日本三景の一つ松島。
丘陵地が海に落ち込み、その頂が
島として残った風光明媚なところです。
この松島には260もの島々が点在しているそうです。
3階建ての、定員400名の大型の遊覧船で
「あおば」という愛称も付いていました。
塩釜までの1400円の運賃に、
追加の500円を払って、2階の
客室で船旅を楽しむことにしました。
桟橋から眺めた松島湾の様子です。
オフシーズンの為か、乗客は少なく
ゆったりと、松島湾のクルーズを
楽しむ事が出来ます。
出向してすぐ、船を旋回している時に
五大堂が見えてきました。
船の周囲にとても沢山の鴎が舞っています。
熊本から島原に渡ったフェリーでも
沢山の鴎が船について飛んでいたのですが、
その時の事を思い出します。
緩やかな丘陵地と海の間に
ホテルや集落がひしめいています。
この集落の向こうに瑞巌寺がある筈です。
日差しを浴びてビルが輝いていました。
しばらく進むと、進行右手に亀島と鯨島、
その奥に雄島が見えてきます。
左の丸い島が亀島、その右に細長い鯨島の
二つの島で双子島と言われているそうです。
一番右端の雄島は「瑞巌寺の奥の院」とも
言われ、島内には多くの岩窟が点在し、
卒塔婆や仏像、法名などが数多く見られるそうです。
この雄島には芭蕉や曽良の句碑もあり、
訪れるべき島だったようです・・・
左手には先ほど訪れた福浦島と
その手前の経ヶ島が見えていました。
福浦島の先には、波に現れそうな
小さな岩礁が見えていました。
これは千貫島と思います。
伊達政宗が松島に船を浮かべた際に、
「あの島を城の館に運ぶ者あらば、銭、千貫をつかわす」
と言った事から千貫島と名付けられたそうです。
やがて、右側には毘沙門島と大黒島が見えて来ました。
その向こうの丘陵は双観山と思います。
松島湾には、毘沙門や大黒だけでなく
七福神の名を冠した島があるそうです。
この近くにも布袋島や恵比寿島もあるそうですが、
島影が重なってよく判りませんでした。
島の名前を取り違えているかも知れません。
毘沙門島と大黒島を通り過ぎると、
しばらく広い湾内を行くようになります。
穏やかな海面が日差しを浴びて輝いています。
遠くに見える半島の先、小高くなっているところが
四大観の一つ多聞山でしょうか。
遠くに見えていた島影が近づいて来ました。
進行左手に波に現れた特異な
形状の島が見えてきました。
松島を代表する島の一つ、鐘島です。
波が島を削り、波に現れた海面付近の
崖の白さと松の緑の対比が綺麗です。
波が削った4つの洞門があります。
大きな波がこの洞門に押し寄せると、
鐘を打ったような音が響くそうです。
鐘島を過ぎると小藻根島・大藻根島、
そしてその向こうに松島で3番目に
大きな桂島が見えてきました。
写真手前が小藻根島、その奥が桂島です。
小藻根島にも波が穿った洞門がありました。
松島の島々の地層は柔らかいそうですが、
それにしても、波に削られた岩肌を見ていても
この穏やかな松島湾の表情が一変し、
荒々しい波が押し寄せる事が想像出来ません。
小藻根島の先には、仁王島がありました。
島というよりも小さな岩礁です。
波に削り取られた形が、スフィンクスの様です。
仁王島を通り過ぎ、小藻根島・大藻根島、
そして桂島を船尾から眺めた様子です。
遊覧船は、松島随一の見所となっている
仁王島へ立ち寄った後に、塩釜港へと
向きを大きく西に変えて行きました。
軍艦が浮かんでいるような
沖ノ高遠島と高遠島の間を抜け、
右手には灯台のある地蔵島が見えてきました。
この地蔵島を過ぎると島はなくなり、
海苔の養殖の筏の並ぶ塩釜港へと
入って行きました。
松島桟橋から約50分の遊覧船の旅でした。
松島埠頭も塩釜の埠頭も、
JR仙石線の駅まで歩いて5〜10分程で、
松島観光の際には、片道は船に
乗るのがお薦めと思います。