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伊予鉄道の高浜線は、松山港に近い
高浜から松山市までの9.4kmの路線です。
全通したのは1892年(明治25年)と歴史ある路線で、
途中の三津から松山市間が伊予鉄道で
一番最初に開業した区間です。
広島港からフェリーで松山港に入り、
連絡バスに乗って高浜駅に向いました。
高浜駅は海岸から道一つ街中に
入ったところにひっそりと佇んでいました。
留置線の電車と高浜駅の駅舎です。
路地裏のひっそりとした雰囲気が印象的でした。
古びた木造の駅舎にお似合いの、
年代を感じさせる駅名標が掲げられていました。
乗車した列車は17:58発の横河原行き。
夕暮れ時、僅かの乗客を乗せ、
高浜駅を発車しました。
下の写真は、高浜駅を発車して
すぐの先頭車両からの眺め。
傾いた西陽が優しく周囲を
照らしているような感じです。
しばらく走り、切り通しを抜けると、
目の前にジェットコースターや観覧車の
遊園地の施設が目に入ってきました。
梅津寺パークです。
この梅津寺パークには伊予鉄道の
一号機関車が保存展示されているそうです。
この梅津寺パークを抜け浜辺に出ると
梅津寺の駅に到着しました。
ホームのすぐ向こうに浜辺が迫っていて、
停車中の車窓から、沈みゆく
夕陽を眺める事が出来ました。
伊予鉄道の車窓から、海に沈む夕陽を
見る事が出来るとは思ってもいませんでした。
梅津寺を発車し、二つ目の駅が
開業当初の終着駅、三津です。
以前敷設されていたレールが
一部、剥がされてはいますが、
広い構内に歴史を感じます。
三津を出てしばらく走るとJR予讃線の線路が現れ、
距離を置いて併走した後に、その下をくぐりました。
特急「しおかぜ」とかと行き違わないかな
との期待は叶いませんでしたが、
列車に乗っていて、他の路線との
邂逅は胸ときめく瞬間です。
鉄道の場合、後から敷設された路線の方が、
上を跨ぐというのが礼儀なのだそうで、
1892年開業の伊予鉄道と、1927年開業の
JR予讃線との貫禄の違いが出ています。
JRの線路をアンダークロスし、
しばらく走ると高架橋を走りました。
松山市の市街が広がっています。
再び地上に降りると、古町に到着です。
ここは高浜線と市内線との接続駅です。
高浜線のホームの東側に短い
路面電車用のホームが並んでいます。
路面電車が、郊外線の線路を渡って、
路面電車用のホームに入っていくのが、
先頭車両から見えました。
古町を出ると松山市駅まではもうすぐです。
市街地を走ると、次の停車は大手町。
この駅の手前で、先ほど古町で別れた
市内線の軌道と直交しています。
以前、日本の各地に路面電車が走っていた時代には
こうした鉄道と軌道との交差する箇所は
いくつかあったそうですが、今では全国でも
ここだけしか残っていないようです。
これは、翌日に松山市内の路面電車に乗った際
この交差点に立ち寄って撮った写真です。
線路が交差するだけでなく、郊外電車と
路面電車の架線も交差していて、
見ていても飽きませんでした。
そして、電車は夕暮れ迫る
松山市駅に到着しました。
高浜から9.4km、20分の
変化に富んだ鉄道の旅でした。
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