ヨセミテ国立公園
Yosemite National Park, USA








ヨセミテ国立公園は、サンフランシスコの
約250km程東にある国立公園です。

地下で固まったマグマが大きな花崗岩の塊を造り
その花崗岩が地殻変動により地表付近に隆起しました。
約1000万年前の事だそうです。

そして100万年ほど前に、氷河期が訪れ
大きな花崗岩の塊を削りながら流れた氷河が
切り立った岩山や峡谷を造りました。

国立公園になったのは1890年の事で、
東京都の1.4倍もの面積があり、
数多くのトレイルが整備されているようです。

アメリカではイエローストーン国立公園、
グランドキャニオン国立公園と並び
3大国立公園として知られています。

2007年1月に出掛けたアメリカ大陸鉄道横断旅行の際、
サンフランシスコ郊外のEmeryvilleからAMTRAKで
このヨセミテ国立公園を訪れました。

ヨセミテ国立公園といっても、中心となる
Yosemite Valleyを散策しただけですが、
その様子を紹介します。

ChicagoからEmeryville迄の
『California Zephyr号』の乗車記はこちらです。
EmeryvilleからMercedの様子はこちらです。



MercedからYosemiteへ
(from Merced to Yosemite)
Aug. 14, '07


ヨセミテ国立公園 1日目
(The First Day in Yosemite) 
Aug. 17, '07


ヨセミテ国立公園 2日目
(The Second Day in Yosemite)
NEW! Aug. 19, '07





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MercedからYosemiteへ
(from Merced to Yosemite)







EmeryvilleからのAMTRAKの列車『San Joaquin号』を
Mercedで下車し、ヨセミテへの接続バスに乗りました。

EmeryvilleからMercedの様子は
こちらです。


Merced駅から乗り換えたバスです。



大型のバスと思っていたのですが、
やって来たのは20人乗り程度の小型バス。

大きな荷物を抱えた乗客で
ほぼ満席の状態で発車しました。
11時丁度、定刻の発車です。


Mercedの小さな町を抜けると、
広大な平原になりました。



差し渡し70kmもの幅のある広い広い
San Joaquin Valleyを横切ります。
Mercedは谷のほぼ中央にあるので、
30km程先にシエラネバダ山脈の麓がある筈です。

平原に延々と続く果樹園が、やがて
緩やかな起伏の丘陵となり牧草地が広がります。



牛や馬がのどかに草を食んでいる姿が
バスの車窓から眺められます。

所々一軒家の農場が現れます。
隣の家まで、車でもかなりの距離があり、
このあたりに住む人達の普段どのような
生活をしているのかな、と思えてきます。

やがて山道となり、広大なSan Joaquin Valleyが
眼下に広がって来ました。




この山を越えると小さな集落が現れ、小休止です。
Mercedから既に小1時間走っていますが、
ヨセミテ国立公園まではまだ1時間半もかかります。

集落を抜け、しばらく走ると渓谷沿いを行くようになります。
Yosemite Valleyから流れ出るMerced Riverの清流です。



周囲の山肌には牧草が生い茂り、
所々針葉樹の木々が生えていると言った感じで
どことなくスイスを彷彿とさせる眺めです。

対岸にも細い道が続いているのですが、
その道は昔鉄道が走っていた跡のようです。

綺麗な風景の中を順調に走っていたバスですが、
急に一方通行の長い信号で停止しました。
運転手さんの話によると、2006年の4月に
大規模な崖崩れが発生して、メインの道路が通行止めとなり、
仮設の橋で、対岸の線路跡を迂回しているのだそうです。

この仮設橋や迂回路が狭い為に大型バスが通れず、
それでこの小型バスで運行されているという説明でした。



崖崩れの箇所は、反対側の車窓なので
写真には上手く撮れなかったのですが、
再び仮設橋を渡り、メイン道路に戻って
振り返った時に写したのが上の写真です。

崩れた崖が僅かに写っています。
400m程も土砂が覆いかぶさり、
復旧にはかなりの期間が必要な感じでした。


再び、渓流の眺めになりました。



Yosemite Bug Hotel、Yosemite View Lodgeと
国立公園の手前にあるホテルに立ち寄ると、
急に覆いかぶさるような岩山が現れてきました。



