Capitols (Sacramento - San Jose)


乗車日:Jun. 29, 1997





Capitolsは、California州の州都Sacramentoから、
San Franciscoの対岸Oaklandを通り、
San Joseに至る全長134mile (214km) の路線です。

2000年3月現在、Sacramento - Oakland間に
一日7往復の列車が走っています。
このうち一往復はSacramentoの北、Colfaxまで
更に53mile程足を延ばしています。
またOakland - San Jose間は一日3往復です。
この他にCalifornia Zephyr号や、
Coast Starlight号も走ります。

California Zephyr号の様子は、こちらです。
Coast Starlight号の様子は、こちらです。


Capitolsの運行が開始されたのは1991年末です。
California州政府から補助金が出されています。
1995年春、2階建ての車両が配置された途端、
運行が打ち切られたのですが、
その後間もなく運行を開始し、
運転本数も徐々に増えているようです。


このCapitolsに乗ったのは、1997年6月。
週末をまたいで、San Joseへの出張した際に、
Sacramentoに行った帰途に乗ったのです。
この当時、Sacramento - Oakland間は
一日4往復しかありませんでした。
Sacramentoの街の様子は こちらです。


Old Sacramentoをぶらついた後、
Sacramento駅に向かいました。




煉瓦積みの堂々たる駅舎です。
セントラル・パシフィック鉄道の起点に
なっていたという由緒と歴史のある駅で、
1863年1月8日に行われた大陸横断鉄道起工式の
様子を描いた壁画があるそうですが、
それには気が付きませんでした。

古びた窓口でSan Joseまでの切符を買いました。
次の列車は12:30pm発です。
この当時次の列車は5:45pm発で、
この列車が最終列車でした。
その後2:45pmと8:05pmの列車が増発されています。
2000年3月現在。

いったいどの位の利用客があるのかな?
と、少々心配していたのですが、
待合室には思ったよりも多くの人がいました。

家族連れや若い人とかも多く、
華やいだ雰囲気です。


地下道をくぐりホームで列車を待つうち、
発車時刻の30分ほど前に、列車が回送されて来ました。
F59PHIsという新しい形式のディーゼル機関車に、
カリフォルニア・カーと呼ばれる、
明るいグレーの車体に黄色と青い帯の入った、
2階建ての車両が4両繋がれていました。
このうち一両には、スナックコーナーがあり、
軽食が買えます。



大勢の人が列車に取り付き、
ドアが開くのを待ち構えています。
譲り合いの精神に富んでいるアメリカ人も、
さすがに気が焦っているようでした。

新しい車両で気持ちよく2階席からの展望も文句無しです。
夏真っ盛りの、カリフォルニアのVacationを
楽しんでいる人を、たくさん見かけました。


定刻に発車。発車してすぐ左手に
鉄道博物館への引き込み線が見え、
Sacramento川の鉄橋を渡る前に、
観光用の蒸気機関車のレールも見えます。

Sacramentoの街並みを抜け、しばらく走ると、
池の真中の築堤を走りました。
列車も徐行しているし、
まるで洪水になったかの様でした。

Davisを過ぎ、平原を走ります。
所々潅木が、緑のアクセントとなっていますが、
全体に赤茶けていて、乾燥した土地の様です。

次第に丘陵が近づいてきます。



のどかな景色です。
この山の向こう側が、Napa Valleyと呼ばれる所で、
おいしいカリフォルニア・ワインの産地です。
今日も青空の下、さんさんと太陽が降り注いでいます。
この温暖な気候がおいしいワインを産むんですね。

突然、地の底が割れたような感じで、
鉄橋を渡りました。



Suisan Bayを渡るBenicia Martines鉄橋です。
なんでもこの橋がミシシッピ川以西で
最長・最大の鉄道橋なのだそうです。
鉄橋の位置が高く、海面は遥か下のほうです。

