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常総線は全線未電化ですが、取手〜水海道間で
宅地開発が進み、この区間は複線化されています。
列車の運行も水海道を境に、南北で分けられており、
水海道以南は2両編成以上の列車が運行され
水海道以北は主に1両の列車が走っているようです。
2005年に、つくばエクスプレスが開業し守谷駅が
その接続駅になると、常総線の乗客の流れが変わり、
従来は取手に出ていた乗客が、守谷から
つくばエクスプレスに乗り換えてしまい、
関東鉄道としては減収になってしまっているようです。
つくばエクスプレスの乗車記はこちらです。
その一方で、快速列車の運行もあり、
下館などから関東鉄道を利用し
つくばエクスプレスで東京に出る乗客が
増えているそうです。
この関東鉄道常総線をいくつかの区間に
分けて紹介しようと思います。
取手 - 水海道
Toride - Mizukaido
July 06, '12
水海道 - 下妻
Mizukaido - Shimozuma
July 12, '12
下妻 - 下館
Shimotsuma - Shimodate
NEW ! July 21, '12
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取手 - 水海道
(Toride - Mizukaido)
関東鉄道常総線の取手駅は
JR常磐線の駅に隣接しています。
水戸駅寄りの跨線橋に上り
乗り換え改札を抜けて、階段を下りると
島式ホームの関東鉄道の乗り場がありました。
8番線に停車中の水色の列車は、
2両編成のディーゼルカーです。
1995年2月に初めて常総線に乗った際は
到着した列車から多くの乗客が吐き出され、
階段へと押し寄せる様子がとても印象的でしたが、
この時は通勤時間帯は過ぎていたものの
閑散としていて、その違いに驚きました。
9:43 発の水海道行列車は、
定刻に発車しました。
発車するとJR常磐線が右に分かれ
常総線は左へとカーブしていきます。
水海道行の車内の様子です。
未電化ながら沿線は住宅開発が進み
通勤路線という印象があったので
このガラガラの車内は意外でした。
沿線は住宅地が広がり、所々に
常陸台地の雑木林が広がっています。
地図で見ると、沿線は住宅団地が続いていますが
車窓には雑木林が生い茂るような光景が
続くようになりました。
電化されていない複線の線路は
伊勢鉄道やJR北海道の函館本線など
国内ではあまり見られない珍し光景です。
伊勢鉄道の乗車記はこちらです。
函館本線の乗車記はこちらです。
1995年2月に乗った際は、
霧の中にこの沿線の雑木林が
浮かび上がるような光景が続き、
とても印象的だった事を思い出しました。
雑木林と住宅地の景色の
合間に現れた畑の様子です。
こうした光景が現れると
心和むものがあります。
水海道までの区間は、1時間に4往復
程度の頻度で列車が運行されており、
頻繁に対向列車と行き交います。
途中駅の南守谷の様子です。
運転本数の割に、駅で列車を待つ乗客の
姿が少なく、少々心配になってきます。
南守谷を出て、右にカーブを切って進むと
急に目の前に巨大な高架橋が現れ
景色も開けてきました。
つくばエクスプレスとの接続駅・守谷に到着です。
この守谷で途中下車してみました。
守谷駅は都心の駅の様に橋上駅化され、
近代的な装いになっています。
常総線の上を横切るつくばエクスプレスの駅舎が
圧倒されるほど立派でした。
つくばエクスプレスの乗車記はこちらです。
1995年に初めて常総線に乗車した
際にも守谷駅で下車しています。
その時は周囲には雑木林が生い茂り、
のどかな駅だったのですが15年程の間に
景色が一変し、当時の面影はありませんでした。
守谷では20分程時間を潰し、10:23 発の
水海道行の普通列車に乗車しました。
この列車は新型の2300形です。
守谷を発車し、高速道路のインターチェンジがある
次の新守谷を過ぎた辺りまでは、都会の景色でしたが
その先で、再びのどかな景色の中を走るようになりました。
取手行の上り列車です。
小絹を発車してしばらく走ると再び
雑木林の間を走るようになります。
雑木林の間を未電化の複線の線路が
真っ直ぐに貫いているこの景色が、
常総線特有の素晴らしい車窓風景と思います。
生憎、守谷付近ではこの景色が見られなくなりましたが
沿線では,まだまだこうした光景が残されていて
嬉しく思いました。
やがて列車は、常陸台地を抜け、
田圃が広がるようになりました。
鬼怒川と小貝川流域の低湿地で、
今は見渡す限りの田園地帯になっていますが、
近世までは稲作にも適さない地だったのではないでしょうか。
田圃の景色の中に車両基地が現れました。
常総線の中核駅、水海道も間もなくです。
