Spiral Tunnel & Rocky Mountaineer at Field Station, Canada





カナディアンパシフィック鉄道は、
カナダの東西を横断し、
物流の大動脈になっている鉄道です。

ウィニペグからカルガリーへと大平原を走り、
やがてカナディアンロッキーのバンフ、
レイクルイーズ (Lake Louise)を抜け、
ヨーホー国立公園を走り、
バンクーバーへと至っています。



上の写真はバンフ駅の写真です。
観光地バンフの街の外れに
ひっそりと佇んでいました。

バンフを出ると、ロッキーの山々と
ボウ川(Bow River)の作る
谷あいを走って行きます。



そして下の写真は、レイク・ルイーズの駅の跡です。



昔の駅舎は今ではレストランとなり、
駅の構内に置かれた客車列車でも
食事が摂れるようです。



バンフの様子は、こちらです。
レイク・ルイーズの様子は、こちらです。

このレイク・ルイーズ (Lake Louise)を過ぎ
ヨーホー国立公園に向かう途中、
キッキングホース峠と呼ばれる
大陸分水嶺の峠を越えます。
この峠を越えると、Trans Canada Highwayは
ヨーホーバレーへと急坂を下っていくのですが、
併走するカナディアンパシフィックの線路は
2つのループ線を使って高低差を稼ぎ
フィールドの町へと下って行きます。

このループ線のトンネルをスパイラル・トンネルといい、
標高の高い方をUpper Spiral Tunnel、
低い方をLower Spiral tunnelと言います。
このうち、高速道路の展望台から、
Lower Spiral Tuunelを見る事が出来ます。





2006年5月23日、カナディアンロッキーの旅をした際、
このスパイラルトンネルを訪れてみました。

レイク・ルイーズから車を走らせ、
緩やかな、しかし長い坂道を登っていくと、
鉄道の線路が寄り添い、やがて湖の向こうに
雪を抱いたCathedral Mt.が聳えてきました。

この辺りが、キッキングホース峠です。



キッキングホース峠を過ぎ、
下り坂をしばらく走ると、
Mt. Fieldを仰ぎ見入る山の中腹に
ビューポイントが見えてきました。



ここがスパイラル・トンネルの展望台です。

生憎の天気で雲が低く垂れ込めていますが、
山間の低い位置にトンネルの入り口が見え、
ループを廻った線路がその上に見えています。

なかなか列車が来ず、何度もフィールド駅との間を
行ったり来たりしたのですが、
ついに貨物列車がやってきました。

谷間にエンジンの音を響かせて、
ゆっくりと勾配を上って来た貨物列車。
やがて機関車がトンネル入って行きました。

機関車がトンネルに消え、しばらくすると
トンネルの上の線路に現れてきました。



列車がトンネル内のループ線を廻って
再び地上に出てきたのです。

上右の写真で、"1"のところがLower
Spiral Tuunelのフィールド側の入口。
"2"のところが、ループ線を廻って
トンネルの上に現れたところです。

先頭の機関車は右手の方向に走り去り、
視界から消えてしまったのですが、
貨物車両は後から後から続いています。

やがて、ディーゼルエンジンの音が大きく響き、
機関車が展望台のすぐ下を走って行きます。
(上右の写真の"3"の位置に赤い機関車が見えます)

その時点でも、連なった貨車が次々と
遠くはなれたLower Spiral Tunnelに姿を消しています。

言葉ではなかなか難しいのですが、
この貨物列車の様子はとても面白く
飽きることなく眺めていました。


スパイラルトンネルの展望台からは
下り坂が急になりました。
ヨーホーバレーの谷底にたどり着き、
しばらくヨーホー川に沿って走ると、
フィールドの駅です。



フィールドは人口わずか280人程の町です。
かつては客車列車も停まったと思うのですが、
今では、貨物が行き違いをするだけの駅になっています。



赤いカナディアンパシフィックの機関車が
スパイラルトンネルの方向を向いて、
心に響くようなエンジンの音をさせています。


やがてスパイラルトンネルの方向から
列車がやってきました。

白い2両の機関車の牽く列車は
旅客列車でした。
ロッキー・マウンティナー(Rocky Mountaineer)です。



エンジンの音を響かせて、
ゆっくりと入線してきました。

ロッキー・マウンティナーは、バンクーバーをベースに
バンフ経由カルガリーや、ジャスパーへと向かう豪華列車です。

ロッキー・マウンティナーのHPは、こちらです。

この列車は、朝早くカリガリーを出発し、
バンクーバーに向かう列車です。

カルガリー - バンクーバーは約1000kmです。
通常なら寝台車を連ね、夜行列車として運行するのでしょうが、
このロッキー・マウンティナーはロッキーの景色の見られる
日中だけ列車を走らせています。
乗客は途中のKamloopsという町のホテルで一泊し、
翌朝またバンクバーに向かって
出発するダイヤになっています。

機関車の後には、多くの客車が連なっています。
普通の客車が7〜8両、その後ろに
ダブルデッキの車両が4両繋がっていました。


ダブルデッキの車両は屋根の上のほうまで
窓ガラスが回り込み、車両の端には
オープンデッキもついていて
カナディアンロッキーの景色が
十分楽しめるような造りです。

車内では、多くの乗客が
線路際に立つ僕に手を振ってくれました。


このRocky Mountaineerはフィールドの駅で
一旦泊まると、すぐに発車して行ってしまいました。



フィールド駅を去るRocky Mountaineer。

今回の旅行ではスケジュールがなかなか合わず、
乗ることを諦めてしまったのですが、
いつかこの列車に乗ってみたいと思っています。


フィールド駅でRocky Mountaineerを眺めた後、
ヨーホー国立公園のエメラルド湖に向かいました。

その帰り道、キックングホース峠で、
カナディアンパシフィックの列車と行き会いました。




ヨーホー国立公園の様子は、こちらです。




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