先行の列車がつかえているのか、
この鉄橋の上でしばらく停車していました。


鉄橋を渡り終えると、右回りのカーブを急勾配で下り、
Martinezの駅に着きます。
このMartinezeはBakersfield方面に向かう
San Joaquinsとの接続駅です。

MartinezeからはSan Pablo Bayに沿って走ります。
山が迫り、海との間の僅かな間を縫って走る感じです。
海の向うに形の良いなだらかな三角形の山並みが見え、
車窓のすぐ下には、浜辺で遊んでいる人達もいます。

こんな景色がしばらく続くと、住宅地が広がり
Richmond駅に着きました。
ここはサンフランシスコ湾岸の都市間輸送を担う
BARTとの接続駅となっています。
何人かの人が下車していきました。

Richmondを過ぎると再び海岸沿いとなりますが、
目の前をInterstateが走り、
先程とは風景がかなり変わっています。
今日はSan Franciscoは晴れているようで、
遠くにGolden Gate BridgeやSan Franciscoの
摩天楼が見えました。


Sacramentoから2時間程で、Emeryvilleに到着です。
Emeryvilleは小さな街ですが、
San Franciscoへの乗り継ぎのバスが出ていて、
AMTRAKの駅としては重要な地位を占めています。

駅周辺も新しいHotelや高層ビルが建っていて、
綺麗に整備されて、明るく開放的な雰囲気です。
ここで多くの乗客が下車し、
車内は閑散としてしまいました。

Emeryvilleからは列車はスピードを落とし、
貨物ヤードの中を最徐行で走る様になりました。
AMTRAKの車両も留置されています。
僅かに残った乗客がいなければ、
"さっきのEmeryvilleが終点で、
このまま車両基地に回送されてしまうでは?
と思ってしまいます。

しばらく進むうち、人気の無い建物の脇を通過しました。
これは昔のAMTRAKのOakland駅、16th Street駅です。
1989年までは現役の駅だったそうですが、
San Francisco大地震で倒壊の危険があるという事で、
使用禁止となりそのまま放置されているのだそうです。

再びヤードの中を走っていたのですが、
気が付くと今度はなんと路上を走っています!



機関車が牽引する2階建て車両が4両も連なる列車が
路面電車の様に道路上を走ってしまうとは驚きです。
ここはCalifornia州を貫く幹線ルートでもあるので、
コンテナを2段積みにした貨物列車も
この道路上の路線を走るのでしょうか?
ホントに驚きました。

やがてOakland Jack Londan Square駅に到着しました。
1995年に開業した新しい駅です。
駅前は、Jack London 博物館やホテル・レストラン
そしてショッピングモールがあって、
大勢の人で賑っているようでした。


このOaklandで残っていた人の
半分以上が下車してしまい、
車内は一層淋しくなってしまいました。

Oaklandからは再び専用軌道となり、
雑然とした感じのところを走ります。
すぐ左手をBARTの線路が平走していて
いかにも都市圏といった感じです。

やがて、左手から山が迫るようになります。
所々潅木が茂るだけの赤茶けた山肌です。
周囲の様子も郊外のそれとなりました。
山肌にNilesという文字が見えてきました。



ここから山あいを抜け、Stockton方面への
路線が延びる、鉄道の要衝の地で、
複雑にポイントを渡り、
進行方向を90度右に変え、
海岸線を目指しました。

この先再びSan Francisco湾沿いを走るのですが、
このあたりは、湾の奥まった浅瀬なのですが、
海の色は赤紫色で、異様な感じです。
海の汚れで赤潮が発生しているのでしょうか?

この浅瀬から離れ、住宅地が近づくと、
Santa Clara Grate America駅。
Great Americaという遊園地が近くにあり、
その最寄駅になっています。

この駅の上に陸橋があるのですが、
その上を、路面電車が走って行きました。
San JoseのLRTです。

ここまでくればSan Joseも、もうすぐです。
名残惜しい気持ちで、San Jose駅に着きました。



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