"Detroit People Mover"


乗車日:April, 2008






Detroit People Moverはデトロイトの
Down Townの周囲を一周している鉄道です。

Detroitの街の様子は、こちらです。

営業キロは4.7kmです。
単線の路線が高架でデトロイトの街を貫き、
2両編成の電車が反時計回りに
ぐるぐると回っています。

運賃は一回50cent、約45円と良心的な値段です。
朝から真夜中まで運行していますが、
日曜日の午前中は走っていないので
注意が必要です。





Detroit People Moverの本社がある
Times Squareを起点として13の駅があります。

@ Times Square
A Michigan Ave.
B Fort/Cass.
C Cobo Center
D Joe Louis Arena
E Financial District
F Millender Center
G Renaissance Center
H Bricktown
I Greektown
J Cadillac Center
K Broadway
L Grand Circus Park


短いDetroit People Moverですが、
3つの区間に分けて紹介しようと思います。



Renaissance Center to Broadway
Sep. 05, '09


Broadway to Cobo Center
NEW ! Sep. 07, '09


Cobo Center to Renaissance Center
NEW ! Sep. 08, '09





鉄道旅行へのいざない - North America編- に戻る









Renaissance Center to Broadway







デトロイトの街中をぐるっと一周している
Detroit People Moverに乗車する際、いつも
GMの本社があり、ホテルも同居している
Renaissance Centerから乗車しています。

Detroitの街の様子は、こちらです。

Renaissance CenterからJefferson Ave.を隔てた
向かいにあるMillender Centerビルの中から
Renaissance Centerに向かってDetroit
People Moverの高架路線が伸びています。



高く聳えているのはComerica Towerです。

Renaissance Center駅に到着した2両編成の電車です。



Detroit People Moverの電車はカラフルな塗装です。
自動運転制御されていて運転手は乗っていません。

車両と車両の間も行き来は出来ず、
乗客が少ない車両に乗り込むには
少し勇気が要ります。


Renaissance Centerを出ると、
ほぼ直角に左にカーブを切り
北に向かいます。



そのカーブを曲がる途中、Jefferson
Ave.に沿ったDetroitの東側の光景です。

Renaissance Centerを境に高層ビルは見られなくなり
その東側には荒廃した地域が広がっています。


Renaissance Centerの先で直角の
カーブを曲がった先の直線区間です。



単線の高架橋が延びています。
線路の幅(ゲージ)は1435mmで新幹線と同じです。
線路の間に、金属製のプレートが敷かれています。
リニアモータ駆動式なのでしょうか。

リニアモーター駆動式は、磁気の力で
推進力を生み出す仕組みで
日本でも、大阪市交通局の長堀鶴見緑地線や
今里筋線にも採用されています。
今里筋線の乗車記は、こちらです。

車窓左手に見るデトロイト中心部の高層ビル群です。



朝陽を浴びて輝いています。
左側、屋根の形状が三角形状のビルは
Renaissance Center駅から眺めた
Comerica Towerです。


Renaissance Center駅から一つ目の
Bricktown駅で停車中の様子です。



この先で線路がクランク状に曲がり
ビルとビルの間に高架橋が入り込んでいます。

そのビルとビルの間にあるGreektown駅です。



Greektownは、ギリシャレストランが集まる一角で
デトロイト中心街でもこの界隈だけは
夜でも通りを歩く事が出来ます。


Greektown駅を出ると再びほぼ直角に
左に曲がり西に向いて進んでいきます。

Greektownを過ぎると、ビルもまばらとなり
周囲には空き地が広がり、その中に
ポツンとレストランが建っていたりします。



進行方向には、古びたデトロイトの
かつての中心街だったビル群が
建ち並んでいます。

前方のビル群のあたりが
Cadillac Center駅です。

Cadillac Center駅前にある
デトロイト市図書館です。



1921年に開設されたそうで、
建物は歴史を感じさせるものです。

Cadillac Center駅に停車中の
車両前方の眺めです。



ビルが立ち並びどこにも見られる光景のようですが
よく見るとビルの入り口はどれも封鎖されていて
この一角は廃墟となっているようです。

Cadillac Center駅の先を曲がったところの光景です。



線路の左手、空き地のところは
閉店した百貨店跡のビルが、
閉店後もしばらく建っていました。

窓や入り口が塞がれた古いビルの一階は
至る所に不気味な落書きがされ、
上の階の窓ガラスは割られている様子には
Detroit People Moverに乗っていても
背筋が寒くなる思いがしたものです。

2008年春に乗った時には、
その古いビルも取り壊され、
再開発の工事がされているようで
安心したのですが、その後、
工事はどうなっているのでしょうか。

やがて電車はBroadway駅に到着です。



Broadway駅からは車窓右手に
大リーグ、Detroit Tigersのホーム球場
Comerica Parkのスタジアムが見えていました。

Comerica Parkの東隣にはアメリカンフットボール(NHL)、
Detroit Lionsのホームスタジアム、Ford Fieldがあります。

その界隈は再開発がされていますが
Broadway駅の反対側は
廃墟のビルが建ちなんでいます。



道路に面して建っているビルは
どれも入り口が閉鎖され、壁には
一面、不気味な落書きで溢れていました。



"Detroit People Mover"のページのTOPに戻る







Broadway to Cobo Center







廃墟となったビルの脇を抜けると
やがてデトロイト・オペラハウスの脇を走ります。



残念な事に、デトロイト郊外に住んでいる時に
ここにコンサートを聴きに来る機会はありませんでした。

やがてWoodward Ave.沿いの
Grand Circus Parkが見えてきました。



写真は公園に隣接した教会です。
Woodward Aveはデトロイトの目抜き通りです。
ここから数ブロック先にFox Theatreという劇場があり
このあたりまでがデトロイトの中心街です。

