旧信濃の国は今は長野県となり、
県庁所在地の長野には新幹線が開通し、
4年前にはオリンピックが開かれ、
長野の名前は世界的に知れ渡りました。
しかし、徳川幕府が倒れ明治政府が出来た時、
北信濃の国を統治する県庁が置かれたのは、
長野ではなく、善光寺平の北東の端に
位置する、中野市だったそうです。
北信濃地方は天領となっており、
陣屋が信州中野に置かれ、この地方の
中心になっていたそうです。
明治維新以降に陣屋跡地に
県庁が置かれたのですが、
世直し一揆が発生し、
当時寒村だった長野に
県庁を移したのだそうです。
もし世が世なら、長野新幹線は
中野新幹線という名前で、
上田を出ると千曲川を渡らず、
真っ直ぐに北上し、この中野市に
到達していたかもしれません。
長野電鉄に乗った際、信州中野で下車し、
中野陣屋跡まで足を延ばしてみました。
昔ながらの味噌屋さんも街角にありました。
このあたりは歴史の小径」と呼ばれています。
その界隈に中野陣屋・県庁記念館があります。
最近整備されたのか、まだ若い街路樹の先に
陣屋・県庁記念館が見えてきました。
その昔、陣屋がこの地に置かれ、
江戸時代のこの地方の政治と
経済の中心だったのです。
一階はカフェになっているそうですが、
今ではひっそりとした感じで、
往時の勢いをうかがい知る
ことは出来ませんでした。