City of New Orleans (Chicago - New Orleans)

乗車日:March 27, 1997




Jackson Stationにて

City of New OrleansはChicagoとNew Orleansを結ぶ、
イリノイ・セントラルの看板列車をAMTRAKが引き継いで、
走らせているものです。

僕が乗った、1997年 3月現在では、
Chicago 7:50 pm発、途中、Menphis、
ミシシッピー州の州都 Jackson をへて、
翌日 3:05pmにNew Orleans着。
定刻なら、934 mileを19時間15分かけて走ることになります。
時速77.63km まあまあのスピードです。

City of New Orleansには、2両の寝台車、食堂車、展望車、
それにコーチ車両が3から4両連ねていました。
車両はAMTRAK自慢のSuper Liner。
全二階建ての、車外展望の効く素晴らしい車両です。

僕たち一家が予約したのは、Delux room。
個室にトイレやなんとシャワールームまでついている、
Super Liner一番の個室寝台です。
でも、この個室にはBedが二つしかついていなくて、
いくら小さい子供といえども、
家族4人で過ごすには、ちょっときつかった。

Super Linerには、4つBedのFamily Roomもついているのですが、
僕が予約した時は、既に空きがありませんでした。
Family roomも広くていいのですが、
これは一階席なので、外を見るならDelux Roomにはかないません。

Chicago, Union StationのLoungeでDrinkを飲みながら、
City of New Orleansの入線を待ち、
アナウンスと共に、係りの人に連れられてホームの列車まで、進みます。
寝台車の乗客は、コーチシートの乗客よりも
早く列車に乗り込むことが出来るのです。
特にどうと、いうわけではないけど、
多少優越感をくすぐりました。

乗車してすぐに、レストランカーで夕食を摂りました。
Sleeping carの乗客には食事代は含まれているのです
(但しアルコール代は別です)。

発車してすぐ、列車は停車し後戻りし始めました。
なんかのトラブルで、ユニオンステーションに戻るのか? と思ったのですが、
イリノイセントラルからユニオンステーションへは、真直ぐに進む事が出来ないらしく
いつもこうして転線してニューオリンズを目指すのだそうです。

進行左手に、シカゴの夜景が綺麗に見えました。

ワインを傾けてながらの夕食。
時折窓の外を、明かりが通り過ぎて行きます。

やがてKankakeeという駅に停車。
見ず知らずの街。
Amtrakに乗らなければ、決して訪れることの無かった街。

駅前をオレンジのライトが照らしています。
Pick up Truckが一台、駅前の道を走り抜けて行きました。
取り立てて、特別な光景ではないけれど、
Amtrakに乗らなければ、夜のdown townなんて、
決して見られなかった...


翌朝、目を覚ますと、Memphisの手前を走っていました。

Memphisの駅はみすぼらしく、あたりの雰囲気も悪そうで、
このあたりがアメリカの鉄道の現状を示しているんでしょう。

Memphisを出るとミシシッピ州に入ります。
このあたりは、広大な田園地帯。
ミシシッピ川沿いに肥沃な土地が広がっているのでしょう。




新聞の差し入れがあり、
モーニングコーヒーやオレンジジュースが、
飲み放題です。

朝食を食べた後、
隣の展望車でのんびりと景色を眺めます。

窓の外の景色は比較的単調なのですが、
おかげで、退屈せずに過ごせました。

ミシシッピ州の州都Jacksonに停車。
15分くらいの停車時間があったので、
列車の先頭まで行って、記念写真です。

他の乗客もホームに降りて、体をほぐしています。
数少ない喫煙者にとっては、貴重なSmoking timeの様です。




列車が南へ近づくにつれ、雑木林が目立ち始め、
やがて湿地帯が現れる様になりました。




最後の停車駅、Hammondを過ぎると、
幅の広い川を、稼動橋で渡ります。
川面が思った以上に近く、
列車も徐行して、ゆっくり渡ります


そして圧巻は、Lake Maurepasの流れが、
Lake Pontchartrainに流れ込むところです。

雑木林の足元を洗うような濁流が線路に押し寄せてきます。
本来、川じゃないところを流れる濁流を見るのは、
何故か胸騒ぎを覚えます。




この景色が、数キロに渡って続きました。


列車はやがて、ニューオーリンズの街に入りました。
区画の広い郊外の住宅地から、次第に家が密集し、
高速道路と併走するようになります。

車窓右手のスーパードームが次第に近づいてきました。
列車もスピードを落としもう終着に近い、と思ったところで、
City of New Orleans号は、急に右にカーブを切り、
引込み線のような所に、分け入っていきました。

いやにごみごみした、場末のような所に
駅があるものだ、と思っていると、
列車は何と、また後退を始めたのです。

何事かと思っているうち、列車の最後尾を先頭に、
New OrleansのUnion Stationに着いたのでした。

まっすぐ駅に入れば、15分ぐらいは
早く着けそうな気がするのですが、
方向転換すると、寝台車の車両が一番駅舎に近くなるのです。

New Orleansの駅は、行き止まり式なので、
駅舎と反対側の車両に乗っている人は、
何100メーターも歩かないと、駅にたどり着けません。
結局、高い運賃を払っている寝台車の乗客が
長い距離を歩かなくてもいいように、
考慮しているみたいです。

古きよき伝統というか、
日本とは列車を使う価値観が全く違うのだ、
ということを肌で感じました。

ニューオーリンズの街の様子は、こちらです。




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