Grand Circus Park駅から眺めた
教会とComerica Parkの野球場です。



かつてアメリカ有数の
美しい街と言われたデトロイト。
その名残を僅かに残していると思います。


Grand Circus Park駅を発車すると
再び廃墟ビルの脇を通って行きます。



本当に多くのビルが廃墟のように建っていて
見ていても胸を締め付けられるような光景です。

やがてデトロイトの西北の郊外へと続く
Grand River通りをオーバークロスします。



このあたりはビルが取り除かれて
空き地が広がっています。

デトロイト近郊に住んでいた時、
アメリカからドイツへと引越しする事になったので
このGrand Riverの通りの先にあった
ドイツ領事館に何度か行ったですが、
昼間、車で行っても恐怖心を感じました。


そんな事を思い出すうちに
Times Square駅に到着しました。



ここにはDetroit People Moverの本社があり
引込み線もあるため、駅の手前で線路が分岐しています。

Times Squareから、Michigan Ave.、
Fort/Cassと短い間隔で駅に停まります。



上の写真左がMichigan Ave.駅に
停車中に前方を眺めた様子です。
右側がFort/Cass駅を発車して
Fort Streetの中心部方向を眺めた写真です。

荒廃したデトロイトの街中から
まだ活気の残っている地区へと
足を踏み入れてきたようです。

Fort/Cass駅からしばらく走ると
行く手にCobo Centerの建物が見えてきます。



Detroit People Moverは、このCobo Centerの中に
吸い込まれるように内部に入って行きます。
内部に入ったところがCobo Center駅です。

Cobo Center駅のプラットフォームから
到着する電車を写した様子です。



Cobo Centerでアメリカ自動車技術会の
技術発表がある時は、このCobo Center駅は
その参加者で賑わっています。
僕も何度もこの駅で下車した事があります。



"Detroit People Mover"のページのTOPに戻る







Cobo Center to Renaissance Center







Cobo Centerの建物の中にある
Cobo Center駅を発車すると
建物の中を走っていきます。

左右の視界は利かないのですが、
高架橋の脇から、展示会場となる
大きなホールの様子が見ることが出来ます。

Cobo Centerを抜けると、フリーウェーの
インターチェンジの上を跨いで行きます。



この先に、白い大きな建物が見えてきました。
NHL(プロホッケーリーグ)に所属する
Detroit Redwingsの本拠地、
Joe Louis Arenaです。



試合のある日は、2万人のアリーナが
いつも満員になる人気です。
試合の日には、このDetroit People Moverを
利用する人も増えるのでしょうか。

Joe Louis Arenaはデトロイトの南を流れる
Detroit Riverに近く、車窓からも
その流れを見ることが出来ます。



このあたりの様子は
デトロイトの旅行記もご参照ください。
Detroitの街の様子は、こちらです。

Joe Louis Arena駅を発車すると、
Detroit Riverに沿って走るようになりました。



Detroit Riverはアメリカとカナダの国境を
流れる川で、対岸は、カナダのWindsorです。

Cobo Centerの手前では荒廃したデトロイトの
街を走り気が滅入る様な光景も多かったのですが、
この景色は、清清しい車窓風景です。

やがて、前方遠くにRenaissance Centerが見えてきます。



ここでほぼ直角にカーブを切り北に向かいます。
この先でデトロイトDown Townの目抜き通り
Jefferson Ave.をオーバークロスし、
中心部のビル街に入り込んで行きます。



Jefferson Ave.をオーバークロスしている区間から
Renaissance Centerを見た様子です。



Renaissance Centerを最も綺麗に
眺められる場所だと思います。

高架で走るDetroit People Moverを
Jefferson Ave.から眺めた様子です。



この辺りのビルには活気があり、
近代的都市の象徴のような光景です。


北に向かって走っていたDetroit People Moverは
この先で、右にほぼ直角に曲がり、
Jefferson Ave.の一ブロック北側の通りを
東に向かうようになります。



高架の路線を囲みこむ様に聳える高層ビル。
Detroit People Moverの路線の上に、
ビルとビルを結ぶ回廊が架かって、
立体的な街並みの光景です。

この区間を地上から眺めた様子です。



Detroit People Moverの走るスピードは
それ程速くはないのですが、
こうして見ていると躍動感を感じます。


Detroit People Moverはやがて右にカーブし、
Millender Centerビルの中に進入していきます。



Millender Centerのビルの中に作られた
Millender Center駅です。



ガラスで覆われたビルの中に作られ、
外からの日差しが、ビルの中の
プラットフォームに届いています。

このMillender Center駅を発車し、
Jefferson Ave.をオーバークロスすると、
GMの本社、Renaissance Centerが
目の前に迫ってきました。



Renaissance Centerももうすぐです。
一周、20分ちょっとのDetroit
People Moverの旅の終わりです。


車の町、デトロイトの都市交通としては
このDetroit People Moverが唯一の鉄道ですが、
Woodward Ave.沿いのGrand Circus Parkから
郊外へと向かう約14.9kmのLRTの計画が進められています。

街の中心街とシカゴへと向かうAMTRAKの駅や
大学、郊外の病院などを結ぶ計画のようです。

Woodward Light Rail プロジェクトのサイトはこちらです。
DetroitとChicagoを結ぶAMTRAKの乗車記はこちらです。
Chicagoの街の様子は、こちらです。


このLRTが開業したら、治安が悪いといわれた
Woodward Ave.も変わることでしょう。
是非乗ってみたいです。



"Detroit People Mover"のページのTOPに戻る

鉄道旅行へのいざない - North America編- に戻る