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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



愛知高速交通・リニモ
東部丘陵線 (藤が丘 - 八草)

Aichi Rapid Transit Co., Ltd.
Tohbu Kyuuryou Line
(Fujigaoka - Yagusa)



乗車日:March 04, 2006





愛知高速交通東部丘陵線は、名古屋市の東、
藤が丘から八草駅を結ぶ8.9kmの路線です。

藤が丘では、名古屋市交通局の地下鉄東山線と
八草では愛知環状鉄道に接続しています。

愛知環状鉄道の乗車記はこちらです。

藤が丘は名古屋市東部の住宅地で
沿線には住宅地や大学も点在しています。




この愛知高速交通は、日本で初めての
磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー)で、
リニモという愛称が付いています。

愛知高速交通では、常電動吸引型(HSST)と
呼ばれるシステムを採用しています。
JR東海が実用化を目指している
超電導電磁石を用いたシステムとは異なっています。

愛知高速交通"リニモ"の開業は
2005年3月6日で、この年に開催された
愛知万博、愛・地球博の輸送にも活躍しました。


このリニモに2006年3月4日に乗車しました。
愛・地球博記念公園 - 八草(当時は万博八草)間は
愛知万博開催中の2005年に乗車したのですが、
この時に全線乗車を果たしました。

名古屋市交通局の地下鉄東山線を終着駅・藤が丘で下車し、
高架の地下鉄ホームから階段をいくつも下って
地下の"リニモ"のホームにたどりつきました。

ホームに着くと、リニモは既に到着していて
乗り込むとすぐに発車しました。

初めてのる浮上式鉄道で、振動もなく
スムーズな乗り心地でした。

しばらく地下を走り、次の
はなみずき通駅で地上に出ました。



車内は空いていて、列車の前面の
展望を楽しむ事が出来ました。

この、はなみずき通駅で運転士さんは下車し、
後はATOによる無人運転になります。

はなみずき通を発車すると急勾配を上りながら
住宅街の中を右にカーブをきり、
高架へと駆け上がっていきます。



このあたりは行政区域では名古屋市から
東隣の長久手町に入っているのですが、
マンションや住宅地が立ち並ぶ中を
リニモは走っていきます。

上り、藤が丘行きのリニモとすれ違いました。



この先で、左に大きくカーブを切ると
杁ヶ池公園駅に到着です。



駅の北側には立派なショッピングセンターがありますが
郊外型の店舗で、立体駐車場が併設されています。
もとより空いているリニモから乗り降りする人も少なく
淡々と発車していきました。

車輪を使わず浮上して走る
リニモの車内は至って静かです。


住宅地を見下ろしながら走り
次の長久手古戦場駅に到着しました。



長久手古戦場跡は、1584年(天正12年)に
豊臣秀吉と徳川家康が戦った小牧・長久手の戦の
主戦場だったところです。

小牧山城に布陣した家康と犬山城の秀吉は
睨み合い状態となっていましたが、
この状況を打破しようと、池田恒興・森長可らが
岡崎の攻略を目指して進軍したのですが、
その動きを察知した家康がこの長久手で
池田恒興父子、森長可を破っています。

駅のすぐ近くには古戦場公園があるようです。



長久手古戦場古戦場跡からは
家康が本陣を敷いた小牧山方面の
展望が開けていました。


長久手古戦場駅からしばらく行くと
車窓左手にトヨタ博物館がみえて来ました。



トヨタ自動車が創立50周年を記念して
1989年にオープンした博物館です。
国内外の車を展示しているそうです。

このあたりは次第に丘陵地帯となり、
猿投山の姿が見えてきました。



やがて、進行前方に観覧車が見えてきました。



2005年に開催された愛・地球博の
メイン会場に作られた観覧車で
万博終了後も遊園地として残っています。

観覧車を過ぎると、愛・地球博記念公園駅です。
万博の時は、多くの乗客でごった返していた駅も
乗り降りする人もなく、ひっそりとしています。



2006年3月に乗車した際には、
万博のパビリオンが解体作業中で、
なにやら祭りの後の侘しさを感じました。


愛・地球博記念公園から丘陵地を走り、
陶磁資料館南に至ります。



このあたりは、丘陵地の起伏を
超えるように高架の路線が続き、
車窓風景の楽しい区間です。

丘陵地の勾配を下ると
終着、八草に着きました。



八草は、愛知環状鉄道との接続駅です。
リニモのホームから愛知環状鉄道の
ホームが見えていました。

愛知環状鉄道の乗車記はこちらです。


3両編成のリニモは、一時間あたりの
最大輸送力は4,000人だそうです。

藤が丘で接続する地下鉄・東山線は
14,500人で、愛知万博の際には、
名古屋市内から藤が丘経由のルートでは
藤が丘での混雑が予想され、
愛知環状鉄道の八草からの
ルートがメインルートとされました。

それでも、万博期間中は多くの乗客で
賑わったリニモですが、万博終了後は
利用客の減少し、2009年3月には
約20億円の債務超過に陥っていて
経営の存続が危ぶまれています。



2009年度の減価償却を除く
収支は黒字になるとのことですが、
線路設備への投資額が多いリニモでは
毎年20億円もの設備償却費がかかるそうです。

安価で建設出来るLRTを建設していれば
こんな状況にはならなかったと思うと残念です。




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