Flaamsbana (Flaam - Myrdal)

乗車日:August 2, 1999


GdvangenからFlaamまで二時間の船旅を楽しみ、
(その時の様子は ここです
Flaamの桟橋で、魚の大群やカワウソの様な動物をみたり、
釣りをしていた一家と話し込んだりして、時間をつぶした後、
フロム鉄道(Flaamsbana)で、Osloへの帰途に就きました。

Osloへの帰途といっても、このフロム鉄道は景色のいいことで知られ、
また列車のすぐ傍に雄大な滝があり、列車も臨時停車して、
その滝の勇姿を見せてくれるというので、楽しみにしていたのです。

駅で貰ったパンフレットによると、フロム鉄道は、
FlaamとOsloやBergenへの乗換駅Myrdalを結ぶ、
延長20kmの鉄道で、途中駅が9駅、トンネルが20個所もあり、
トンネルの総延長が6Kmの長さにもなるそうです。

僕が乗った列車は15:00丁度発のMyrdal行き。
14:40着のMydralからの列車が折り返します。



フェリーを降りるとすぐに13:50の列車があり、
その列車には多くの団体旅行客が詰め掛け、
かなり混雑していたようですが、
この列車は、接続するフェリーがないせいか、
比較的車内は空いていました。

しかも前の列車は、ストックホルム地下鉄の
お古と言われる郊外型電車だったのですが、
この列車は機関車の牽引する堂々たる7 - 8両編成で、
深緑の塗装が鮮やかです。

景色の良い進行方向右側に席を取り、発車を待ちます。
空いているといても、次々旅行客が現れ、
発車間際には、ほとんど席が埋まっていました。


Flaamを発車するとすぐに、フロム川に沿って走ります。
川面がきらきらと輝き、川のせせらぎの音が聞こえてきそうです。

二つ目の停車駅Haareinaを過ぎると、
いよいよ勾配を上るようになります。
あっとう間に山間の集落を見下ろす様になります。



雄大な谷の間の綺麗な牧草地の小さな集落の眺めは、
まるで、鉄道模型の景色を見ている様です。

列車は更に勾配を上っていきます。
対岸に、滝が流れ落ちています。

ちなみにこのフロム鉄道の最大勾配は55パーミル。
55パーミルというのは、1000m水平方向に走る間に
55mの高さを上るということを示しているのですが、
歯車を使わず、車輪とレールとの摩擦力だけで勾配を上る
粘着式としては、最急勾配の部類に属すると思います。

機関車も前後に一両ずつ付いていて、急な勾配に備えています。

中間地点のBerekvamで対向列車と交換です。
ここを出ると、いよいよ急勾配の連続。

鋭く切り立ったフィヨルドの壁にへばりつく様に上っていきます。
窓からそっと顔を出して、進行方向を眺めたら、
急勾配の先の崖の上にこれから走る線路が見えています。
標高差が200mもありそうで、こんな急勾配を走れるとは
信じられないぐらいです。



雪崩も多いのか、線路はスノーシェードで
覆われるようになります。
スノーシェードやトンネルが連続し、
時折見える谷間がいよいよ深まってきました。

いくつ目かのトンネルを越え、駅に到着しました。
列車の足元を荒れ狂うかのように水が流れ落ちていきます。
あっと思い、進行左手の車窓を見ると、
そこには、豪快なショッスフッセンの滝が、忽然と現れていました。
列車を飲み込まんばかりの物凄い勢いです。



こんなに雄大な滝が列車の車窓から眺められるとは
信じられないくらいです。

水飛沫が列車にも掛かってきます。
乗客も全員駅に降り、滝の水飛沫を浴びています。

ショッスフッセンでしばらく停車した後、長いトンネルに入り、
さらに勾配を上ります。
スノーシェードの僅かな隙間から、深いフロムの谷を眺め、
やがて長いトンネルに入りました。

トンネルを出ると、今までとはうって変わって高原の景色となります。
湖のほとりをかすめ、雪渓を抱いた山が見えています。

終点Myrdalはもうすぐです。



(MydalとOslo間の旅行記は ここです



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