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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



土佐電気鉄道
Tosa Electrical Railway



乗車日:May 01 & 02, 2003





土佐電気鉄道は高知市を中心として
近隣の南国市や吾川郡伊野町へと3路線、
25.3kmの営業キロを有する鉄道です。

開業は1904年(明治37年)と古く、
地元では「とでん」と呼ばれています。

高知とその近隣の市や町を結ぶ鉄道ですが、
全線を路面電車が走っています。
田んぼや丘陵の中を走る路面電車は
一風変わった趣がありました。

それでは土佐電気鉄道の3つの路線を紹介します。



伊野線 (伊野 - はりまや橋)

ごめん線 (はりまや橋 - ごめん町)

桟橋線 (高知駅前 - 桟橋通五丁目)



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伊野線 (伊野 - はりまや橋) 11.2km

伊野線は高知市の西隣、吾川郡伊野町と
高知の中心はりまや橋を結ぶ11.2kmの路線です。

11.2kmの区間に33の停留所があります。
全線がほぼJR土讃線と並行しています。

2003年5月2日の朝、高知からJRの
普通列車で伊野に向かいました。

JR伊野駅前からしばらく歩くと、
土佐電気鉄道の路線が見えてきます。

JRに並走する道路の脇に
単線の細い線路が続いています。
JR駅の最寄の停留所は「伊野駅前」。
終点の「伊野」は200mほど西に行ったところです。

このあたりは運転本数も少なく、
歩いて「伊野」に向かいました。

伊野に向かう途中、本線を外れ、急勾配で
狭い道を駆け上がっている線路を見つけました。



以前は留置線への引き込み線に使われていた様ですが、
今では、駐車場への車の通り道になっています。

伊野では、小さな待合所の前に列車が
交換出来るように複線になっています。
線路はその先で道路の中に埋もれていて、
なんとも侘しい光景です。

しばらく待つうちに、高知方面から
路面電車がガタガタとやってきました。



伊野駅に停まった路面電車です。
次の電車は9:01の文殊通行きです。

土佐電気鉄道の伊野線とごめん線の線路は
はりまや橋で高知市を東西に貫いています。

電車はそのまま直行出来るので、電車の運行形態は、
高知市の中心部をオーバーラップする形で、
伊野発の電車は、はりまや橋を過ぎた文殊通まで走り、
ごめん町行きは、高知の中心部の西端にある
鏡川橋から出ているようです。

発車間際に地元の人が数人乗り込み、
定時より少し遅れて発車しました。


伊野の小さな街並みを過ぎると、周囲に田圃が現われ
並走するJR土讃線のレールも見えて来ました。

土讃線の乗車記は
こちらです。


この辺りは、道路の脇にレールが敷設されていて
電車は道路を走る車に遮られずに走る事が出来ます。



路面電車は街中を走るというイメージがあるので、
田圃を渡る風を受けながら走る
「とでん」はとても新鮮な感じです。

しばらく田園地帯を走るうち、山が迫り、
勾配を上り峠を越えました。
この峠が伊野町と高知市の境です。

各停留場で三々五々乗車があり、
伊野では空いていた車内も次第に
空席が少なくなってきました。


峠を抜け、下り勾配が尽き大きな交差点に出ました。
今まで道幅の広い道に沿っていたのですが、
周囲に住宅の建ちこむ細い旧道に分け入りました。
朝倉駅前の停留場です。

次の朝倉では小学生の一団が電車に乗り込んできました。
小さな電車はあっと言う間に満員となりました。

細い旧道に沿ってしばらく走ります。
両側2車線の道の片側が線路として使われているので、
道路を行きかう車はとても走り難そうです。


やがて急に左にカーブを切り、
大きな交差点を抜けると、 立派な鉄橋で、大きな川を渡りました。

高知市を東西に流れる鏡川です。
そして、この橋を渡り終えたところが鏡川橋
ここで一旦下車して、先ほどの道幅の狭い
古い町並みを走る「とでん」の様子を見に
一停留所戻る事にしました。



狭い通りを行きかう電車を見ていると、
数十年前、路面電車が全国各地で全盛だった頃、
その当時の様子を今に伝えているように感じました。


鏡川橋の1つ手前の鴨部から再び路面電車に乗り
高知市の中心部を目指しました。

先ほど下車した鏡川橋からは幅員の
広い道路の中央を複線で走ります。

周囲にビルも建ち並ぶようになり、
一気に都会へと躍り出たようです。



高知の街では、途中下車を繰り返しながら
坂本竜馬に関する史跡や高知城を見学して来ました。

高知の様子はこちらです。



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ごめん線 (はりまや橋 - ごめん町) 10.9km

土佐くろしお鉄道の「ごめん・はなり線」に乗車し、
その帰路に終点の1つ手前の後免町で下車しました。

土佐くろしお鉄道「ごめん・はなり線」の様子はこちらです。


後免駅前の新しく整備された駅前広場の片隅に、
土佐電気鉄道の乗り場がありました。

1974年(昭和49年)までは、この「ごめん町」から
安芸まで土佐電気鉄道の鉄道線が延びていたのですが、
「ごめん・なはり線」に引き継ぐ形で廃止になっています。

しばらく待つうちに、高知方面から
電車がやってきました。



車内はロングシートで、始発の
ごめん町から乗り込む人は少なく、
ガラガラの状態で発車しました。



この写真は、発車前の車内の様子です。


ごめん町からは、専用軌道を走ります。
道路脇に複線の線路が真っ直ぐに伸び
電車は快調に走っていきます。

時折田圃も広がるのんびりとした
景色の中を走りました。



並走する道路は片側一車線。
しばらくは交通量も少なかったのですが、
高知の中心地に近づくにつて、
渋滞するようになって来ました。

渋滞する車を横目に走る路面電車に乗っていると、
専用軌道の重要性がはっきりしてきます。

日本で数十年前に路面電車が廃止されたのは、
路面電車が車の渋滞の原因とされ、
邪魔者扱いされた故なのですが、
現在でも数少ないながら残っている路面電車で、
専用軌道を走り、渋滞に巻き込まれない路面電車は
定時性が高く、営業成績も良いのです。

そんな事を考えるうちに、
家が建ちこめはじめ、高知の中心部に近づいたようです


伊野方面行きの電車の始発となる文殊通を過ぎ、
立派な鉄橋への架け替え工事の進む国分川を渡ると、
幅広い道路の中央を走るようになりました。



高知市の中心、はりまや橋も、もうすぐです。


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桟橋線 (高知駅前 - 桟橋通五丁目) 3.2km


土佐電気鉄道・桟橋線は、JR高知駅前から
真っ直ぐ南に向かう路線です。

10年程前に、高知に来た時は、桟橋線の
乗り場は駅前広場の外れにあったのですが、
今回来て見ると、高知駅の駅舎の真ん前まで
線路が延びていました。



伊野線やごめん線は郊外まで
路線を延ばしているのですが、
この桟橋線は街中だけを走り、
最も路面電車らしい路線です。

この桟橋線は、路線風景こそ平凡ですが、
土佐電気鉄道は、この区間に海外から
輸入した路面電車を走らせているようです。



この電車はリスボンからの電車です。
このほかにもシュツットガルトやオスロ、
そしてオーストリアのグラーツからの
電車が走っているそうです。

桟橋線は僅か3.2kmの営業キロなので、
15分程の乗車で終点の桟橋通五丁目に到着です。



終点の桟橋通五丁目の停留所は
岸壁に寄り添うような形です。
実は、この停留所は引き込み線と勘違いして、
一つ手前で降りてしまったんです。
もう少しで、一駅区間を乗り残すところでした。



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