高さは1000m近くあるのでしょうか。
大きな岩の塊が迫ってきています。
物凄い迫力で、圧倒されてしまいました。

そして、下の写真は多分Ribon Fallの様子です。



Yosemite国立公園のガイドブックには
必ず出てくる程の名の知れた滝ですが、
真冬のこの時期は水量が少なく
滝らしい眺めは殆ど見えませんでした。

やがて、El Captainの山塊が見えてきました。



標高2146mの大きな花崗岩の塊です。
El Captainに近づくと、屏風のように
切り立った岩肌が続いているのが見えてきます。



その昔、氷河が固い花崗岩をこのように
削ってしまうには、どれ程の長い
年月が必要だったのでしょうか。

次に車窓に現れて来たのは
Three Brothersの尖った岩山です。



写真では生憎二つのピークが写っているだけです・・・

このThree Brothersの下を通る時も
バスの車窓一杯に岩肌が迫ってきました。



予約しておいたロッジにチェックインしてから
ヨセミテ国立公園の素晴らしい景色を楽しもうと
思っていたのですが、その途中の車窓から
これ程までの景色が眺められるとは
思ってもみませんでした。


そして、Mercedから2時間20分で、予約しておいた
Yosemite Lodgeにバスが到着しました。



林の中の静かなロッジ。
バスを降りると冷たい空気に
身体もシャッキとします。

ロッジからは、Yosemite Fallが間近に見えました。



部屋はまだ空いてなかったので、
荷物を預けて、遅めのお昼ご飯を食べて
Yosemite Valleyの散策に出掛けました。



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ヨセミテ国立公園 1日目
(The First Day in Yosemite) 







バスでロッジに着いたのが午後1時20分。
簡単な食事をして、2時前から行動を開始しました。

ロッジの案内所みたいなところで簡単な地図を入手して、
Yosemite valleyをシャトルバスが冬期も
運行している事を確認して出掛けました。

下は、ヨセミテ国立公園の中心となるYosemite Valleyの地図です。



赤い線が無料のシャトルバスの運行ルート(冬季間)、
そして青い線が初日に歩いたところです。
ちなみに緑の線は二日目のルートです。


まずはとりあえず30分間隔で運行している
シャトルバスに乗り込みました。

特にどこに行くと決めていなかったので、
景色を見ながら気に入ったところで
降りてみる事にしました。

降りたところはCurry Valley。
ここにもロッジがありますが、
バス停からロッジと反対の方向に歩くと、
雪原に出て、景色が広がりました。



雲ひとつない青空の中、
North Domeが聳えています。

そして、左手にはHalf Domeが
すぐ近くに見えていました。



Half Domeは標高が2693mの大きな花崗岩の塊です。
この大きな岩の塊を丁度半分に削ってしまう、
自然の力の凄さに圧倒され、
小さな自分の存在を感じてしまいます。

そして背後を振り返ると、Curry Villageに
覆いかぶさるような絶壁がそそり立っていました。



位置関係からすると、Half Domeの絶景が眺められる
標高2199mのGlacier Pointと思います。

夏にはバスも出ているようですが、
冬は通行止めで、Glacier Pointまで
行く事が出来ず、ちょっと残念です。

低い冬の陽は既に山陰に隠れ、
Glacier Pointの山塊も日陰になり、
谷底も冷たい空気があたりを包んでいます。

行き交う人や車も殆どいません。
あたりは静まり返り、Yosemiteの
自然に包まれているようです。

谷の北側の山は西陽を受けて輝いています。



上の写真は、右端がWashington Column、
その奥のNorth DomeからRoyal Archesと呼ばれる
山塊が続き、左端はYosemite PointとYosemite Fallです。

こちらの写真は、Royal Aechesから
Yosemite PointとYosemite Fall、
そしてEagle Peakにかけての様子です。



断崖絶壁の岩山が続く様子は圧巻です。
しばらく寒さの中、佇んでこの眺めを見ていました。

近くにMerced Riverが流れているので
そちらに行って見ました。


180R> 川は凍りついていて、Yosemiteの
気温の低い事がわかります。
写真には写っていないのですが、
川の上を歩いている人もいました。


この後、再びバスに乗りVisiter Centerに立ち寄りました。
ここでは、Yosemiteの詳しい地図を買う事が出来、
詳しいガイドも受ける事が出来るようです。

