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飯山線は、長野県のJR信越本線との接続駅・豊野から
信濃川に沿いながら、新潟県の越後川口に至る
営業キロ96.7kmの路線です。
沿線は豪雪地帯で知られ、長野・新潟県境の
森宮野原では1945年2月に7m85cmもの
積雪を観測しています。
列車は、すべて長野駅に乗り入れていて、
途中、戸狩野沢温泉や十日町止まりの列車や
これらの駅で乗り換えをする列車もあります。
飯山線の歴史は、私鉄の飯山鉄道が1921年(大正10年)に
豊野 - 飯山間を開業した事に始まります。
越後川口からは国鉄が1927年(昭和2年)に
越後川口 - 越後岩沢間、その半年後には
十日町まで開業しています。
飯山鉄道もその後、小まめに延長開業を
繰り返し1929年(昭和4年)に十日町まで開業し、
豊野 - 越後川口間が全通しています。
2007年夏に越後川口から豊野まで、
久しぶりに飯山線の旅をしてきました。
その時の様子を紹介しようと思います。
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越後川口 - 森宮野原
(Echigo Kawaguchi - Mori Miyanohara)
2007年8月2日、小千谷と長岡の街に残る
河井継之助ゆかりの史跡を訪れた後、
飯山線で長野に向かいました。
小千谷の様子はこちらです。
長岡の様子はこちらです。
12:57に長岡からの電車が越後川口に到着し、
飯山線の列車は、4分の待ち合わせで発車します。
小さな越後川口の駅ですが、接続が良すぎて、
あまり時間に余裕がなく写真を撮るうちに
発車の時間が迫っていました。
発車してすぐに魚野川をわたり、
のどかな田園地帯を走ります。
爽やかに晴れ渡った青空が気持ちよく広がっています。
越後岩沢の前後でちらっと信濃川を眺めますが、
しばらく田園風景が続きます。
2両編成の最後尾から眺めた
去り行くレールの景色です。
車内は3割ぐらいの乗車率です。
夏休みとはいえ、平日の昼間なので
この程度のなのでしょうか。
しばらく走ると、急に高架橋が現れ
十日町に到着します。
高架橋は、上越線の六日町と
信越本線の犀潟を結ぶ北越急行の路線です。
北越急行には越後湯沢で新幹線に接続し、
金沢に向かう特急「はくたか」が最高速度
160km/h走っていて、全線立体交差の路線は
まるで新幹線のようです。
十日町では8分間の停車です。
十日町始発のディーゼルカーが
発車準備を整えていましたが、
そちらも空いていました。
十日町で、多くの乗客が入れ替わりました。
十日町からもしばらく田園風景を走ります。
十日町から3駅目の越後田沢を過ぎると、
右にカーブを切り、信濃川を渡りました。
広々とした田園風景も次第に狭まっていて
対岸には山が迫っていました。
再び、去りゆく線路を列車の
最後尾から眺めていました。
信濃川と河岸段丘の間の狭い平地に
集落や耕地が点在していました。
信濃川を渡った後、川に沿って走っていきます。
河岸段丘の間をゆったりと流れる信濃川の
様子を車窓から眺める事が出来ました。
信濃川の河岸段丘に広がる集落を
高い位置から眺めて走ります。
十日町から20分程で津南に到着しました。
津南町の中心駅なのですが、
ひっそりとしています。
津南を過ぎ、再び信濃川に寄り添って走ります。
緩やかに湾曲する信濃川の流れを
のんびりと車窓から見下ろしていると
時もゆったりと流れているように感じます。
山間の足滝駅の様子です。
何もない駅に女の子が降りて行きました。
十日町で、入れ替わった乗客も、
駅に着くたびに下車して行き、
車内は随分とひっそりしてしまいました。
新潟県と長野県の県境も近づき、
すっかり山間の景色となってきました。
幾重にも山が重なるように見えています。
県境を越え、越後川口から47.0kmの
森宮野原に到着しました。
越後川口から1時間12分での到着です。
この森宮野原で下りの十日町行きと交換です。
森宮野原 - 戸狩野沢温泉
