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「あおなみ線」は、名古屋駅と名古屋市南部の
名古屋港金城埠頭を結ぶ15.2kmの路線です。
ちなみに「あおなみ線」は通称名で、正式名称は
名古屋臨海高速鉄道・西名古屋港線です。
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以前は笹島と西名古屋港間を結ぶ 国鉄東海道本線の貨物支線でした。 名古屋港の西側の金城埠頭には 国際メッセ等の大型集客施設があり 国鉄民営化時に、この貨物線を 旅客線化し延長開業する計画が あったようです。 1997年(平成9年)に、名古屋市等の 地方自治体とJR東海やJR貨物、 地元企業による第三セクター・ 名古屋臨海高速鉄道が 設立されています。 西名古屋港までの途中にある 名古屋貨物ターミナルから 金城ふ頭間の区間が新規建設され、 2004年10月に新規開業しています。 「あおなみ線」は名古屋から 関西本線に沿って西に向かい 名古屋車両区を過ぎた辺りで 関西本線と別れ南を目指し、 金城ふ頭に至っています。 朝の通勤時間帯は1時間6本、 日中は15分間隔で運行されています。 |
この「あおなみ線」には2005年6月に一度乗車して
いますが、2009年10月4日に再度乗車しています。
2009年に乗車した際の様子を紹介します。
名古屋 - 小本
(Nagoya - Omoto)
2009年10月4日、「あおなみ線」に
乗る為に名古屋駅に向かいました。
「あおなみ線」の名古屋駅のホームは
新幹線とJR在来線の間に挟まれています。
このホームに向かうには、新幹線口の一番南の
人通りの少ない改札から入らなければならず、
ちょっと判り難い位置にあります。
「あおなみ線」のホームから眺める
東海道新幹線のホームです(下写真左)。
反対側の東側からは、名古屋駅前の
高層ビル群が良く見えています(下写真右)。
「あおなみ線」の2番ホームに停車中の
金城ふ頭行の電車です。
大都市名古屋の近郊路線ですが
4両編成の短い編成です。
先頭車両からは前面の展望を眺める事が出来ます。
名古屋車両区へ向かう特急「ひだ」の回送車両が、
「あおなみ線」の隣の線路を通っていきました。
金城ふ頭行の車内の様子です。
この日は日曜日。
昼下がりの時間帯だったと思いますが、
思ったよりも多くの乗客が乗っていました。
名古屋駅を発車し、新幹線のガードをくぐり
関西本線の線路をオーバークロスすると
すぐに、ささしまライブ駅に到着です。
ここは以前、笹島貨物駅があったところです。
2005年の愛知万博では、このささしまライブ駅は
ささしまサテライト会場の最寄り駅になっていました。
地元の私立大学の進出や、高層ビル建設の
構想もあるそうですが、今はひっそりしています。
上り線のホームからは、名古屋駅前の
高層ビルが手に取るように見えていました。
ささしまライブ駅を発車すると進行右手に
広大な車両基地を眺めながら進みます。
ここはJR東海の名古屋車両区です。
特急「ワイドビューひだ」や快速「みえ」など、
ディーゼル車両の基地になっています。
特急「ワイドビューひだ」の乗車記はこちらです。
「快速「みえ」の乗車記はこちらです。
車両基地を過ぎたあたりで、関西本線を
走る上りの快速「みえ」と行き違いました。
隣を走るJR関西本線は名古屋駅から複線に
なっていましたが、この辺りから単線になっています。
その後、「あおなみ線」の上り列車とすれ違いました。
「あおなみ線」は並走してきたJR関西本線と別れ
左にカーブし、南に向きを変えました。
カーブしてすぐに小本駅に停車しました。
小本駅は島式ホームの駅です。
一日の乗車人員は900人台だそうです。
小本 - 荒子川公園
(Omoto - Arakogawa Kohen)
「あおなみ線」は小本駅から進行方向を
南に変え、真っ直ぐに金城ふ頭を目指します。
小本駅では複線の本線の東側に、
一本の側線がありました。
この側線が、やがて何本もの線路に分かれ、
「あおなみ線」の東側に貨物ヤードが広がりました。
これが名古屋貨物ターミナル駅です。
貨物ターミナルに沿いながら走り、
小本駅から1.0kmで荒子駅に到着しました。
荒子観音や前田利家生誕の地とされる
荒子城址にも近く、途中下車してみたい駅です。
そんな荒子駅ですが「あおなみ線」に乗車していた時は
隣の貨物ターミナルに気を取られていました。
