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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



一畑電気鉄道 (松江温泉 - 出雲大社前)
Ichibata Railway (Matsue Onsen - Izumotaisha Mae)


乗車日:July 31, 1995




一畑電気鉄道は、島根県の県都松江と出雲市
そして出雲大社を結ぶ私鉄です。
宍道湖の北側を古い電車がコトコト走る
典型的なローカル私鉄です。

本線にあたる松江線が、松江温泉と
電鉄出雲市間で、営業距離 33.9km。
途中川跡から出雲大社前間が大社線、8.3km
総営業距離 42.2kmです。
日中は、54分間隔で列車が走っています。


一畑電気鉄道の起点松江温泉駅は、
JR山陰線の松江駅とはかなり離れていて、
僕もバスで移動したのですが、
松江温泉駅の方が市街地に近く、
宍道湖畔の北側、松江市役所のすぐ西側にあります。



建物の中央に鐘楼のような出っ張りがあって
一見、消防署の様な古い建物が
一畑電鉄の松江温泉駅です。

整然と区画された松江市役所の界隈や、
新しいHotelが建つ宍道湖畔の様子とは異なり、
駅のあたりだけ、なんとなく取り残された雰囲気です。


11:30頃の電車でまずは一畑口に向かいました。



てっきり旧型の電車だと思っていたのですが、
鮮やかな黄色の塗装の電車です。
嬉しいことに冷房もついていて、
うだるような暑さの日には大助かりです。

この電車は東京の京王帝都で廃車になったものを
一畑電鉄が購入したものだそうですが、
新しい塗装の電車を煤けた駅で見ると、
まるで新製の車両の様でした。


松江温泉を出ると、宍道湖湖畔をのんびり走ります。
電車は湖のすぐ隣をのんびり走っているので、
思わず宍道湖に手が届くような感じがします。



あたりの景色も鄙びた感じで、
駅に停まるたびに三々五々乗客が降りていき、
空いていた車内がますます寂しくなっていきました。

20分ちょっとで一畑口に着きました。
ここは一畑薬師への最寄駅です。

以前はここから一畑薬師の麓まで、
更に線路が延びていたそうです。
その時の線路配置の関係から、
行き止まりの構造になっていて、
出雲市方面に行く為には、
ここで進行方向を変える必要があります。



これが一畑口の駅のはずれです。
レールが途切れてしまっていますが、
田圃のなかには線路跡が残っていて、
その昔この先も線路が延びていたことが
容易にわかります。

もともと一畑電鉄は、その名前からもわかるように、
一畑薬師への参拝客を運ぶ為に建設されたそうです。

そこで、僕もこの駅で一旦下車して、
一畑薬師に行ってきました。
一畑薬師はタクシーで10分程の山の上にあります。
境内は閑散としていて、その昔この参拝客を目当てに
鉄道が建設されたとは、俄かには信じられませんでした。


一時間後、再び一畑口から電車に乗り、
今度は出雲大社前を目指しました。
松江から車窓の左手に寄り添っていた宍道湖は
この一畑口を出るともう姿を見せなくなり、
平野の中を走る様になります。

しばらく行くと、家が建ち込みはじめ、
平田市に到着です。
松江を出てから鄙びたところを走って来たせいか、
大きな街に到着したような感じがします。

平田を出ると、斐井川の平野が広がります。
このあたりは、築地松という
松を周りにめぐらした屋敷が、
平野の中に点在していて、
風景がどことなく他の地域と異なっています。
僕が尊敬する宮脇俊三氏はこの風景を
「気品高い」と著書に書かれていますが、
まさにそんな感じがします。


一畑口から20分程で、川跡着。
出雲大社方面はここで乗り換えです。



川跡からは左奥の旧型の電車でした。
今までの冷房が程よく効いていた
"新型"電車とは異なり、
開け放たれた窓から、
夏の熱気を含んだ空気が、
車内に入ってきました。

川跡からも築地松の屋敷を眺めるうち、
出雲大社前駅に到着しました。


松江から使用時間1時間ほどの小旅行。
利用客も少なく、今では観光客にも
あまり利用されていないようで、
きっと経営も厳しい事と思いますが、
いつまでも走りつづけていて欲しいものです。


一畑薬師と出雲大社の様子は、 こちらです。

出雲市から萩までの山陰本線の旅は、 こちらです。



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