ローマ
Rome, Italy




サン・ピエトロ寺院(ヴァチカン)


「すべての道はローマに通じる」
「ローマは一日にして成らず」
ローマは言わずと知れた、
古代ローマ帝国の首都です。

至る所に古代ローマ時代の遺跡や教会があり、
街を歩いていても飽きる事がありません。
しかも有名な観光スポットはおおよそ
半径2km程度の円の中に収まっています。

古代ローマ時代の遺跡の多くは、テルミニ駅から
南西に2kmほど行ったあたりに集まっています。
まずは地下鉄B線に乗り、二つ目の駅で下車し、
コロッセオに行ってみましょう。
駅を出ると、すぐ目の前にコロッセオ遺跡の
アーチが重なった外壁が迫ってきます。


写真中央がコンスタンティヌスの凱旋門、右がコロッセオです

想像以上に大きく、まさに巨大な遺跡です。
なんと5万もの人を収容したということです。
今のサッカー場や野球場とほぼ同じ様な規模の
競技場が今から2000年余りも前に建てられていた
というのは、本当に驚きです。

内部に入ってみると、一部の外壁は崩れていますが、
当時の競技場の様子が充分判ります。
楕円形をした競技場の部分は、失われていて、
地下の倉庫とかが目の前に曝されているのですが、
当時は板が敷かれ、その上に砂が撒かれていて、
その上で競技が行われていたそうです。



当時この競技場で行われていたのは、
人と猛獣あるいは人同士の殺し合いだそうで、
何人もの人がこの競技場で命を落とし、
それを何万もの人々が熱狂して見守ったというのは、
何たる野蛮なことかと思うのですが、
それはこの競技場を作った技術力とは、
まったく無関係のことだったんでしょうか。


このコロッセオのすぐ前には、
パリの凱旋門を小ぶりにしたような
コンスタンティヌス帝の凱旋門が建っていて、
その向うに緩やかな丘が広がっています。
この丘が古代ローマ帝国の皇帝達が
住んでいたというパラティーノの丘です。

草が生えている丘の中腹に石積みの遺跡が
打ち捨てられたように残っていて、
いにしえの栄華がしのばれます。
坂道を登り丘の上に出ると、昔の競技場や
アウグストゥス宮殿の跡が残っています。
この一角にスペイン風の大きな建物が
建っているのですが、この建物はどういう
謂れがあるのでしょうか??

この丘の西の端に出ると、ローマの街の向うに
サン・ピエトロ寺院のクーポラが見えました。


このパラティーノの丘から北に向かい、
ファルネジアーニ庭園を抜けると、
眼下に古代ローマの政治・経済の中心地、
フォロ・ロマーノの遺跡が広がります。



神殿の一部と思われる大理石の柱列や凱旋門、
いくつもの大理石の建物の跡が残っていて、
今も発掘調査が続いているようです。

かのユリウス・カエサルの屋敷跡も
ここにありますが、ここに来てみると、
多くの遺跡が狭い丘の間の谷に集中していて、
ヨーロッパの大部分を手中に収めた
大ローマ帝国の指導者も、意外に狭い世間で
暮らしていた様に思えました。


このフォロ・ロマーノの遺跡の西、
カンピドリオの丘と呼ばれる丘の上には、
白亜の堂々とした建物が建っています。
屋根の上に馬車と鷲の銅像を掲げたこの建物は
1911年に完成したヴィットリオ・エヌマーレ2世記念堂です。
この威風堂々たる建物のすぐ南隣には、
サンタ・マリア・ダラコエリ教会が建っています。



建物の出来た時代は、2000年近くも違います。
色んな時代の建物がごちゃごちゃと集まっている
という印象ですが、遠くから見ると、
二つの建物はよく調和している様で、
これがローマの魅力なんでしょうか。

サンタ・マリア・ダラコエリ教会の隣の階段を上っていくと、
カンピドリオ広場という小奇麗な広場があるのですが、
ここは古代ローマの中心地ジュピター神殿の跡地に、
ルネッサンス期に広場が整備されたんだそうです。


カンピドリオの丘から南に下ると円形の大きな劇場跡
マルチェッロ劇場を過ぎると、テヴェレ川のほとりに、
レンガ造りの教会が見えてきます。
サンタ・マリア・イン・コスメディン教会です。



こじんまりとした教会で、内部も厳かな感じです。
この教会の入り口の左手に大理石の円盤に彫られた、
海神トリトーネの顔が飾られています。
"ローマの休日"で有名になった"真実の口"です。



僕は映画はあまり見ないのですが、"ローマの休日"は
テレビで2度ほど見たことがあって、
オードリー・ヘップバーンに憧れていたのですが、
「彼女もその昔、この真実の口の前に立っていたんだ」
と思うと、胸がわくわくしてきました。

サンタ・マリア・イン・コスメディン教会から、
東に向かい、広大なグランドを通り
カラカラ浴場に向かいました。
犬を散歩させている人が居たり、
騎馬警官が、騎乗の練習をしていたりして、
このグランドが河原にあれば、なんの変哲もない
ただのグランドにしか過ぎないのですが、
これも紀元前7世紀の競技場の跡だそうです。
左手の丘には先ほど見たパラティーノの丘の
遺跡が見えています。


