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単線の線路の両脇に広いホームがあり
停留所というよりも駅のようです。
停車していた電車が丁度、
発車して行ってしまいましたが、
5〜6分毎の運転なのでしばらく待っていると
すぐに次の電車がやってきました。
1月最初の土曜日の朝9時頃、
乗客は多くなく、空席がある状態で発車しました。
広い新目白通りの真ん中を走り、面影橋を過ぎます。
朝から降っていた雨が少し小降りになってきました。
面影橋は神田川に架かる橋の名前です。
以前、この停留所近くの会社を訪れた事があるので、
その時の事を懐かしく思い出していました。
面影橋の先で、交差点を急カーブで右に折れ、
住宅地の中の専用軌道を走るようになりました。
緩やかな勾配を上って行きます。
学習院下を過ぎ、目白通りの下をくぐると
鬼子母神前に到着しました。
ここで一旦、途中下車し停留所の名前になっている
鬼子母神社まで行って見ました。
鬼子母神辺りは地下鉄
副都心線の工事中で様子でした。
ここで一旦下車しました。
駅前の狭い路地を都電の電車が走っています。
雑然とした雰囲気の中を走る都電の様子は
どこかの地方都市の路面電車のようです。
大塚駅前から三ノ輪橋行きの電車に
乗り荒川線の旅を続けます。
ここからが未乗区間です。
大塚から、住宅街の密集する地域を
専用軌道で通り抜けて行きます。
雨の降り方がまた少し激しくなり、
車両前方のフロントガラスに雨粒が着き、
早稲田行きの電車が霞んで見えています。
2つ目の庚申塚で再び下車し、庚申塚を訪れました。
庚申塚の停車中の早稲田行き都電です。
庚申塚の三ノ輪行き停留所にはホームに
直結してお汁粉屋さんがありました。
ここは荒川線では珍しい道路との併用軌道区間です。
併走する道路を走るオートバイの
ヘッドライトが雨に滲んで輝いています。
坂を下りきって右に曲がりJR京浜東北線の
ガードをくぐると王子駅前の停留所です。
JRの築堤脇の停留所で下車し、先ほどの
併用軌道区間を眺めに行ってきました。
雨が激しく飛沫を上げ走る車の間を
早稲田行きの路面電車が
急勾配を上って行きました。
王子駅前で一旦下車した後、
再び、終着の三ノ輪橋を目指します。
東に向かうに従い、乗客が増えて
運転手横の展望席を確保することが
出来なくなってしまいました。
しばらく住宅地を走った後、道路
中央の専用線を走るようになります。
周囲には建物が続いていますが、
空が開け郊外に近づいたような雰囲気です。
荒川車庫前で途中下車しました。
引込み線が道路を横断して
荒川線の電車の車庫に消えています。
しかし、他に見るべきところも無く
次の電車に乗り込みましたが、
この電車もかなり混み合っていました。
立ちながら曇った窓を指で拭きながら車窓を眺めます。
道路中央の専用軌道をしばらく走り、
途中で、日暮里・舎人ライナーの
立派な高架軌道の下をくぐりました。
荒川線の軌道に比べるばくもない立派な設備で、
開業した後の設備償却を思わず懸念してしまいます。
そうするうちに、町屋駅前に到着しました。
ここは京成電鉄の町屋駅との接続駅です。
停留所の先には京成電鉄のガードが見えています。
ここで多くの乗客が下車していきました。
荒川線の王子駅前 - 町屋駅前が
一番混みあっているというのは
正直、ちょっと意外でした。
町屋駅前からは再び車内も空き、
運転席横の席に座る事が出来ました。
再び住宅の密集する市街地を走って行きます。
線路の周囲に商店街が現れると、
町屋駅前から7分ほどで、
終着、三ノ輪橋に到着しました。
停留所は商店街に突っ込むような感じです。
停留所の端には花が生けられていたり、
ホームから入れる喫茶店や食堂もあり、
庶民的な雰囲気です。
こうして、早稲田から何度も乗り降りを繰り返し、
2時間ほどで荒川線の旅を終えました。
ちなみに、全線12.2kmを乗り通すと50分程の乗車時間です。
この三ノ輪橋の近くには、昭和の始めに建てられた
旧王子電気軌道(株)の本社ビルが残っているそうです。
東京都交通局のホームページで調べてみると
平成17年度での荒川線の一日当たりの
乗客数は54,470人。
26億5800万円の収入で、1億4900万円の黒字と
なかなか健闘しているようです。
最近の路面電車の見直しの風潮の中で
路線延長の検討もされているようで、
今後が楽しみです。
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