(Mori Miyanohara - Togari Nozawa Onsen)
下り列車と交換した森宮野原は
山間のひっそりとした駅でした。
夏草の生い茂る景色からは想像も出来ないのですが
この辺りは豪雪地帯で、7m85cmもの積雪は
この駅で観測されています。
長野県に入った森宮野原を出ると、
信濃川は千曲川とその名を変えます。
この辺りで千曲川は大きく蛇行していて
山々の間、遠くに千曲川の流れが見えていました。
森宮野原の次の横倉の駅です。
無人駅なのですが、ホームや
駅舎の前に花が植えられています。
昔ながらの駅舎も綺麗に保たれていて
昔懐かしい鉄道旅行の
風景が今も残されています。
信濃白鳥駅での一コマです。
千曲川が蛇行している為か、
しばらく耕地が広がり、千曲川の
流れは線路からは離れています。
透き通った青空がずっと続いています。
西大滝を過ぎると、再び千曲川の
川岸を走るようになりました。
蛇行する千曲川に沿って走るようになり、
車窓左手にずっと川面が見えています。
この西大滝から上滝駅の間は、
飯山線でも白眉の区間だと思います。
写真では判りにくいのですが、
カヌーをしている人たちも見かけました。
蛇行する千曲川に沿う区間を抜け、
振り返って眺めた様子です。
山深い景色で、千曲川も自然のまま
といった感じで流れていました。
千曲川の流れに沿ううちに上境駅に到着です。
白い新しい駅舎が建っていましたが、
駅の外れに留置線の跡がありました。
以前は、この小さな駅からも木材の
積み出しが行われていたのでしょうか。
上境を過ぎると、周囲の山も開け
遠くに高社山も見えてきました。
高社山は志賀高原に向かう途中に
見える形の良い山です。
以前、この山の麓を走る長野電鉄
木島線に乗ったことを思い出しました。
長野鉄道木島線の乗車記はこちらです。
そして、戸狩野沢温泉駅に到着です。
越後川口からの列車はここが終点で、
長野方面には乗り換えです。
新しい駅舎に午後の強い
日差しが照り付けていました。
戸狩野沢温泉 - 豊野
(Togari Nozawa Onsen - Toyono)
戸狩野沢温泉で10分の接続で
長野行きが発車しました。
確か3割程の乗車率でした。
戸狩野沢温泉に到着した時は
車内はガラガラだったので、
これでも賑わいが戻った感じです。
戸狩野沢温泉を発車すると、
広々とした田園風景となりました。
長野盆地が広がり、千曲川は
離れたところを流れているようです。
再び、流れ去る線路を眺めていました。
やがて家が増え、新興住宅も
現れるようになると飯山です。
十日町とならぶ飯山線内の主要駅です。
ここからは多くの乗客が乗り込み
車内も賑わってきました。
高社山がすぐ近くに見えるようになり、
次の蓮を過ぎると千曲川の流れが山肌に迫り、
崖っぷちを走るようになりました。
千曲川の流れの向こうに高社山が見えていました。
しばらく湾曲して流れる千曲川に沿って走るうち、
進行方向に視界が開け、長野盆地が広がって来ました。
駅に停まる度に乗客が増え、
次第次第に長野に近づいたと実感します。
家が建ちこめ、やがて進行右手から立派な
信越本線の線路が近づき、豊野駅に到着しました。
豊野駅の傍らにあった倉庫です。
秋のような筋雲が空に浮かび、
不思議と心を打つ景色でした。
飯山線の旅も豊野で終わりですが、
列車は長野まで足を伸ばします。
車内はほぼ満席に近い乗車率になってきました。
車窓にはりんご畑も広がってきました。
遠くに見えるのは志賀高原の山々でしょうか。
やがて次第に家も立ちこめ、
新幹線の高架橋も現れてきました。
そして、長野駅に到着です。
広いコンコースの下に停車した
2両編成の飯山線のディーゼル列車。
まるで地下鉄の駅の様でした。
越後川口から約3時間の旅。
ゆったりと流れる信濃川や千曲川の眺めが
瞼に焼き付いていました。
2015年3月に北陸新幹線が金沢まで延伸開業し、
豊野 - 長野間はしなの鉄道が運営する事になりました。
しなの鉄道の乗車記はこちらです。
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