カラカラ浴場は、この競技場跡を過ぎ、
大きな交差点を渡った先にあります。
地下鉄の駅でいうと、コロッセオから一駅先の
チルコ・マッシモ駅を出たところです。




ローマ時代の浴場跡というと、
ドイツの トリアーに行った時にも
カイザーテルメンという浴場跡に行ったので、
おおよそのイメージを抱いていたのですが、
このカラカラ浴場の大きさは、
僕の想像を遥かに上回る巨大な遺跡でした。
所々タイルの床が残っていました。

俗な言い方をすると、少し前日本で流行った、
健康ランドの古代版なのでしょうが、
遺跡の中を歩いていると、浴場に入っていた
当時の人の歓声が聞こえてきたような気がしました。


ローマ観光で忘れてはならないのは、
スペイン広場と、トレビの泉でしょう。

スペイン広場はテルミニ駅から地下鉄A線で
ヴァチカン方面に向かい、
3つ目のスパーニャ駅を出てすぐです。
どの出口に向かったらいいか、
案内がしっかり出ていないので、
戸惑いましたが、改札を出て左手の
長い通路を歩いて、スペイン広場に出ました。



このスペイン広場も"ローマの休日"で有名です。
スペイン階段の上にトリニタ・ディ・モンティ教会が聳えています。
花が綺麗に植えられた階段の向うの二つの鐘楼の教会
というのは、とても絵になる景色です。

ジェラードの代わりに焼き栗を食べて階段を上り、
ローマの街を見下ろしていました。

スペイン広場からは Via Condotti という通りが
真っ直ぐに伸びているのですが、
この通りは多くの有名ブティックが集まっていて、
その名が知られているようです。

この通りを抜けて左に折れ、
トレビの泉に向かいました。

Via Del Tritoneから路地に入り、
なんの変哲も無い建物を通り過ぎ、
広場が開けるとそこがトレビの泉でした。
先程通り過ぎた倉庫の様な建物の壁に、
荘厳たる彫刻が施されているのです。
すでに日が暮れかかっていて、
淡くライトアップされた彫刻は幻想的でした。



もちろん、僕もコインを投げ入れ、
再びローマに来られる事を祈りました。
手元にあった500リラのコインを投げるのが
もったいなくて、ドイツの2ペニヒ・コインを投げ入れたので、
願いが叶うかどうか、ちょっと心配していますが....


ヴァチカンのサン・ピエトロ寺院や美術館の様子は、
こちらです。



Hotel Information

Hotel De Petris Srl
Via Rasella 142
I-00187 Roma, Italy Tel: (+39) 6 - 48 19 626
Fax: (+39) 6 - 48 20 733

ローマのほぼ中央にあるクイリナーレの丘の
すぐ東側に位置するHotel。
地下鉄A線Barberini駅からも近く
交通の便のいいHotelで、
ローマ観光の拠点としては
申し分ないと思います。


Restaurant Information

Trattoria Da Olimpio
Aviganonesi 37 Rome, Italy
Tel: (+39) 6 - 488 5225

Romeに着いてすぐ、最初の夕食で行きました。
Hotelで紹介してもらったレストランです。
Toritone通りから左手に入った路地にあり、
庶民的な感じで、気取らずに食事が出来ます。

日本語メニューがありますが、
どうも日本語のメニューの料理の内容が
英語版と食い違っているようです。
日本語版を見て、番号でオーダーすると、
頼んだものと違う料理が運ばれてくると思います。
イタリア語は読めなかったのですが、
英語版とドイツ語版は一致していたので、
英語版を頼りに食事を頼んだ方が良いと思います。


Ristorante Tritone
Via del Maroniti, 1-3-5 Rome, Italy
Tel: (+39) 6 - 679 8181
Fax: (+39) 6 - 679 4144

地下鉄A線Barberini駅からToritone通りを
トレビの泉方面に下り、Macelli通りとの
交差点の角の左手にあるレストラン。

このレストランは早い時間から営業しているし
店の雰囲気も良く、お勧めのレストランと思います。
子供連れでも問題ありませんでした。
もちろん料理もワインも美味しかったです。


La Cornocopia
Pza Impiscinula 18
I-00153 Rome, Italy

"真実の口"を見た後、サンタ・マリア・イン・
コスメディン教会の周辺には全くレストランが見当たらず、
テレベ川を渡って、見つけたレストランです。
ピシヌーラ広場にあるのですが、この広場には
ここ以外にも何軒かレストランが集まっているし、
Paratino橋を渡って、左手の路地を入った所にも
洒落たレストランが一軒あったのですが、
そのレストランは昼は営業していませんでした。



Alex Cafe
Via Veneto 20, 14
I-00187 Rome, Italy
Tel: (+39) 6 - 482 3618

ヴィットリオ・ヴィネト通りにあるカフェ・レストラン。
歩道にガラス張りのカフェが建っていて、
通りの綺麗なイルミネーションを見ながら食事が出来ます。
このヴィットリオ・ヴィネト通りは、街路樹が立ち並び
なかなかお洒落な雰囲気で、高級Hotelや
カフェが並びそれ程緊張せずに歩けます。
"甘い生活"という映画の舞台になったそうです。



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