|
|
|
東急電鉄池上線は、山手線の五反田駅と
京浜東北線の蒲田駅とを結ぶ10.9kmの路線です。
池上線の通る品川区西部から大田区にかけては
東急電鉄の牙城ともいえる地域で、
多くの路線が通っています。
東急池上線は池上本門寺への参拝客を輸送する目的で
1922年(大正11年)に蒲田 - 池上間が開業しています。
その後、小まめに路線延長を図り、1928年(昭和3年)に
五反田までの全線が開業しています。
元々は池上電気鉄道が開業しましたが、後に東急となる
目黒蒲田電鉄によって1934年(昭和9年)に買収されています。
目黒蒲田電鉄と池上電気鉄道は、ライバル会社の関係に
あったので、途中で交差する旗の台には当初、
駅は設けられていなかったそうです。
東急・池上線の初乗車は1993年9月ですが、
2011年には何度か池上線に乗る機会がありました。
その時の様子を紹介します。
蒲田 - 久が原
2011年2月に、久しぶりに東急蒲田駅に向かいました。
記録を残していないので正確な事は判りませんが、
ひょっとすると池上線に乗車した1993年
以来だったかも知れません。
東急の蒲田駅は、池上線と東急多摩川線のターミナルで、
4線8面のホームが、大きな屋根に覆われていて、
ヨーロッパのターミナル駅のような
独特な光景になっています。
東急多摩川線の乗車記は こちらです。
蒲田を発車すると、東急多摩川線と並走し、
複々線のように走っていきました。
大阪の阪急電鉄の梅田駅を出た時に、京都線、
宝塚線と神戸線が並走する光景に似ています。
東急多摩川線と別れると住宅密集地を走ります。
右に大きくカーブを切ったところで、
すぐに蓮沼駅に到着しました。
そして、次に左カーブに差し掛かった辺りが
池上駅になっています。
池上駅は、池上本門寺の最寄り駅です。
2011年2月に乗車した際には、池上駅で
下車し、池上本門寺を訪れました。
池上本門寺の散策記は こちらです。
池上駅の上り線は、ホームの端で線路を渡り、
下り線側の駅舎に向かう構造になっています。
都心にありながら、地方ローカル線のような感じでした。
東急は、2017年4月から池上駅の駅ビル建設に
取り掛かったようで、完成すると、この駅構内の
踏切も廃止されてしまうそうです。
池上からは2011年11月に再乗しています。
池上を発車すると、高架となりました。
この高架は国道1号線をオーバークロスするためのものです。
住宅密集地を走っていたのですが、ここでは景色が開けました。
地上に降りたところで、千鳥駅に到着しました。
池上線は駅間距離も短く、大よそ1km未満になっていて、
この池上 - 千鳥町間の1.1kmは、大崎広小路 -
戸越銀座間と並んで最も長い駅間距離です。
千鳥町駅の先の直線区間です。
池上線が開業した1920年代半ばから後半にかけて、
この辺りは既に市街地化されていたのか、
直線区間もなかなかありませんでした。
こうして、久が原駅に到着しました。
蒲田から3.8km、7分程の乗車です。
久が原からも住宅密集地を走りました。
直線の線路を進むと、次の御嶽山駅に到着します。
"御嶽山"という名前の駅ですが、都心の住宅地なので、
さすがに周囲に山はなく、地形は判り難いのですが、
この駅は高台にあるようです。
地図でみると、丁度、御嶽山駅ところで東海道新幹線と、
横須賀線の電車が走る品鶴貨物線をオーバークロスしています。
上の地図の線路上の白色が、そのガーター橋でしょうか。
乗車した池上線7700系の運転席の様子です。
この車両は、先頭車両の貫通路が車両の中央にあって
運転席右側の前面の展望を楽しむ事が出来ますが、
新型車両に置き換わりつつあり、池上線の前面展望の
景色を眺められるのも、難しくなってしまう事でしょう。
次の雪が谷大塚駅に到着しました。
この駅は、車両基地もあり、朝晩は雪が谷大塚
発着の列車も設定されているようです。
雪が谷大塚を発車すると、しばらく築堤を走り
住宅地を見下ろします。
土地の起伏が激しいようで、次の石川台を出ると
今度は掘割を行くようになりました。
掘割を抜けると洗足池駅に到着しました。
列車からは見えませんでしたが、
駅の左手に洗足池があります。
池の畔には、勝海舟のお墓もあるそうです。
洗足池駅を出ると、再び掘割を走る様になりました。
この辺りは目まぐるしく景色が変わります。
池上線も利用客の多い路線で、運転本数も
多いので、下り列車とも頻繁にすれ違いました。
この先で地下となり、長原駅に到着しました。
長原駅は交通量の多い道路と交わる位置にある為に
1972年に地下化されたそうです。
大井町線との接続駅の旗の台に到着しました。
かつて、大井町線と池上線は経営母体が分かれ、
夫々競合する間柄だった為か、旗の台は乗換駅ながら、
不思議と、あまり存在感のない駅の様に思えます。
東急大井町線の乗車記は こちらです。
旗の台まで、蒲田からは僅かに7.8km、
所要時間は16分です。
旗の台を出ると、池上線は再び地下に潜りました。
地下といっても半地下状態で、陽の光が差し込んでいます。
こうした眺めは珍しく、楽しい前面展望でした。
半地下区間にある在原中延を過ぎ、
地上に出ると戸越銀座です。
この辺りはビルやマンションが建ち並び、
駅周辺には繁華街のある密集地域です。
建物の密集地をカーブで抜けるうちに、
大崎近辺のビル群が見えてきました。
この先で高架となり、ビル群の中を走ると
大崎広小路に到着しました。
大崎広小路は、終点の五反田から僅か300mの距離の駅です。
ビルとビルの間の狭い場所に駅を造っているので
ホームの幅がとても狭く、鉄道模型の駅のようです。
大崎広小路を発車すると、目黒川を渡ると
すぐに五反田に到着しました。
池上線の五反田駅は、山手線の五反田駅の真上に
位置し、山手線の駅に直交する形になっています。
山手線の乗車記は こちらです。
ホームの蒲田側の端からは、発車する電車の
後ろ姿を見送る事が出来ました。
ここもホームは狭く、ホームの上屋や
それを支える柱は木製で歴史を感じます。
蒲田から五反田まで10.9km。
所要時間は24分程です。
営業キロは短い路線でしたが、景色の
変化が多く、乗って楽しい路線でした。
|
|
|