甲府は、山梨県の県庁所在地。
甲府盆地の中央やや北に位置する街です。
戦国時代にはいわずと知れた
武田信玄の居館のあった地です。
居館の跡は武田神社として残り、
市内各所に武田氏ゆかりの史跡があります。
江戸時代には天領となり、
一時期甲府藩が置かれ
甲府城が築かれています。
そして、甲府盆地を取り囲む山々の眺めや
市内北部には美しい渓谷で知られる昇仙峡と
風光明媚な街でもあります。
この甲府の街には何度か訪れています。
いくつかの見所を紹介しようと思います。
昇仙峡は甲府市街から北に
7〜8km程のところにある渓谷です。
笛吹川の支流、荒川に沿った
延長約5km程の渓谷です。
荒川の作る切り立った谷に沿い
上流には山の上に切り立った崖や
岩があり、渓谷の終点からは
ロープウェーで標高1058mの
羅漢寺山へ向かうことが出来ます。
昇仙峡の散策路の入り口はアーチ状の長澤橋です。
橋の近くには御岳昇仙峡の立派な碑が立っていました。
ここから荒川に沿った遊歩道を歩いていきました。
土・日・祝日には歩行者専用になるのですが
平日は車が入り込んでくるので要注意です。
遊歩道から眺めた深く切れ込んだ渓谷です。
天気もよく、気持ちのいいハイキングです。
川には、亀石やオットセイ石、ラクダ石など
名前のついた石があちらこちらにありました。
この写真は、亀石です。
日が差し込み、明るい渓谷です。
河原には大きな石がゴロゴロしています。
遊歩道にはトテ馬車という
観光馬車も通っていました。
長澤橋の近くから、昇仙峡の途中の
能泉というところまで行くことが出来ます。
馬車が行き交う様子ものどかです。
対岸の崖の上に見えてきた
大きな石は大佛岩でしょうか。
そして、こちらは登竜岩です。
現地の案内板によると、輝石安山岩が
花崗岩の亀裂に貫入しているものだそうです。
岩が岩の間に入り込むとは、
どういうメカニズムで出来るのでしょうか。
とっても不思議です。
昇仙峡の対岸には、このような岩が
4kmにもわたって連なっているそうです。
昇仙峡のほぼ中間に位置するところに
天鼓林という谷が広くなっている所がありました。
林の中に立つと、鼓のような
共鳴音が跳ね返ってくるそうです。
天鼓林でしばし休息し、再び歩き始めます。
荒川に架かる橋が2つ程あり、
対岸にある羅漢寺や五百羅漢を辿る
回り道のルートがあるそうです。
この先で、昇仙峡に沿って尾根を走る
自動車道路の駐車場への上り口がありました。
ちょっと急坂だったのですが、そこに行ってみると
昇仙峡の奥にある羅漢寺山や覚円峰を
眺める事が出来ました。
山の中腹から頂にかけて
大きな岩が露出していました。
再び、渓谷に沿った道に戻ります。
トテ馬車の終点を過ぎ、
数軒のお土産屋さんを過ぎると、
険しい岩肌や切り立った覚円峰が
頭上に迫ってきました。
覚円峰は花崗岩が風化し出来た垂直の岩の壁で
その高さは180メートルもあるそうです。
澤庵和尚の弟子の覚円が、
この岩の天辺で座禅を組んだそうです。
高所恐怖症なので、その様子を
想像しただけで足が竦んでしまいます。
その切り立った岩の下を流れる荒川の様子です。
流れは緩やかで、この穏やかな川の流れが
この急峻な谷を刻んできたのが、
信じられないほどです。
このあたりになると峡谷沿いの道も、
かつて荒川が削った岩の下を通るようになりました。
ここは「めまい岩」と呼ばれているそうです。
めまい岩を抜けると、仙が瀧が見えてきます。
荒川の本流が流れ落ちる
高さ30mの堂々とした滝でした。
この仙が瀧を過ぎると谷も広がり、
道の両側にお土産物屋さんが連なります。
しばらく歩くと羅漢寺山への
ロープウェー乗り場がありました。
このロープウェーには是非乗りたかったのですが
帰りのバスの時間まで余裕がなく諦めました。
この昇仙峡は「全国観光地百選」の
渓谷の部で第一位に輝いたそうです。
秋の紅葉の時期には素晴らしい
景色になると思いました。