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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



箱根登山鉄道
Hakone Tozan Railway



乗車日:Dec. 29, 2002




小涌谷駅にて


箱根登山鉄道は小田原から強羅に至る
営業キロ15.0kmの私鉄です。

有名な観光地・箱根をバックに控え、
多くの観光客で賑わう観光路線です。
特に関東地区の人には馴染みのある路線と思います。

2002年の冬、年の瀬も押し迫った頃
この箱根登山鉄道に初めて乗りました。
何せ箱根に行くのも生まれて2度目のこと。
それも15年以上前の会社の忘年会だったと言う事もあり、
この時の箱根行きはとても胸の躍るものでした。


箱根登山鉄道へは小田原でJRから乗り換えます。
小田原には小田急電鉄も乗り入れており、
改札を出ることなく箱根登山鉄道に乗り換える事が出来ます。

箱根登山鉄道のホームに上がった時に、箱根湯本行きの
小田急のロマンスカー「はこね」号が到着しましたが、
この列車には乗車出来ず、次の列車を待ちました。

次の列車も箱根登山鉄道に乗り入れる小田急の急行で、
これに乗って箱根湯本に向かいました。
首都圏で通勤に使われている車両なので、
長編成のロングシートで旅行気分は盛り上がりません。

それでも早川沿いの渓谷に沿って進むうちに、
遠くに箱根の山々が見えてきました。




もうすぐ箱根湯本です。この箱根湯本で
箱根登山鉄道の電車に乗り換えました。

箱根登山鉄道の電車は2両編成。
小田原駅で見送った特急「はこね」と
この列車からの乗り継ぎ客が乗り込むので、
通路まで立ち客で埋まる混雑となりました。

年の瀬も近い時にこの混雑振りなので、
夏や紅葉の季節の混みようは想像もつかない程です。

幸いにも先頭車両の運転手のすぐ後ろに立って
進行方向を眺めることが出来ました。

箱根湯本を出ると勾配がきつくなり、
登山鉄道の名前に違わぬ車窓風景となります。

標高108.3mの箱根湯本から8.9kmで、
標高552.8mの強羅まで登っていくのです。

塔ノ沢の駅を出ると、トンネルが連続するようになり、
トンネルを抜けて、鉄橋を渡ると
大きくカーブして小さな渓谷を渡りました。

渓谷を渡って電車は停車しました。
出山信号場です。



車窓には通ってきたばかりの鉄橋が
渓谷の反対側に見渡せます。

電車はしばらく停車した後、
反対方向を向いて出発しました。

この出山信号場が勾配を稼ぐ為に
スイッチバックの構造になっているのです。



進行方向が変わったので、今度は
過ぎ去る景色を見る事になりました。

停車中の電車は箱根湯本行きの電車で、
左手の線路を急勾配で下って行きます。
そして、強羅行きのこの電車が右手の
線路を走り、急勾配を登っているのです。

狭い谷あいで勾配を稼ぐ為に、
次の大平台・仙人台(信)と
スイッチバックの駅が続きます。



この写真は仙人台信号場を出た時の景色です。


勾配をぐんぐんと登り、深い谷あいから
次第に景色が開けてきました。

ちなみにこの箱根登山鉄道の最急勾配は80パーミル。
水平方向に1km走るうちに、80m登るという急勾配です。

ラック式と呼ばれる歯車を使った方式では
これよりも急な勾配はあるのですが、
粘着式と呼ばれる通常の鉄道の中では
日本で最急勾配の路線なのです。


周囲にも人家が現われ、やや開けた感じになると
宮ノ下そして小涌谷です。



小涌谷で小田原行きの電車と交換です。
赤い塗装の車体が深い山間にマッチしています。

このあたりでは、山を登りきった感じで、
勾配もゆるくなり、周囲の山々も
見渡せるようになりました。



これは明神が岳でしょうか?
澄み切った冬の陽射しを浴びて、
山が輝いているようでした。


彫刻の森美術館の森を過ぎると、
いよいよ終点、強羅です。



山深い箱根の外輪山を登り、
箱根湯本から30分程、小田原からでも
50分弱の楽しい電車の旅でした。

この箱根登山鉄道は、
スイスのベルニナ鉄道と姉妹関係にあります。
強羅の駅舎には「サンモリッツ」の看板もありました。

ベルニナ鉄道のページはこちらです。



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