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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



富山ライトレール
Toyama LightRail




乗車日: July 31, 2006





富山ライトレールは2006年4月29日に開業した新しい鉄道です。
富山北 - 岩瀬浜間、営業キロ数は7.6kmです。

この富山ライトレールは開業が新しいだけでなく、
日本で最初の本格的LRT(ライトレールトランジット)として
開業した最初の画期的な鉄道と思います。

LRTというのは、郊外を走る鉄道が路面電車として
街中に乗り入れる、便利な新しいタイプの鉄道です。

ヨーロッパやアメリカでは多くの都市に導入されています。
日本では広島電鉄の宮島線や土佐電気鉄道が
このタイプの鉄道です。

富山ライトレールの前身はJR富山港線でしたが、
運行本数は1時間に僅か1本と少なく
それ程利用されていなかったようです。

車社会となり中心部の空洞化を懸念した富山市は
このJR富山港線の富山駅寄りの区間を軌道化し、
富山ライトレールを開業させたそうです。


その富山ライトレールに2006年7月31日に乗車しました。
JR富山駅の連絡通路を抜け、北口に出ると、
富山ライトレールの富山北の停留所は目の前でした。



2両編成のモダンな車両が入線してきました。
低床型の車両が導入されていて、
段差なしで車内に入ることが出来ます。

ちなみに運転本数はきっちり15分毎と
JR時代とは比べようも無く便利になっています。

富山北を発車した直後の車内の様子です。



開業後から2007年3月末までは、利用客誘致の為に
運賃が半額の100円に抑えられている事もあってか
平日の昼間ですが、多くの乗客が利用していました。


発車してしばらくは駅前の広い通りの端を走って行きます。



併用軌道とはいえ、レールの間には芝生が植えられ
自動車の通行帯とは明確に区別されています。


300m程先の交差点で右に曲がり、
「インテック本社前」の停留所へ。
この通りは片側2車線程の道幅の中央を
ライトレールの線路が占めています。



右折レーンがある交差点では、
軌道が避けるように敷設されています。
自動車の軌道内侵入は認められていない様子で、
この施策があれば電車の運行が妨げられず、
乗客増が図られると、一安心しました。


渋滞気味の自動車の列を尻目に
700m程走り左にカーブを切りました。



ここが奥田中学校前の停留所です。
ここから旧JR富山港線の路線を走る事になります。
ここで赤い塗色の上り電車と交換です。

奥田中学校前を発車すると車窓は
郊外の路線そのものとなりました。



周囲は住宅地が続いています。
電車もスピードを上げ、ライトレールの特徴を発揮させます。

旧JR富山港線の前身は富岩鉄道という私鉄で
他のJR路線よりは駅間距離が短く、
1.0〜0.5km程の間隔で駅が設けられていたのですが、
富山ライトレールになってからは、粟島、大島新町と
二つの停留所が追加され更に利用しやすくなっています。



上の写真は下奥井停留所の写真です。
旧JR時代のホームは撤去され低床用の
短いホームに置き換えられています。

下車していく人が多いのですが、
郊外に向かうこの電車に途中駅から乗り込む人もいて、
地元の人の足として使われているようです。

下奥井から3つ目の城河原には
車両基地が置かれていました。
ここで上り電車と交換です。



留置線には黄色の編成が置かれていました。

旧JRの路線に乗り入れてから
直線区間を走ってきましたが、
急なカーブを曲がると大広田です。



ここでも上り電車と交換です。
大広田を出ると、東岩瀬、競輪場前と
小まめに止まり終点岩瀬浜に着きました。



岩瀬浜駅も整備され、昔のJR駅の面影は残っていません。
一面の低いホームが駅前広場に面していて、
電車を降りると階段を上り下りすることなく
駅前広場に出る事が出来ます。



LRTの利便性が十分に発揮された駅前でした。


岩瀬浜からは折り返しの電車に乗らず、
近くにある北前船で栄えた回船問屋の
街並みを見て東岩瀬に向かいました。

岩瀬浜の街並みの様子はこちらです。


蒸し暑いなか街中を歩き、東岩瀬に辿りつきました。
ここは富山ライトレールの停留所で
唯一JR時代の駅舎が残されています。



古びた木造の駅舎が、斬新な車両や
他の停留所とは対照的です。




東岩瀬から富山北に戻ったのですが、
15分間隔の運転なので、時間を気にせず利用出来、
帰りの電車も座席が殆ど埋まるほどの乗車率でした。


日本では今まで建設コストの高い地下鉄や
新交通システムには建設補助金が出されていたのに対し、
路面電車には今まで補助金が出されていませんでした。
これがLRTが普及していなかった理由の一つですが、
最近法改正され、路面電車にも建設補助が出されるようになり、
安価で便利なな交通システムが普及する
足がかりがやっと整った気がします。

日本各地で新たなLRTの計画がなされており、
この富山ライトレールでもJRの路線をくぐり、駅の南を走る
富山地方鉄道・軌道線への乗り入れも計画されているそうです。

富山ライトレールの成功で、日本の交通政策が
変わってくれればと願っています。


2010年2月に、万葉線に乗車した後、
富山県営渡船と射水市コミュニティバスを乗り継ぎ
富山ライトレールの岩瀬浜駅に辿り着きました。

その際の様子はこちらです。




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