貨物ターミナルにはEF66が牽引する
貨物列車が発車を待っていました。
線路が広がる貨物ターミナルの縁に沿う様に
カーブした途中の南荒子駅に停車しました。
南荒子駅を過ぎても、「あおなみ線」の
左手には貨物ターミナルが続いていました。
営業キロ上は、名古屋貨物ターミナル駅の位置は
南荒子駅の100m名古屋駅寄りになっていますが、
長大な貨物駅が、小本駅の南から3駅離れた
中島駅まで続いています。
相対式ホームの中島駅です。
ホームの左手に高架橋が見えますが、
この高架橋が貨物ターミナルへコンテナを
運び入れるトラックの搬入路になっています。
この中島から先が「あおなみ線」として
建設された新しい路線です。
「あおなみ線」沿線の集客施設の一つ、
名古屋競馬場前駅です。
この名古屋競馬場前駅は近くに名古屋入国管理局が移転し、
外国人利用客が増加した為に、「あおなみ線」内で、
名古屋駅を除くと最も乗客数の多い駅となっています。
周囲はマンションと一戸建てが
混在した住宅地となっています。
その住宅街を立派な高架橋が
真っすぐに貫いていました。
この「あおなみ線」の計画や開業が伝えられた際、
既存の貨物線を活用し湾岸部への部分延長
という内容だったので、大規模な工事を
必要としないのではと思っていました。
ところが、このようにとても立派な
路線が出来てしまっています。
「あおなみ線」はこの重い建設費と当初の見込みを
大幅に下回る乗客数の為に、大赤字の路線で、
一時は債務超過に陥っていたようです。
どう見てもこの線路はいかにも立派過ぎます。
「あおなみ線」の平成24年度の決算では、
1億3千万円程の黒字になっているので、
無駄に立派な路線を建設しないで欲しいと思います。
電車は荒子川公園駅に到着しました。
荒子川公園駅のすぐ近くには大きな
ショッピングモールがありました。
この荒子川公園駅は名古屋競馬場前駅に
次いで乗客数の多い駅です。
荒子川公園 - 金城ふ頭
(Arakogawa Kohen - Kinjyo Futou)
荒子川公園を発車すると「あおなみ線」は
国道23号線をアンダークロスします。
住宅街だった沿線の景色は、
倉庫群に変わっています。
荒子川公園から1.6kmで稲永駅に到着しました。
「あおなみ線」は15.2kmの路線に11の駅があり、
駅間の平均距離は1.5km程です。
地図を眺めると、この稲永辺りか
埋め立て地を走るようになります。
ほぼ直線の線形が続いていた「あおなみ線」ですが、
稲永の南で、大きく右にカーブを描いています。
うねるようにカーブする線路の先に
「あおなみ線」の車両基地への分岐がありました。
この辺りは海も近く、運河の様な川を渡ります。
運河の先に、遠く見えているのは名古屋港を
跨ぐ伊勢湾岸自動車道路の名港中央大橋です。
この先で左にカーブし、野跡駅に到着です。
上の写真は、金城ふ頭からの帰路に撮ったものです。
周囲に市営住宅がありますが、この駅の乗車人員は
一日800人程とそれ程多くはありません。
野跡からまっすぐ南に向かい
金城ふ頭を目指しました。
周辺は工場が立ち並び、
その合間に海が見えてきました。
やがて工場地帯の向こうに名港中央大橋が見え、
次第にその姿が大きくなってきました。
名港中央大橋は長さ1170mの吊り橋です。
この名港中央大橋を渡る伊勢湾自動車道路は
この名港中央大橋の他に、名港東大橋と
名港西大橋の3つの橋で名古屋港を渡っています。
この光景は胸の透く様な光景です。
この高速道路の規模に圧倒的されてしまいますが、
高速道路も建設費が嵩み大赤字なのです。
鉄道会社は独自経営が要求され、毎年のように
赤字で路線が維持できず、消えていく路線があります。
その一方で、数兆円もの経費が垂れ流されている
高速道路を眺めると、納得がいきません…
そんな複雑な思いをしている間に、
「あおなみ線」の電車は終点の
金城ふ頭に着きました。
金城ふ頭駅は島式のホームの
シンプルな構造でした。
名古屋から15.2kmを24分で到着しました。
金城ふ頭に到着すると、若い人を中心に
数十人の下車客がありました。
金城ふ頭駅の様子です。
この近くには、ポートメッセなごや、JR東海のリニア・鉄道館、
そしてフットサルの名古屋オーシャンズのホームアリーナがあり
金城ふ頭駅の乗降客も増えているようです。
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