Visiter Centerで地図を買い、トレイルに沿って
ロッジに向かって歩き出しました。
途中、Yosemite Fallのシャトルバスの
バス停の南側に冬枯れの草原が広がっていて
そちらに行って見ました。

南側に標高2476mのSentimental Peakが見え、
北にはYosemite Pointとそこから流れ出る
Yosemite Fallが迫って来ています。





そして、ここからもHalf Domeの
悠然たる姿が見えていました。



思わずHalf Domeの姿に見惚れてします。
時間の経過と共に、岩の断崖に
少しずつ陽が差し込んで来ています。

草原の端にある林にも日が当たっています。



同じ様にHalf Domeを眺めながら
カメラを向けている人が居ました。

そしてどのぐらい時間が経ったのでしょうか。
Half Domeの絶壁の日陰が
殆どなくなってきました。



このHalf Domeの眺めは、心にも
しっかり刻み込んでおきました。


この後、ロッジに戻ってチェックインし
夕食を摂り終えた頃には冬の短い
陽はすっかりと暮れてしまいました。

まだ午後8時前というのに、静まり返かえり
すっかり深夜の様な雰囲気です。
ロッジを出て星空を見に行く事にしました。

ロッジの灯りが見えなくなると、
目の前のものが見えない程の
漆黒の闇が広がりました。

間違えて林の中に迷い込んでしまいそうで
闇の怖さというのを初めて実感しました。

そして、Yosemite Riverのバス停に辿り着き
夕方、Half Domeを眺めていた所に向かいました。

林から抜けると、頭上に見事な星空が広がりました。
Yosemite Valleyの上空に天の川がくっきりと流れています。
そして、天の川に浮ぶカシオペアからペガサスとの間に
ぼんやりとした光の塊が見えていました。

位置関係からすると、アンドロメダ星雲に間違いありません。
我々の銀河系から230万年光年離れた大銀河です。



この画像は『ウィキペディア(Wikipedia)』の写真です。


このYosemite Valleyが出来る前に発せられた光が
今、ここに届いていることになります。
生まれて初めて、アンドロメダ銀河を見る事が出来ました。



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ヨセミテ国立公園 2日目
(The Second Day in Yosemite) 







綺麗な星空を眺め、一夜明けた
1月16日もヨセミテは快晴でした。

この日は午後4時15分のバスで
Yosemiteを離れる予定です。
午前中にロッジから一番離れたMirror Lakeに向かい、
その後、Yosemite Fallを訪れ、時間が余ったら
近くの景色の良さそうなところを歩こうと計画しました。


チェックアウトし、ますは昨日と同じ
Curry Villageに向かいました。

朝9時近かった筈ですが、バスには
他の乗客がおらず、Curry Villageで下車すると
シーンとした雰囲気に包まれます。

冬期間バスが運休となっている道に沿って
Mirror Lakeに向かって歩き出そうとすると
すぐ近くの林の中にキツネがいました。

ほんの2〜3m先にいて、目が合いました。
野生の動物にこんなに至近距離で出会うと
びっくりして思わず身動き出来なくなってしまいました。



キツネも驚いた事と思うのですが、
しばらくすると何事もなかったかのように
スタスタと歩いていってしまいました。

きつねが渡って行った橋からのMerced Riverの眺めです。



朝陽が輝き、清々しい気分です。

Mirror Lakeにはここから、約1.6km程歩いて
Half DomeとNorth Domeの間の
Tanaya Canyonに分け入った所にあります。

道を間違えない様に、林の中のトレイルではなく
冬期は通行止めの車道を歩いていく事にしました。



雪原も朝陽を浴びて、綺麗な景色が続くのですが、
周囲には全く人影が見当たりません。

大自然の中に一人ぽっちで歩いているのは
孤独感を感じ、少々心細くなってきます。

林の中をしばらく歩きTanaya Creekを渡りました。



川の右側の岩壁はHalf Domeの絶壁です。

谷底に朝の弱い日差しが
少しばかり差し込んでいます。

この川を橋で渡り、三叉路を右に曲がります。
簡単なルートなのですが、全く他に人の姿を
見かけないので、万が一道に迷ったら、
と思うとつい慎重になり何度も
地図を取り出して確認いていました。


