十二湖
Lake Jyuni-ko, Japan







十二湖は、青森県の南西部に位置し、
白神山地に点在する湖沼です。

津軽国定公園に指定されており、
また世界遺産の一部になっています。





南北に4.0km、東西に2.5kmの範囲に
33もの湖沼が点在しています。

これらの湖沼は1704年(元禄17年)の能代地震で、
崩山が崩壊して、川が塞き止められて
出来たものと推定されています。

周辺は白神山地特有のブナ林が群生し、
湖沼もブナ林に囲まれ透明度が高いそうです。


この十二湖に2009年秋に訪れました。
その時の様子を紹介します。





十二湖駅〜日本キャニオン



鰺ヶ沢から五能線の普通列車に乗り、
8:16に、十二湖で下車しました。

五能線の乗車記はこちらです。



十二湖に到着した普通列車と十二湖の駅舎の様子です。
以前は臨時駅だったのですが、今では観光案内所も併設された
立派な駅舎も建ち、また「リゾートしらかみ」も停車し
多くの行楽客が利用しています。

十二湖駅から十二湖までは弘南バスも出ていますが、
次のバスの発車時刻は9:20と約一時間程あります。


十二湖までは3q程の道のりなので、歩いたほうが早く
着けそうだったのでバスを待たずに歩き出しました。



駅を出て一旦南に向かい、
すぐの角を東に折れました。

渓流に沿って2車線の舗装道路が走り、
白神山地に分け入って行きました。



道路沿いの渓谷の様子です。

通行する車も殆どなく、
快適なウォーキングでした。


しばらく歩いていくと、周囲の木々の
向こうに白く輝く崖が見えてきました。



これが日本キャニオンです。
この先でヘアピンカーブが
続くようになりました。



その先で最初の湖が現れました。

「八景の池」です。
面積は11,500u程あり、
十二湖の中では比較的大きな湖です。



湖にはボートが浮かび開放的な雰囲気です。

「八景の池」から日本キャニオン
への道が続いていました。



この道は、木々が鬱蒼と生い茂った山道でしたが、
他にも歩いている人がいたので、安心でした。



登り口から10分ちょっとで展望が開け
日本キャニオンの展望所に到着です。

白い崖がブナ林の中に浮かあがっています。



日本キャニオンは、白い崖が築くU字谷が
グランドキャニオンに似ているという
事から名付けられています。

グランドキャニオンの様子はこちらです。


グランドキャニオンには及ぶべくも
なかったのですがこの景色も雄大でした。

日本キャニオンの向こうに見える山が
300年前の地震で崩壊した崩山でしょうか。





日暮の池〜落口の池



日本キャニオンの全貌を展望台から眺めた後、
木々の生い茂る山道を下りました。



次に向かったのは、山の麓にある「日暮の池」です。
山間に静かに佇む「日暮の池」です。



先ほどの開放的な「八景の池」とは異なり
人気のない静かな湖でした。


「日暮の池」からはブナ林の中の
道を歩き「王池」に向かいました。



林を抜け、自動車の走る通りに出ると
その向こうに「王池」がありました。



「王池」は「東湖盆」と「西湖盆」の二つの湖に分かれ、
合わせて53,500uの面積を有しています。

十二湖では、2番目に大きな湖です。


「王池」からは車道に沿って歩いて行きました。



「王池」からは比較的大きな湖沼が
幾つか連なっています。

次に現れたのは「越口の池」です。



面積は47,450uで、十二湖では
3番目に大きな湖沼です。

広い湖面の向こうに、僅かながら色付き
始めた木々の景色が綺麗でした。


この「越口の池」の畔に建つコテージ風の
建物は十二湖ビジターセンターです。



館内には十二湖で見られる
動植物の紹介やジオラマがありました。

この脇にはイトウの養魚場もありました。



1983年から5年間、北海道から卵を
移入し育ててきたものだそうです。


「越口の池」の次は「中の池」がありました。



この中の池は、面積13,050uと小さな池で
木々の間に小さな水面が見えていました。



訪れたのは10月初旬の頃でしたが、
2週間程後には綺麗な紅葉が
見られていた事でしょう。


更に足を進めると「落口の池」がありました。



この池の面積は27,200uです。

ここは面積の広い湖沼で、
広々とした景色になっていました。



道路の向かいには十二湖庵という新しい茶屋も
建ち、のんびりと湖沼の様子を眺められます。





沸壺の池〜青池



「落口の池」の向かいにある十二湖庵です。



こうした所で一服する余裕が欲しいのですが、
十二湖に戻るバスの時間が気になり、
次の池に向かいました。

十二湖庵の脇には、清水が湧き出て
小川となって流れ下っていました。



ブナの林は保水力が高く、雨を地中に貯え
そして、その雨水はろ過された後に、
清流となって流れ出します。

この清流が十二湖を清い湖沼に保っています。


車道を離れ、木々の間の
散策路を分け入って行きました。



次に向かったのは「沸壺の池」です。

「沸壺の池」はブナ林の中を
5分程歩いたところにありました。



展望テラスが設けられ、そこから「沸壺の池」を
手に取るように眺める事が出来ました。

「沸壺の池」は、面積575uと小さな池です。
しかし透明度は高く、神秘的な池でした。



ブナ林の間にある池ですが、駐車場からも
近く、訪れる人は比較的多いようでした。


沸壺の池から再び車道に戻り、
更に奥へと向かいました。

「落口の池」の奥は「がま池」です。



「がま池」は面積200u程の小さな池で、
十二湖では最も小さな池です。

木々の間に小さな水面が見えています。
落ち葉が堆積して、埋もれてしまいそうな池でした。


「がま池」の先には、駐車場があり、その先を
更に歩いて行くと「鶏頭場の池」がありました。



池が現れた時は、木々に囲まれた中に小さな
水面が現れたのですが、その水面が急に広がり、
奥行きのある緑に囲まれた大きな湖になりました。

「鶏頭場の池」からは、十二湖のメインの
観光スポットとなってる「青池」に向かいました。



「鶏頭場の池」から「青池」までは5分程です。
十二湖の中で最も白神山地の奥にあります。



「青池」はブナの木々に囲まれた小さな池で、
「沸壺の池」と同じように木製の
展望デッキが造られていました。



青というよりも藍色に染まっていました。
落ち葉が水面を覆っていましたが、
落ち葉と水面のコントラストが素敵でした。


「青池」がこの時の十二湖散策の最後の池でした。

「青池」から駐車場まで戻り、十二湖駅へは
10:50 発の弘南バスで戻りました。



十二湖駅を出てから2時間半の散策でした。



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