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鉄道旅行へのいざない



鹿児島市交通局 軌道線
Kagoshima City Street Car Lines





九州南部の大都市、鹿児島には市の交通局が運営する
軌道線、いわゆる路面電車が走っています。

鹿児島市交通局の軌道線の営業キロ総数は、13.1.kmあります。
路面電車の運行は、鹿児島駅からほぼ真っ直ぐに南下し、
武之橋経由で谷山へ向かう"1系列" と、
鹿児島駅 - 鹿児島中央駅前 - 郡元の"2系列" との
二つの系統で運転されています。

一日平均11,000人程の利用があり、ここ数年は利用客も増加傾向で、
毎年、路面電車としては、1億円程度の黒字が出ているそうです。

この軌道線は運行系統とは別に、次のように線路上の戸籍が決まっています。
鹿児島 - 武之橋間の第一期線、武之橋 - 谷山間の谷山線、
高見馬場 - 鹿児島中央駅前間の第二期線、
そして、鹿児島中央駅前 - 郡元間の唐湊線です。

この鹿児島の軌道線には2006年11月11日に乗車しました。
乗った経路に沿って、乗車記を記していこうと思います。

鹿児島の旅行記はこちらです。



唐湊線 (鹿児島中央駅前 - 郡元)
Toso Line (Kagoshima Central Station - Koorimoto)
Jan. 31, '07

谷山線 (武之橋 - 谷山)
Taniyama Line (Takenobashi - Taniyama)
Jan. 31, '07

第一期線 (鹿児島駅前 - 武之橋)
The First Line (Kagoshima Ekimae - Takenobashi)
NEW! Feb. 03, '07

第二期線 (高見馬場 - 鹿児島中央駅前)
The Second Line (Takamibaba - Kagoshima Central Station)
NEW! Feb. 03, '07






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唐湊線
Toso Line


(鹿児島中央駅前 - 郡元)
(Kagoshima Central Station - Koorimoto)


乗車日:Nov. 11, '06





鹿児島市交通局の軌道線の乗りつぶしは、
鹿児島中央駅前から始まりました。

鹿児島中央駅周辺から知覧に行く際、
直通のバスに乗る予定でいたのですが、
予定よりも30分近く早めに駅前のバス停に着いてしまいました。
バスの路線図を見ると、知覧行きのバスも谷山を通ります。
そこで、鹿児島中央駅から、鹿児島市電の南の起点の谷山まで
路面電車に乗り、そこでバスに乗り換えようと思ったのです。

知覧の旅行記は
こちらです。

鹿児島中央駅の路面電車乗り場は、
広い駅前広場の先の方にありました。




軌道の間に芝生が植えられ、ヨーロッパの
街で見かけるような洒落た感じです。

大通りを横切り、郡元駅行きの電車がやってきました。



鹿児島中央駅に立ち寄る系統は鹿児島 - 郡元間の運行なので
途中の郡元で、谷山行きに乗り換える必要があります。

土曜日の朝の電車ですが、座席の半分程が
埋まった状態だったと思います。

大通りは駅周辺の繁華街から、次第にオフィスビルや
大きな工場が目に付くようになりました。

交通量の多い通りで、信号待ちの車が列を作っています。



次第に乗客が減っていき、やがて鹿児島大学前の
唐湊(とそ)、そして工学部前停留所です。

唐湊で下車予定だったらしい、二人の女の人が、
話に熱中するあまり、下り損ねてしまい、
、「まあ、次でもいいよね」と言いながら次の
工学部前で降りていきました。
唐湊と工学部前間は僅か200mです。

停留所の間隔がバス停並みに設置出来る
路面電車ならではの情景です。

この写真は、確か純心学園前を発車した時の様子です。



雨に濡れた軌道に下車した人の影が映っています。

純心学園前の次の中郡を出ると、
次の交差点を左に折れ、郡元に到着です。
急に雨が降り出してきました。



郡元では北行きの線路に乗り入れて停まりました。
南行きのホームに移り、谷山行きに乗り換えです。






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谷山線
Taniyama Line


(武之橋 - 谷山)
(Takenobashi - Taniyama)


乗車日:Nov. 11, '06






郡元で谷山行きに乗り換えたのですが、
雨脚が強くなり、車窓もあまりよく見えない状態でした。

雨はその後、小降りになり谷山に到着し、
その後、バスで知覧に行ったのですが、
知覧からの帰りに、再びバスを谷山で下車し、
谷山から武之橋経由で天文館に向かいました。

そこで、乗車記は終点の谷山からスタートしていこうと思っています。

知覧の旅行記はこちらです。


鹿児島市交通局の谷山停留所は、
通りから一本入ったところにあります。
JR指宿枕崎線の谷山駅からは500m程離れています。



鹿児島に路面電車が誕生したのは1912年(大正元年)12月1日。
この武之橋 - 谷山間が最初の区間だったそうです。

路面電車なので、停留所としましたが、
駅舎もあり、駅の風格を持っています。



屋根付きの駅のホームには2両の路面電車が停車中でした。
右側の青一色の電車が今度の発車です。
左の水色の電車にはマイアミと書かれているのですが、
これは鹿児島市とマイアミ市が姉妹都市の
関係にあるので、その記念なのでしょうか。

谷山を発車すると、電車は複線の専用軌道を走ります。



沿線には住宅が建ち並び、少し離れた
錦江湾もなかなか見えません。

駅に停車するたびに、乗客が次第に増えていき
この路面電車は、地元の足として定着しているようです。

やがて、車窓左手にJR指宿枕崎線の線路が見えてきました。



この辺りは、宇宿一丁目と二軒茶屋間あたりだったと思います。
JR指宿枕崎線とこの谷山線は、南鹿児島辺りまで併走しており、
南鹿児島は両線の駅が隣接していて、乗り換えに便利です。