ここからはTanaya Creekに沿い、
谷間を遡って行きます。



左手にはwashington Columnの
絶壁が頭上に迫ってきます。

右手、沢の向こうにはHalf Domeの絶壁です。



沢を僅かに流れるせせらぎの音を聴きながら
無人の谷を歩いていると、道の周囲の木々に
リスの姿を何度も見掛けました。

やがて車道が尽き、Mirror Lakeの案内板も見えてきました。
ここからは僅かばかりのトレイルを歩くとMirror Lakeです。

林の中を歩くと、遠くに日差しを浴びてMt. Watkinsが輝き、
その手前に、凍結したMirror Lakeが広がっていました。



夏にはこの氷も解け、Mt. WatkinsやHal Dome、
そしてその手前のAhwiyah Pointの頂を
鏡のように映すようになるのでしょう。

上の写真は、細長いMirror Lakeの一番
奥まで行ったところで撮ったものです。

静かな、静かな湖でした。


Mirror Lakeに着いたのが10時半前頃。
地図でみると、ロッジに近いYosemite Fallまで
約5km程なので、歩いて行く事にしました。

Curry Villageまで来た道を戻り、
ここからMerced Riverに沿って歩いて行きます。

車道から一歩入った林の中のトレイルを歩きます。
ロッジからCurry Villegeに乗ったシャトルバスの
ルートに沿って歩いて行ったのですが、
バスからとは違った景色が広がっていました。



Merced River越しに見たYosemite Pointです。

しばらくMerced River沿いに歩き、橋を渡りました。
この橋はHalf Dome Vistaと呼ばれ、
Merced Riverの向こうに聳えるHalf Domeの
姿が美しく見られるポイントのようです。



前の日に、広々とした冬枯れの草原から
眺めたHalf Domeとは違った趣です。

この橋で写真を撮っていると数人の
日本人ツアー客の人と出会いました。
一週間ぶりに聞く日本語は懐かしく、
挨拶を交わそうとしましたが、
ツアー客同士で楽しそうにしている姿を見ると、
なんだか、声を掛けそびれてしまいました・・・


Half Dome Vistaの橋を渡ると、
草原が広がりました。



遠くThree BrothersやYosemite Pointや
Yosemite Fallの雄大な景色が広がりました。



昨日は、草原の向こう側、Yosemite Fallに
近いところでHalf Domeを眺めていたのです。

この眺めはとても素晴らしく、しばらく
この景色を眺めながら時を過ごしていました。

この草原を横切るとYosemite Fallです。
車の走っている道から、更に林の中を進んでいくと
Upper Yosemite FallとLower Yosemite Fallの
二つの滝が見えてきました。



Yosemite Pointも樹木の上から顔を覗かせています。

ここから更に奥に入っていくと
Lower Yosemite Fallを間近に
眺められるポイントに出られました。



春には雪解け水で、水量が増し、
この辺りまで水飛沫が飛んでくるそうですが、
雪の今の季節は水量が一番少ない時期で
細い滝の流れが見えるだけでした。

Yoemite Fallを眺め、昼食を
摂ろうとロッジに向かいましたが、
その途中で鹿を見掛けました。



5mとは離れていない距離のところで
草を食べていました。
BR> 僕の足音に気付いたのか、顔を上げ、
警戒心を抱いているのが判ります。

しばらくこちらを眺めていましたが、
すぐに姿を消してしまいました。

Yosemite Fallのトレイルを歩いていると
Upper Yosemite FallとLower Yosemite Fallが
連なって見えるところに出てきました。



午後を過ぎ、Lower Yosemite Fallが
日陰に入ってしまったのが、ちょっと残念でした。

この後、ロッジで遅めの昼食を摂り、
バスまでの時間をHalf Dome Vista近くの
草原で過ごしました。



Yosemiteの景色がとても名残惜しいのですが、
残念ながらバスの時間が近づいてしまいました。



Hotel Information

Yosemite Lodge at the Falls

Tel: (+1) (559) 253-5635
URL: http://www.yosemitepark.com/Accommodations_YosemiteLodge.aspx

Yosemite Fallsの近くにあるロッジです。
Yosemite Valleyを走る無料のシャトルバスが
一年中このLodgeに立ち寄ってくれるので
公共交通機関で来たときにはとても便利です。

Lodgeも食堂やFood Court、ツアーガイド、
ロビーでの無線LANと施設も充実しています。




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