広島電鉄は、広島の中心部の路面電車網と、
宮島口へと至る路線を持つ鉄道です。

市内の路面電車は、本線、宇品線、皆実線、
白島線、横川線そして江波線と6路線あります。

路面電車の営業キロは19.0km、宮島口までの
16.1kmの路線と合わせ、総延長35.1km、
年間輸送人員は約5,500万人にも上ります。

郊外の宮島口までの宮島線は鉄道路線と
なっていますが、本線の路面電車の車両が
広島駅から直通するLRT路線となっており、
市内の6路線と宮島線を合わせた営業キロ数、
輸送人員とも路面電車としては日本で最大です。

広島電鉄の前身の広島電気軌道が最初に営業を
開始したのは1912年(大正元年)になります。
本線、宇品線、白島線が1919年(大正8年)迄に、
江波線、皆実線が戦時中に開業しています。

一方、宮島線が開業したのは、
1931年(昭和6年)になります。

日本では1960年以降、自動車の普及により、
市街地での渋滞が発生すると、路面電車が
目の敵にされ、廃止されてしまいました。

その一方で、広島では路線網が残され現在も
市民の交通の足として活躍している広島電鉄の
姿を見るにつけ当時の交通行政の愚かさと、
路面電車の優秀さを証明している様に思います。