JR指宿枕崎線の列車が、そのまま鹿児島市交通局の
路線に乗り入れれば、郊外からの乗客には便利に
なると思うのですが、JRは線路の間隔が1067mm、
鹿児島交通局の路面電車は1435mmと異なっていて、
簡単には実現しそうにありません。

JRと鹿児島市交通局の谷山駅が500m程離れている為、
交通局の路面電車の線路を、延長する事も検討されたそうですが、
付近の道路渋滞が酷くなるとの理由で、実現されなかったそうです。

少しの事もなかなか上手くは行かないようです。


南鹿児島の先でカーブを切り、JRの路線が左にと分かれます。
進行右からは交通量の多い街道の北行き車線が
高架となり、谷山線の路線を跨ぎました。



路面電車の走る路線と交差するには
ちょっと立派過ぎるような道路配置ですが、
ともかく、高架で越えていった北行きの道路と
南行きの道路の間に挟まれ併用軌道となりました。
涙橋に到着です。

涙橋の次の停留場が郡元です。



朝と同じ様に、唐湊線のレールが
分岐していくのを眺める事が出来ました。

周囲の景色もビルが目立つようになり、
市の中心部に入ったような印象です。

車内も混みあい、多くの人が立っています。
騎射場という停留所に停車しました。



薩摩藩の訓練場の名前が
駅名の由来ということです。

しばらく走ると、左手に車両基地のある
交通局前を過ぎ、甲突川を渡る武之橋を渡りました。



街並みが途絶え、武之橋からは、
桜島の姿が見えました。



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第一期線
The First Line


(鹿児島駅前 - 武之橋)
(Kagoshima Ekimae - Takenobashi)


乗車日:Nov. 11, '06


武之橋の停留所を過ぎ、ここから終点の
鹿児島駅前までの路線名は第一期線となります。

路面電車に乗っていると、何の変化もなく甲突川を渡ります。

線名が武之橋で変わっているのは、
武之橋以南の区間が1912年(大正元年)に開通し、
武之橋以北の開通はその2年後の
1914年(大正3年)だった為と思われます。

武之橋から3つ目の停留場が高見馬場の停留場です。
鹿児島中央駅を通らないルートなので、乗客は少ないのかなと
思っていたのですが、各駅から次々と乗車があり、
高見馬場に着く頃には車内は混雑していました。



高見馬場で第一期線と第二期線が接続するのですが、
停留所はその合流地点の手前あって、
高見馬場を出発し鹿児島中央駅前からの
路線と合流しました。



合流すると、繁華街の天文館へと到着です。



天文館で下車し、鹿児島中央駅前まで第二期線で往復し
再び天文館からの第一期線の旅に戻りました。

第二期線の様子はこちらです。

天文館の次で、大きな交差点を右に曲がり、
山形百貨店の前を通り過ぎると朝日通りです。



ここは西郷隆盛の銅像への最寄りの停留場です。
次の市役所前は鹿児島城への最寄り駅で、
この二つの停留所には何度か乗り降りしています。



この写真は、市役所前の停留所から撮った写真と思います。
日差しを浴びて走る路面電車の姿は
明るい南国のイメージそのものです。


そして、市役所前から3つ目の停留所が
終着、鹿児島駅前です。



鹿児島中央駅と比べくもない寂れた駅ですが、
官庁街に近く、鹿児島駅が開業した1913年(大正2年)頃は
この辺りが一番の繁華街だったのでしょうか。

今では、貨物のコンテナが駅の構内に積まれていて
駅への人はあまり多くありません。



鹿児島市交通局の路面電車の停留所は終着駅らしく、
屋根付きの3線分のホームになっていました。



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第二期線
The First Line


(高見馬場 - 鹿児島中央駅前)
(Takamibaba - Kagoshima Central Station)


乗車日:Nov. 11, '06


谷山からの電車を天文館で一旦下車し、
鹿児島中央駅前に向かいました。

谷山から乗った乗客の多くも、天文館で下車しましたが、
鹿児島中央駅前行きの電車も
天文館で多くの人が乗車し、満員の状態です。

次の高見馬場から鹿児島中央駅前間の900mの区間が
鹿児島市交通局の現存する路線で一番最後に開通した区間です。
開通したのは1915年(大正4年)だった為と思われます。

しかし実際に乗ってみると、この区間が一番賑わっているようです。
鹿児島市の路面電車は、複線の軌道の真ん中に
架線柱が立てられ、街並みはすっきりとしています。



上下線の間には、10cm程の段差がつけられ、
花が生けられています。

他の都市の路面電車の路線ではあまり見かけない構造ですが、
この中央部の段差によって、違法右折車の進入を防ぐ事が出来、
路面電車の定時運行、ひいては乗客数の増加に寄与しているそうです。

加治屋町辺りから、鹿児島中央駅の駅ビルの上に建つ
大きな観覧車が見えてきました。



そして鹿児島中央駅前に到着です。





今回、鹿児島市交通局の4つの路線、
13.1kmの区間を全て乗ることが出来ました。

城山の麓の史跡への観光にも使う事が出来、
また市民の足となっている路面電車を見て頼もしく思い、
また路面電車の優れた点を再確認出来たように思います。

欲を言えば、鹿児島観光用に運転されている
「カゴシマシティービュー」バスと路面電車の停留所を連絡すれば、
路面電車が観光にもっと使い易くなるなと思いました。



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