです。



Ice Field Parkwayを走っていると
Mountain Goatの標識を見かけました。
この辺りはMountain Goatや
Bighorn Sheepの保護区になっているようです。

Montain GoatやBighorn Sheepの
姿を探しながら運転していましたが、
残念ながら、山羊や羊の姿は見えないまま
保護区を通り抜けてしまったようです。

やがて、サンワプタ滝の案内標識が見えてきました。
コロンビア大氷原から流れてきた
サンワプタ川の本流が流れ下る滝です。



遠くにReplica Peakを望むサンワプタ滝。

雪解けで水量が豊富で、
見ていて迫力があります。


このサンワプタ滝を過ぎると
右手にMt. Kerkeslinが見えてきました。



この先のアサバスカ滝を目指して車を走らせていると、
車が何台か止まっているのを見かけました。
事故でもあったのかな?と思い徐行させると
対向車側の道端に、ブラック・ベアーがいました。



カルガリーからバンフに向かう途中で
ちらっと見かけたのですが、こうして
近くで野生の熊を見るのは初めてです。

カルガリーからバンフへの様子はこちらです。


しばらく熊の様子を眺めた後、
しばらく走るとアサバスカ川の
辺を走るようになります。



今度は、前方を黒い物体が横切りました。
今度もブラック・ベアーです。
この熊はあっという間にアサバスカ川に
入ると対岸まで泳いでいきました。



この写真で川の中の黒い影が
泳ぎながら対岸に向かう
ブラック・ベアーです。

こうして野生の熊が見られるのは
大自然の広がるカナディアン
ロッキーならではなのですが、
この付近にはキャンプ場もあり、
やはり恐怖心も感じます。

ボウ峠でペイト湖の展望台への道の途中で
熊に出会わなかったのは本当に良かったと、
この時、胸を撫で下ろしました。

ボウ峠の様子はこちらです。


再び車を走らせると、
今度はアサバスカ滝です。



Mt. Kerkeslinを背景に
流れ落ちるアサバスカ滝。
落差25mです。

ここもアサバスカ川の本流が流れ落ち、
水しぶきを上げながら流れ落ちる滝は
とても迫力がありました。


アサバスカ滝からは、谷も広がりました。
ジャスパーまでは、もうすぐです。

レイク・ルイーズからジャスパーまで
230kmの道のりでしたが、
途中何度も車を止めたので、
8時間半も掛かってしまいました。

ジャスパーの町の手前では
Whistlers山へのゴンドラに乗りました。



ゴンドラ乗り場から、ジャスパーの町の
背後に聳えるピラミッド山が望めました。

朝、レイク・ルイーズを出た時は快晴でしたが、
雲行きが怪しくなってきました。

ジャスパーの様子はこちらです。




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