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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



神岡鉄道
Kamioa Railway




乗車日: July 31, 2006





神岡鉄道は、岐阜県と富山県の県境に近い
JR高山本線の猪谷から奥飛騨温泉口までの
19.9kmの第3セクターです。

猪谷は、高山線を走る特急「ワイドビューひだ」も
停車する駅ですが、山間の小さな駅で、
神岡鉄道はここから険しい山間を縫うように走ります。

神岡鉄道の歴史は比較的浅く、1966年10月6日に
旧国鉄の神岡線として開業し、
1984年(昭和59年)10月1日に第3セクター鉄道の
神岡鉄道として新たに発足しています。

神岡鉱山の貨物輸送が開業の大きな目的だったのですが、
その輸送がトラックに切り替わり、
もとより輸送人員は少なかったため、
2006年11月30日で廃止が決定しているようです。


この神岡鉄道には、旧国鉄時代の1978年に乗車したのですが、
廃線が近いという事もあり、2006年の夏に再び訪れました。

富山発、7:33の普通列車で猪谷に向かいます。
夏休みというのに、2両編成の気動車には
多くの高校生が乗り込み、超満員状態。

途中の越中八尾で一気に空いて、終点の猪谷では
数えるほどの乗客が下車しただけでした。

高山本線の乗車記はこちらです。


猪谷は山間の本当にひっそりとした駅です。



下車した人が駅舎の向こうに行ってしまうと
静寂の時が訪れました。

次の神岡鉄道の発車時刻は、8:53。
31分の待ち合わせです。

待ち合わせの間に、記念にと乗り換えの
案内板を写真に写しておきました。




しばらくすると、折り返し 8:53発
奥飛騨温泉口行きとなる列車が到着しました。



一両編成のディーゼルカーです。
僅かな乗客が降りてきましたがその殆どが鉄道ファンでした。
地元の方と思しき人は確か一人だけだったような気がします。
車内に入ると、囲炉裏が設けられていました。



少しでも暖かく乗客を迎えたい
という鉄道会社の思いでしょうか。

奥飛騨温泉口行きの列車は7人程の乗客を乗せて発車です。
殆どの人がこの神岡鉄道に乗る事を目的にしているようです。

猪谷を発車し、小さな猪谷の集落を過ぎると
すぐに神通川の支流の高原川に沿って進みます。



谷が狭まり、飛騨中山の駅を出発すると
すぐに長いトンネルに入ります。

トンネルを抜けると茂住です。
駅に停車すると目の前に
福禄寿を祀った祠が現れました。



線内7つの駅に、夫々七福神を祀っているようです。
茂住駅は、ニュートリノ観察で知られる
スーパーカミオカンデの最寄り駅です。

茂住駅を出ると再び長いトンネルに入り、
このトンネルを抜けると再び高原川の
清流に沿って走るようになりました。



緩やかなカーブを描きながら川を渡り、
その後何度か谷を渡りました。



開け放たれた窓からは清流の
涼しい風が入ってきました。
最近、窓の開く列車に乗るのも殆どなかったのですが、
やぱり窓を開けて車窓風景が見られるのはいいものです。

何度か川を渡るうち再び長いトンネルに入りました。
トンネルを抜けると神岡鉱山前です。

以前はこの駅への貨物輸送が行われていました。
駅の構内に当時使われていたと思われる
ディーゼル機関車が構内に置かれていました。



青いシートが貨物輸送の
廃止を寂しく物語っています。

神岡鉱山前駅から見た神岡の町です。



狭い谷あいに住宅が密集していました。


ここからは谷が広がり、神岡の
町を眺めながらの乗車となりました。

神岡大橋駅を過ぎると、駅名の由来となった
神岡大橋が車窓に見えてきました。



やがて奥飛騨温泉口駅に到着です。
こうして、猪谷から31分の
神岡鉄道の旅が終わりました。



乗車した日から4ヵ月後には
廃止になってしまう神岡鉄道ですが、
駅舎は比較的新しく、これが廃止を
迎えようとしている鉄道の終着駅か、
と思うほどでした。



奥飛騨温泉口に着き、6分後の
神岡鉱山前行きの列車に乗り込み
神岡大橋駅に向かいました。

神岡大橋駅で下車し、神岡鉱山前に
向かう列車を見送りました。



この後、歩いて神岡城に向かいました。

神岡城の様子はこちらです。




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