|
|
|
蒲原鉄道は、新潟県にある全長4.2kmの小さな私鉄でした。
と言うのは、1999年の9月末に廃止になってしまったからです。
この時は、名古屋発23:59の夜行急行「ちくま」で、
長野に出て、長野から飯山線で越後川口へ出、
長岡・新津と回って五泉に着きました。
当時の時刻表が手元にないので正確な時間は
わからないのですが、五泉に12時前ごろ着いたと思います。
あまり活気のない五泉の駅前で、腹ごしらえして、
村松行きの電車に乗り込みました。
電車は茶色い車体に、クリームの帯の単行で、
どことなく、懐かしいというか、心和む配色です。
村松駅からの列車の到着の様子を写真に収め、
JR五泉駅の構内のはずれにあるホームから発車です。
ゴールデンウィークの最中の昼下がり、
車内は空いていたように記憶しています。
五泉の街並みを出ると、周囲は田園が広がります。
田植えを終えたばかりで、米どころ越後平野の風景です。
電車は、その田圃の中を真っ直ぐに、走り
僅か8分程で、終着村松駅に着きました。
村松駅で、1992年9月29日の日付けの創立70周年
記念乗車券があったので、買い求めました。
乗車券に蒲原鉄道の歴史が載っていたので、紹介します。
大正11年(1922年) 9月29日: | 創立 |
大正12年(1923年) 10月20日: | 五泉 - 村松間4.2km開業。 |
昭和 5年(1930年) 7月22日: | 村松 - 東加茂間15.2kmを延長開業 |
昭和 5年(1930年) 10月20日: | 信越本線加茂駅まで2.5km開業 |
昭和60年(1985年) 3月31日: | 村松 - 加茂間廃止 |
全盛期には、五泉 - 加茂間営業距離 21.9km、駅数15駅で、
多くの乗客や貨物を運んでいたことと思いますが、
その後、モータリゼーションのあおりを受け、
路線を縮小し、僅か4.2kmの区間で営業を続けていたのが、
創立77年目で、営業を終えてしまったわけです。
折り返しの電車まで20分程あったので、
昔廃止になった、加茂までの線路の跡を調べに行きました。
線路は村松駅を出てすぐ、線路が右にカーブし、
併走する道路に突き当たる寸前で剥されていました。
道路をはさんだ反対側は民家の裏庭に消えています。
2万5千分の一の地図を片手に、村松の町を歩き、
集落が尽きたあたりで、再び昔の線路跡を見つけました。
当時で、廃止されて9年目だったせいか、
廃線跡の土手は思いのほか良く残っていました。
しばらく廃線跡にたたずんで、民家の裏庭をかすめて
走っていた列車の様子を思い浮かべていました。
通りかかった地元の人が、不審そうな顔をして、
こちらを見ていたのを思い出します。
来た道を再び五泉まで戻り、磐越西線で郡山へ出ました。
磐越西線の乗車記は
こちらです。
|
|
|