守谷から乗車した列車は、この水海道が終点で、
ここで一両編成のディーゼル列車に乗り換えました。
水海道 - 下妻
(Mizukaido - Shimozuma)
水海道で 10:35 発、下館行の
普通列車に乗り換えました。
2400形と呼ばれる車両です。
どんよりとした雲から、
ポツポツと雨粒が落ちてきました。
水海道を発車してしばらくは
住宅地の間を走りました。
水海道以北の運転本数は1時間2本程度と
水海道以南のほぼ半分程度となり、
線路も単線になっています。
やがて、住宅地が無くなり、
常総線は鬼怒川の自然堤防の
微高地を走るようになりました。
水海道の二つ目の中妻で上りの
ディーゼル列車と交換です。
単線のこうした列車の行き違いは
長閑さを一層引き立てます。
この中妻の辺りからは、広大な
田圃の中を走るようになりました。
地図で見ると、蛇行して流れる鬼怒川の流れから
少し離れたところを、ほぼ真っ直ぐに北上していて
川の両側の微高地を離れて線路が敷かれた様です。
次の三妻駅に停車中の様子です。
この三妻駅の東、約7〜8kmの所には
つくば市の中心部があるのですが、
のどかに広がる田園風景と、近代的な
学術都市がすぐ近くに位置しているとは
なかなか結び付きませんでした。
線路際に灌漑・排水用の
小川も見えていました。
水海道から18分程、再びまとまった
市街地が現れると石下に到着しました。
この石下で再び途中下車してみました。
石下駅の跨線橋から眺めた
駅構内の様子です。
2面2線の配線です。
ホーム全体に上屋が架かる駅の様子は
地方鉄道の駅としては立派なものです。
石下駅の周辺でどこか散策しようと思ったのですが
周囲にはあまり訪れるところが無さそうだったので
次の列車に乗りました。
石下を 11:29 に発車する次の列車は
下館行の快速列車でした。
この快速列車は「つくばエクスプレス」が開業した
2005年8月に新設された列車です。
基本的には守谷駅と下館の間を結び
常総線沿線とつくばエクスプレスの乗り換えで、
都心に向かう人の流れを関東鉄道に
引き寄せようという目的で設定されたそうです。
石下から乗車した快速列車の車内です。
一両編成の車内は、空いていました。
石下からも田圃が広がる
のどかな景色の中を走りました。
玉村を通過し、次の宗道で
上り列車と交換します。
駅周辺は微高地になっていて、
向日葵も咲いていました。
宗道から再び田圃の中を走り、
石下から7分で下妻駅に到着しました。
下妻駅に到着した下館行きの快速列車です。
この下妻でも途中下車し、
近くの城址を訪ね歩きました。
下妻陣屋の様子はこちらです。
下妻城(多賀谷城)の様子はこちらです。
下妻 - 下館
(Sjhimotsuma - Shimodate)
下妻陣屋と下妻城の散策を終え、
下妻駅に戻りました。
下妻陣屋の様子はこちらです。
下妻城の様子はこちらです。
下妻から下館行の普通列車に乗車しました。
いよいよ常総線の最北端の区間となります。
下妻の市街地を抜け、右にカーブする辺りに
多賀谷氏の菩提寺・多宝院があった様です。
下妻周辺の微高地から
田圃の広がる景色となります。
この田圃はかつての大宝沼と呼ばれる
広大な沼地だったところです。
田圃の向こうに見える微高地は
小貝川の自然堤防と思います。
次の大宝駅に到着しました。
快速列車が減速せずに通過できる
1線スルー式の線路配置になっています。
駅のすぐ東に大宝八幡宮があり、
かつては例祭の際に多くの乗客が
常総線を利用したそうです。
南北朝時代の頃、下妻政泰の居城だった
大宝城もこの辺りという事です。
大宝を発車すると再び、
広大な田圃の景色となりました。
田圃が尽きると微高地ととなり
集落と畑が車窓に広がります。
雑木林の間を抜ける光景も
再び目にする事が出来ました。
こうしたのどかな光景は14年前の
1995年に初めて常総線に乗った時と
全く変わっていないように思います。
大宝の二つ先のの黒子駅で
上り列車と行き違いをしました。
黒子駅から再び雑木林を
走り抜ける光景となりました。
こののどかな光景を再び見られることを
期待して、再度訪れた常総線でしたが、
その期待に違わず、素晴らしい
車窓風景が続いていました。
大田郷を発車しました。
いよいよ次は終点の下館です。
大田郷を発車すると、
再び田圃が広がりました。
田圃の向こうに、水戸線の架線柱が並ぶのが見え、
その線路に寄り添うと下館駅です。
雑草が生い茂る下館駅の南の外れの
ホームが関東鉄道のホームでした。
途中下車を繰り返しながらの
取手からの51.1kmの常総線の旅。
長閑な景色が広がる車窓風景は
素晴らしいものでしたが、
地元の人の足として、これからも
永く活躍して欲しいものです。
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