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もうすぐ箱根湯本です。この箱根湯本で
箱根登山鉄道の電車に乗り換えました。
箱根登山鉄道の電車は2両編成。
小田原駅で見送った特急「はこね」と
この列車からの乗り継ぎ客が乗り込むので、
通路まで立ち客で埋まる混雑となりました。
年の瀬も近い時にこの混雑振りなので、
夏や紅葉の季節の混みようは想像もつかない程です。
幸いにも先頭車両の運転手のすぐ後ろに立って
進行方向を眺めることが出来ました。
箱根湯本を出ると勾配がきつくなり、
登山鉄道の名前に違わぬ車窓風景となります。
標高108.3mの箱根湯本から8.9kmで、
標高552.8mの強羅まで登っていくのです。
塔ノ沢の駅を出ると、トンネルが連続するようになり、
トンネルを抜けて、鉄橋を渡ると
大きくカーブして小さな渓谷を渡りました。
渓谷を渡って電車は停車しました。
出山信号場です。
車窓には通ってきたばかりの鉄橋が
渓谷の反対側に見渡せます。
電車はしばらく停車した後、
反対方向を向いて出発しました。
この出山信号場が勾配を稼ぐ為に
スイッチバックの構造になっているのです。
進行方向が変わったので、今度は
過ぎ去る景色を見る事になりました。
停車中の電車は箱根湯本行きの電車で、
左手の線路を急勾配で下って行きます。
そして、強羅行きのこの電車が右手の
線路を走り、急勾配を登っているのです。
狭い谷あいで勾配を稼ぐ為に、
次の大平台・仙人台(信)と
スイッチバックの駅が続きます。
この写真は仙人台信号場を出た時の景色です。
勾配をぐんぐんと登り、深い谷あいから
次第に景色が開けてきました。
ちなみにこの箱根登山鉄道の最急勾配は80パーミル。
水平方向に1km走るうちに、80m登るという急勾配です。
ラック式と呼ばれる歯車を使った方式では
これよりも急な勾配はあるのですが、
粘着式と呼ばれる通常の鉄道の中では
日本で最急勾配の路線なのです。
周囲にも人家が現われ、やや開けた感じになると
宮ノ下そして小涌谷です。
小涌谷で小田原行きの電車と交換です。
赤い塗装の車体が深い山間にマッチしています。
このあたりでは、山を登りきった感じで、
勾配もゆるくなり、周囲の山々も
見渡せるようになりました。
これは明神が岳でしょうか?
澄み切った冬の陽射しを浴びて、
山が輝いているようでした。
彫刻の森美術館の森を過ぎると、
いよいよ終点、強羅です。
山深い箱根の外輪山を登り、
箱根湯本から30分程、小田原からでも
50分弱の楽しい電車の旅でした。
この箱根登山鉄道は、
スイスのベルニナ鉄道と姉妹関係にあります。
強羅の駅舎には「サンモリッツ」の看板もありました。
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