Silver Meteor (New York - Orlando)


短いNew Yorkの観光を終えて、Pen Stationに戻ると、
マイアミ行き、Silver Meteor号の
発車時間が近づいていました。
(New Yorkの様子は こちら です)

New Yoak - Miami間にはこのSiler Meteorの他に、
Silver Star、Silver Palmと3本もの列車が走っています。

この他に、ワシントンの南のLortonから
Orlandの北にあるSanfordまで、
自動車を載せて走る、カーフェリーの鉄道版、
Auto Trainも走っているので、
北東回廊とフロリダ間には、全部で4本ものAMRTAKが
走っていることになります。

夜行列車が四本も運転されている区間は、
アメリカでは他に無く、それだけ人の動きが多いのでしょう。
尤も、アメリカでは昼間の都市間列車でも
4本運転されている区間は滅多にないのです。。。




発車時刻の15分程前に、
All Abroadの表示が出ました。




電気機関車を先頭に、荷物車、従業員用の寝台車、
2両の寝台車、食堂車、ラウンジカー、
それにコーチ車両が3から4両連ねていました。
Silver Meteorの寝台車は新しいView Linerという車両です。

もちろん個室寝台で、DeluxとStandardの合造車で、
Standardは通路の両側に、個室が並び、
進行方向に平行にベットが配置されています。

ベットは2段式で、二人まで使用できますが、
僕は一人旅なので、シングルユースです。

トイレと洗面所が個室内にあって便利といえば便利ですが、
トイレは多少の匂いは我慢しないといけません。

この日はクリスマスを10日ほど
後に控えた土曜の夜だったのですが、
車内は驚くほど空いていました。
同じ車両には、確か他に2、3人が乗り込んだだけ。
アテンダントの人も手持ち無沙汰の様子で、
ウェルカムドリンクのワインを2本もくれました。

近くの人に声を掛けて、色々聞いてみたら、
普段はもっと込んでいるけど、
今日は途中から乗り込んでくるのでは? とのこと。


発車してしばらくしてから食堂車で夕食です。
AMTRAKの寝台車は食事代が
すべて含まれているのが嬉しいですが、
もう外はすっかり暗闇です。
時折窓の外を街灯の明かりが通りすぎるばかりです。


New Yorkから3時間半程で、
Washington D.C.のUnion Stationに到着です。
時刻は10:05PM。定刻でした。

ここでは30分近く停車して、
機関車の付け替え作業を行います。
ここから先は電化されていないので、
ディーゼル機関車に付け替えるのです。

殆ど乗り込む人もおらず、
まるで深夜の様なプラットフォームで作業を見守ります。
今まで、Siler Meteorを牽引していた電気機関車が離れ、
やがて煌々とヘッドライトを燈して、重連の機関車がやってきました。
AMTRALご自慢のP40型でした。




この日は、朝早く起きて、飛行機に乗り、
NYの街歩きで疲れていたのですが、
夜のプラットフォームを出歩いて、少々緊張していたせいか、
眠気もすっかり覚めてしまった様で、
寝台に戻っても、寝付けそうにありません。

部屋の明かりを消して、外の景色を見ながら、
さっきのワインでナイトキャップ゚です。

Union Stationを発車するとすぐトンネルに入るのですが、
トンネルを抜けると、モールのすぐ南側に回り込みながら、
Washiongton D.C.の街を走り抜けます。
(ワシントンの様子は こちら です)

連邦議事堂やこの年の夏に行った、
スミソニアン博物館の建物がちらっと車窓を通り過ぎます。

夜の景色を見ながら、ワインを飲むうち、
再び昼間の疲れが押し寄せてきて、
いつしか、レールのジョイント音を子守唄に、
寝入ってしまいました。


翌朝、目が覚めると、どんよりとした曇り空で、
雨も降っているようです。
昨日NYで見た夕焼けからは一変して
想像出来ないような、天気でした。

あたりは、雑木林に湿地帯という景色が続きます。
どのあたりを走っているか見当がつかなかったのですが、
定刻ならSouth Carolinaを走っている頃です。




朝食を終え、しばらくたった所で、Savannah着。
South CarolinaとGeorgiaの境、
Savannah川河口の港町です。

Savannahを出てからも、低湿地が続きます。
空も相変わらず、どんよりとしているし、
車内はがらーんとしているしで、陰々滅々とした感じです。
Floridaに向かっているという実感が湧きません。

西部を走る2階建てのSuper Linerなら、
素晴らしい展望車があるので、
きっとこんな天気でも気が晴れると思うのですが、
View Linerには残念ながら、
気分晴らしが出来るような展望車は付いていませんでした。

個室でぼんやり時間を潰すうち、Jacksonville着。
Florida州に入りました。

Jacksonvilleでは20分間の大休止。
疲れた体をほぐしがてらプラットフォームをぶらついたり、
駅舎の中を見学したりして時間を潰していました。




Jacksonvilleは人口65万人ほどの大きな街で、
確かNFLのチームもあるのですが、
駅は街の東外れにあって、周りはひっそりしています。
街までどうやって出られるんだろうと、
駅舎のなかで、色々掲示物とか見ていたんですが、
結局旅行者は駅前に止まっている古ぼけたタクシーを
使うしか無い様で、このあたりがAMTRAKの旅の問題点でしょう。

Jacksonvilleを出ると、広いヤードを通ります。
New Orleansへ向かう線路が分岐する筈なので、
目を凝らして見ていたのですが、
はっきりわからないうちにヤードが尽きてしまいました。


天気は相変わらず悪いのですが、
Floridaに入ると、さすがにどことなく
トロピカルな感じの風景になります。

椰子のような感じの木が目に付くようになった
せいかも知れません。
Auto Trainの乗用車積み下ろし基地のあるStanfordを過ぎ、
Orlandoまで一時間を切りました。

乗っていられる時間が短くなるに従い、
だんだん名残惜しくなってきます。
いつもの様に、ちょっとは遅れてくれないかなーとか、
ディズニーワールドに行くなら、Orlandoじゃなくて、
Kissimmeeの方が近いし、それならあと20分は余分に乗れるのに、
などと色んなことが頭をよぎって来ます。

Orlandoに近づき、綺麗な郊外の風景が
展開するようになったので、余計に名残惜しくなってきます。

しかし、いよいよ目的地、Orkandoに差し掛かりました。
大きなHotelが目に付くようになり、高速道路と併走し、
午後4時すぎ、ほぼ定刻でOrladoに到着です。

オーランドの街の様子は、こちらです。


駅舎はスペイン風の洒落た建物ですが、
駅の周りは寂れていて、駅前のタクシーで空港に向かい、
レンタカーを借りたのでした。

Silver Meteorはこの先更に262mile (420Km) の道のりを、
5時間40分かけて走り、
終着Miamiには夜9時45分着の予定です。



鉄道旅行へのいざない - North America編- に戻る