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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



弘南鉄道 弘南線
(弘前 - 黒石)

Konan Railway, Konan Line
(Hirosaki - Kuroishi)








弘南鉄道弘南線は、津軽地方の中心都市・弘前と
黒石を結ぶ、営業キロ16.8kmの路線です。






地図を見ると、弘前から一旦西に向かい平川市の
中心駅・平賀駅を経由し黒石に向かっています。

同じ弘南鉄道の大鰐線とは弘前市内の
ターミナルが異なっています。


この弘南線は1927年に弘南弘前(現・弘前)と
津軽尾上間が開業し、その後、
1950年に全線が開業しています。


2009年10月10日、大鰐線に乗車した後に、
弘前に向かい弘南線に乗車しました。

大鰐線の乗車記はこちらです。

その時の様子を紹介します。



弘前 - 平賀
(Hirosaki - Hiraka)


弘南鉄道の弘前駅は、城東口にあります。

2004年にJRの弘前駅は橋上駅化され
弘南鉄道の弘前駅はその自由通路を
通って向かう事が出来ます。

弘前の散策記はこちらです。

真新しい弘南鉄道弘前駅の駅舎です。



大鰐線の中央弘前に着いたのが15:58。

そこから弘前駅に向かい、弘前発
16:30の黒石駅行に間に合いました。



ホームで発車を待つ2両編成の電車です。
この時点で、日本の鉄道路線で残るのは、
この弘南線と津軽鉄道だけになっていました。

黒石行の車内の様子です。



車両は通勤電車型で、土曜日に夕暮れ、
家路に就く人たちで、地方ローカル線としては
多くの人が乗車している、という印象です。

先頭車両の運転席越しの様子です。



発車までまだ間があったので、
運転士さんはいませんでした。


定刻になり発車しました。
終点の黒石は弘前から北東の方角にありますが
弘南線の電車は、JR奥羽本線に沿って南に進みます。

JRから離れ左にカーブするとすぐに
次の停車駅・弘前東高校前に停車しました。



大鰐線も学校名の付く駅名が多かったのですが
この弘南線も、どうもその様です。

土曜日ですが学校帰りの制服姿の
高校生が何人か乗り込んできました。



弘前東高校前を発車し、弘前市街を抜け、
次の運動公園前を出ると、景色が開けてきました。



進行方向左手、北側を眺めた様子です。
田圃の向こうに国道沿いの
ショッピングモールも見えています。

次の新里駅に到着しました。



田圃の中に島式ホームが
ポツンとあるだけの小さな駅です。

新里を出ると大鰐を流れ下り、
津軽平野へと流れ出た平川を渡りました。



陽も西に傾き、雲がピンク色に輝き始めています。
次の舘田では、多くの人が下車していきました。



上りの列車と行き違いです。

舘田を出ると、西の山に丁度陽が
落ちかかっているのが見えました。



弘南線の電車は、田圃の中を
東に向かって進んでいます。



車窓左手の田園風景です。



この先で、列車が左に大きくカーブを切ると
岩木山の姿が田圃の中に見えてきました。



沈みゆく太陽も同時に眺められ素晴らしい光景です。
やがて平賀に到着しました。



弘前から7.5km、13分程で到着です。

平賀駅は近代的な農協会館の
ビルの下に設けられています。

ここに弘南鉄道の本社もあるそうです。



平賀 - 黒石
(Hiraka - Kuroishi)


平賀駅に停車中の様子です。



ここでも下車客が多く、車内は
かなり空いてしまいました。

平賀駅発車時の前面展望の様子です。



この平賀駅も列車の交換設備のある駅ですが、2006年に
上の写真の左手に分岐するポイントで脱線事故があり、
それ以降このポイントは使われていないそうです。

平賀を出ると、車窓左手に岩木山が見えていました。



陽が今にも沈もうとしています。
空いた車内では他にこの光景に
目を向ける人もいません。

この素晴らしい光景を眺めながら、弘南線を最後まで
乗り残しておいて良かったとさえ思えてきました。

こちらは車窓右手の光景です。



稲の切り株が真っ直ぐに並び、
八甲田山へと続く山並みに向かっています。

この景色を眺めるうち、津軽尾上に到着しました。



数人の乗客が下車していきました。

津軽尾上を発車すると、浅瀬石川に向かって
緩やかな下り勾配を走るようになりました。



傾いた西日は、岩木山にかかる雲に沈んでいます。



西の空はいよいよピンクに染まっていました。



次第に夕暮れが迫ってきています。
なんとか明るいうちに黒石に
着いて欲しい、と願っていました。

田舎舘駅で上り電車と交換しました。



田舎舘を発車すると、岩木山にかかる雲の下から
日没間際の太陽が再び顔をのぞかせていました。



この光景を眺めていると、この日この時に
弘南線に乗車して本当に良かった、と
思わずにはいられませんでした。

境松駅で高校生が数人下車し、
一層車内が寂しくなりました。



境松を出ると、右に大きくカーブし、
進行方向を東に変えました。



そして広い黒石駅に到着しました。
弘前から約30分で到着です。

留置線に置かれた車両に並ぶように
停車した弘前からの列車です。



終点まで乗っていた僅かばかりの乗客が改札口に
向かうとホームも車両も無人となってしまいました。



これで、日本の鉄道全線乗車の旅も、
残す路線は津軽鉄道だけとなりました。

さすがに感慨が深まります。


黒石に到着したのは午後5時でしたが
陽の短い北国の秋では、もう夜の帳が
下りかかっている様な感じでした。

どこを訪れる事もなく、20分後に
黒石を出る列車に乗って弘前に戻りました。

もう寒さを感じる頃でしたが、帰りの電車は
乗客が殆どおらず、暗闇迫る景色を
窓を開けて眺めていました。



微かに明るさの残る西の空に岩木山が聳え、
その麓に遠く弘前の街の灯りが輝いていました。



2010年 12月再乗
Another Ride in Dec. '10


2009年10月、日本の鉄道全線乗車を
目前にしてこの弘南線に乗車しました。

日本の全路線乗車を目指して30年程経って
やっと乗車を果たしたのですが、その1年後に
再び弘南線に乗車する機会がありました。



年末も迫り、弘前の地には寒波が襲っていました。
屋根があっても電車へと向かう乗客には
容赦なく雪が降りかかります。

途中の館田駅での列車交換の様子です。



窓ガラスには溶けた雪が筋となって
流れ落ちて行きます。

尾上高校前の様子です。



厳しい北国の冬を実感しました。

10:30 に黒石に到着しました。



黒石駅は1面2線の頭端ホームのある簡単な構造です。

国鉄末期の1984年(昭和59年)には、旧国鉄黒石線が
弘南鉄道の路線となり、川辺駅からこの黒石駅まで
乗り入れましたが、僅か14年後の1998年
(平成10年)に廃線になっています。



黒石駅の駅舎です。

この北側には、国鉄時代の黒石線が乗り入れていた
黒石駅の駅跡が広場となって残っていました。




この時は、この寒さの中、
黒石に着いてから町の散策をしました。

黒石の散策記は
こちらです。



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