AMTRAK / San Joaquin


乗車日:Jan. 15, 2007






『California Zephyr号』でシカゴから
デンバーを経由してEmeryvilleに着いたその翌日、
サンフランシスコに立ち寄る事をせず、
再びAMTRAKの列車に乗って、
今度はヨセミテ国立公園を目指しました。

『California Zephyr号』の乗車記はこちらです。

サンフランシスコからサンフランシスコ湾を隔てた
対岸にはベイブリッジで結ばれたオークランドと言う街があります。

オークランドからカリフォルニア州のほぼ中央に南北に広がる
San Joaquin Valleyに沿ってベイカーズフィールドまでの
318mile (約511km)を走る列車が『San Joaquin号』です。

一日4往復の運転本数があり、
終着のベイカーズフィールドからは
バス連絡でロスアンジェルスに行く事が出来ます。
また途中のMerced駅がヨセミテ
国立公園の最寄り駅になっています。


前日の夜、『California Zephyr号』の遅れで
真夜中にチェックインしたホテルを
7時前にはチェックアウトし、
Emeryvilleの駅に向かいました。



駅の西側のホテルから跨線橋を
渡りながら眺めたEmeryvilleの駅舎です。
まだ朝が明けきらず、ひっそりと佇んでいます。

跨線橋の降り口でホームレスの人が寝ていて
ひやっとしながら駅に向かいました。

駅舎からホームに出てみました。



カリフォルニアの青空が広がって、
今日は一日、いい天気になりそうです。

アメリカの鉄道は日本の様なプラットホームがないので、
まるで路面電車の停留所の様な感じで、ついふらふらと
線路を横切ってしまいそうになってしまうので
気をつけなければいけません。

7時過ぎにサクラメントからサンホゼ行きの
列車が到着し、わずかな乗客が乗り降りし
発車していきました。


そして、7時40分過ぎ、ほぼ定刻に
Bakersfield行きの712列車が到着しました。



カフェカーを含む4両編成で、
機関車は最後尾に連結されています。

20人程の人が乗り込みました。



California Carと呼ばれる2階建ての新しい車両で
程よく空いていて快適な旅になりそうです。

Emeryvilleからはサンフランシスコ湾に沿い北に向かいます。
Emeryvilleの街を抜け、バークレーの高級住宅地が見てきます。
そしてしばらく走るとサンフランシスコ湾が見えてきました。



遠くにサンフランシスコの街並み、
そして金門橋も見えてきました。



この明るい日差しを眺めていると、
真冬という季節感を無くしてしまいます。


サンフランシスコ都市圏の公共交通鉄道
BARTとの接続駅Richmondを過ぎると
サンフランシスコ湾の北から東に
深く切れ込んだSan Pablo湾に
沿って走るようになりました。



静かで波のない海が広がっています。
次第に湾が狭まり、入り江のように深く切れ込み
高速道路がその細くなった入り江を一跨ぎしていました。



豪快な景色です。

やがて、Martinez駅に停車しました。
Emervilleから約40分程です。



このMartinez駅は分岐駅で、
州都のサクラメント方面はこのMartinezを出ると
細い入り江を橋で越えていきます。

ベイカーズフィールドに向かう
この列車は真っ直ぐ進み、
Stocktonを目指します。


工場の脇を抜け、やがて
広大な平原が広がりました。



時折入り江の脇を走ったりしますが、
やがて車窓左手に水郷地帯が広がります。
見渡す限りの湿原に白い鳥が沢山翼を休めていました。



「Swan!」といいながら、カメラを向けていたのですが、
近くにいた女の人が「あれはWhite Geeseよ」と
言っていました。

首が長く白鳥のように見えたのですが、
いずれにしても何百羽の白い鳥が
湿原に翼を休めたり、青空の下を
飛んだりしている様子は綺麗でした。


Martinezから50分ほどで、Stocktonに到着です。
昨日、『California Zephyr号』で丸一日
ネバダの砂漠を走っていたので、列車の中での
50分という時間はあっという間に感じてしまいます。



100人程の人がホームで列車を待っていました。
Stocktonを出ると進行方向を南に変え、
広い広いSan Joaquin Valleyを走って行きます。

地図で見ると、シエラネバダ山脈が南北に走り、
それと平行して東側に山脈が走り、
その二つの山脈に挟まれているので
"谷"という事は判るのですが、実際には
谷の両側の山脈は遥か彼方に小さく見えるのみで
広大な平原が続いています。

その広大な平原に一面の葡萄畑が現れました。



カリフォリニア・ワインというと
Napa Valleyが知られていますが
このあたりでもカリフォルニア・ワイン用の
葡萄が作られているようです。

葡萄畑が途切れると、
時折クリークが現れます。



川が自然そのままに流れているようです。
そして再び、葡萄畑が広がっています。



広大な平原に果樹園が広がる様子を
ぼんやりと眺めるうち、
下車駅のMercedに到着しました。



定刻の10時31分に到着です。
Emeryvilleから144mile (231km)。
2時間50分の列車の旅でした。

Mercedの駅にもカリフォリニアの太陽が
眩しいほどに燦々と輝いています。



こちらは最後尾に連結されているディーゼル機関車です。
AMTRAK Californiaの塗装がされています。

このSan Joaquinsもそうですが、
SacramentとSan Joseを結ぶCapitol Corridor、
San Diegoからロスを通り、Santa Barbaraを
結ぶPacific Surflinerとカリフォルニア州には
AMTRAKが運行する何路線かの都市間列車が走っていますが、
これらの列車は、交通渋滞による公害問題に頭を悩ませる
California政府の援助で運行が成り立っています。

『Capitol Corridor』の乗車記はこちらです。
『Pacific Surfliner』の乗車記はこちらです。


明るい日差しが照りつけるMerced駅前。
ここからヨセミテ行きのバスに乗り帰るのですが、
バスはまだ来ていないようです。

駅前に人が大勢集まっているので、
ちょっとそちらを見に行ってみました。



どうやらアメリカのアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーのパレードのようです。
後で調べてみたら、この1月15日がキング牧師の誕生日と知りました。


しばらく、このパレードを眺めるうち、
ヨセミテ国立公園への接続バスが到着しました。



AMTRAKの時刻表にも載っている接続バスなので
もっと大型のバスが来るものと思っていたのですが、
ざっと見たところ定員10人程の、アメリカの空港で
よく見かけるレンタカー会社の送迎用のバスの様です。

心配になって運転手さんに聞くと確かに
ヨセミテ国立公園に行くバスとのことで
乗り込みましたが、小さいバスなので
さすがに満員状態になってしまいました。


ここからヨセミテ国立公園への旅の始まりです。

ヨセミテ国立公園の旅行記はこちらです。



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