比叡山鉄道は、比叡山の東側の山肌を登る鋼索線です。
日吉大社の近くにあるケーブル坂本と、延暦寺の
根本中堂に近いケーブル延暦寺を結ぶ 2.0kmの路線です。
鋼索鉄道(ケーブルカー)で2.0kmの
営業キロは、日本最長です。
開業は1927年(昭和2年)のことです。
坂本ケーブルという名前でも知られています。
日吉大社から歩いて数分で坂本ケーブルの
麓の駅、ケーブル坂本駅に着きました。
1924年(大正14年)に建てられた洋風木造二階建ての駅舎。
国の文化財に指定されているそうです。
GWに入った最初の日曜日に乗ったのですが、
午後も3時を回り、乗客は予想していたよりも少なく、
10人程の乗客が次のケーブルの発車を待っていました。
坂本ケーブルの切符は、「縁」と「福」の
二文字が書かれ、手形のような感じでした。
第二百五十三世天台座主山田恵諦猊下が、
人々へ良縁と福が授かるようにと
書かれたものだそうです。
切符から比叡山の歴史を感じさせる坂本ケーブル。
ケーブルの車両は、洋風の洒落た車両でした。
2両あるケーブルの車両にも「縁」と
「福」という愛称が付けられていますが、
この車両は「福」号です。
山に登るケーブルに乗るとき、
進行方向の先頭側に乗ることが多いのですが、
この坂本ケーブルでは琵琶湖の眺めを
期待して最後尾に乗ることにしました。
ケーブル坂本を発車してしばらくすると
山の中に小さなプラットフォームが現れました。
ほうらうい丘駅です。
この駅は通過してしまったのですが、
合図か前もって利用することを
知らせておかないと停車してくれないのでしょうか。
ほうらい駅を過ぎると、急勾配を登りながら
カーブを曲がりトンネルを抜けていきます。
長い直線の勾配を登ると、
琵琶湖が眼下に広がってきました。
期待した通りの素晴らしい眺めです。
この日は、本当に天気に恵まれて良かったです。
最急勾配は333‰もの急勾配。
急勾配の線路の向こうに広がる琵琶湖。
普通鉄道では決して見られない雄大な眺めです。
やがて、中間地点に差し掛かり、
山を下る「縁」号とのすれ違いです。
鋼索鉄道にあって2.0kmの路線長さは
やはり長く、そろそろ頂上かなと
思う頃に中間地点の行き違い所が
現れて来たような感じです。
深い木々の中を進み、やがて
比叡山の山容が現れてきました。
日の光を浴びて、輝くような比叡の森です。
再び遠くに、琵琶湖を眺めるようになりました。
琵琶湖の対岸は霞んでいました。
再び、途中駅のもたて山駅を通過しました。
この駅から歩いて15分程のところに
土佐日記で知られる紀貫之のお墓があるそうです。
そして、ケーブル坂本駅から
11分で、山頂のケーブル延暦寺駅に到着しました。
ケーブル延暦寺駅は標高654m。
標高170mのケーブル坂本駅から
標高差484mを登ってきたことになります。
ケーブル比叡山を出ると、琵琶湖の
雄大な眺め広がっていました。
このケーブル延暦寺から、歩いて10分程で
延暦寺根本中堂です。