ツェルマット(Zermatt)はマッターホルンへの
玄関口として賑わう観光の街です。
標高1620ｍ。人口5,400人の小さなこの村に
年間数百万人もの観光客が訪れます。

氷河急行でZermattの駅に着くと、
駅前にはホテルの送迎用の車が
ところ狭しと宿泊客を待っています。

駅前から続く目抜き通りには
観光客が溢れ、その頭上に
スイスの国旗がたなびいています。

ゼラニウムの花をベランダに飾った
スイス独特の建物が並び、
いかにもスイスを代表する
観光地という雰囲気です。

Zermattはアレキサンダー・ザイラーが1852年に
ホテルを開いた事から始まったそうです。

ホテルを建てたらという弟の誘いを
最初は断っていたザイラーですが、
初めてZermattに来たところその魅力に獲り付かれ
ホテルを建てる事を決断したそうです。

その後マッターホルンがヨーロッパ中に宣伝されると
Zermattには多くの観光客が押し寄せる事となり、
多くのホテルが建ち並ぶZermattの興隆を
迎える事になったそうです。


Zermattは又、自動車の乗り入れを
禁止している事でも知られています。

自動車で来た人はZermattの一つ手前、
Taeschで車を置き、列車でZermattに
入らなければなりません。
駅前で客待ちしているホテルの車も
すべて電気自動車となっています。

そのためか駅前の目抜き通りも
歩行者天国の様になっています。


その目抜き通りを抜けた先、
Hotel Mont Cervinの先の路地に入ると、
古い建物が立ち並ぶ一角に入ります。

あれほどたくさんいた観光客も
この路地には殆んど入って来ない様で、
あたりは先ほどの賑やかさとは
打って変ってひっそりとしています。

これらの古い家は昔の穀物小屋だそうで、
屋根には平たい石が瓦代わりに置かれていて、
高床式の小屋には柱にねずみ返しが
付いていました。


この路地に入らず、目抜き通りを更に進むと、
教会が見えてきます。

石造りの変哲の無い教会ですが、
ガイドブックにも紹介されていて
いかにもZermattというのを感じます。

教会から左手に折れると、墓地を通り、
Vispa川に架かる橋に出ます。


この橋はZermattでマッターホルンを
眺められる最高の場所の一つだと思います。

幸いにこの日はとてもいい天気で、
マッターホルンが良く見えています。

夕方、マッターホルンが赤く染まって来ました。
人の心を魅了する、美しい山です。
日が翳り寒くなってきたのですが、
立ち去り難く、しばらく眺めていました。

このZermattに滞在している間に、
スイスの建国記念日にあたりました。

夜日がどっぷりと暮れる頃、
教会前広場に多くの人が集まり、
パレードが始まるようです。

民族衣装を着た人やスイスの
国旗を持った人が沢山いました。