Train Ride between Frankfurt - Paris

乗車日:April 20, 21 & 25, 2000




ドイツのフランクフルトからフランスのパリ。
陸路で約500km離れたこの二つの都市を
移動するとなると、ビジネスでは飛行機、
プライベートな旅行では車で
移動するのが一般的だと思います。

鉄道を利用しようとすると、
次の3つが考えられます。
まずは、夜行列車を利用する事です。
フランクフルト - パリ間には
夜行列車が毎日運行されています。

次の方法は、昼行のECを利用するケース。
MetzとSaarbrueckenを経由して
一日3往復のECが運行されていて、
所要時間は約6時間です。

3つ目は、フランクフルトからケルンに出て、
ケルンでパリ行きのタリスに乗り換えるのです。
フランクフルトからのICがケルンの駅に着いた
2分後にパリ行きのタリスが発車するという
絶妙すぎるダイヤになっていて、
この乗り継ぎが上手くいったとして、
所要時間は6時間と、大回りのルートなのですが、
パリ行きの直行列車と所要時間では大差ありません。


2000年の春、フランス西部ブルターニュ地方の
サン・マロ、モン・サン・ミッシェルに入った時、
夜行列車とECに乗ってパリとの間を往復しました。
これはその時の様子です。




フランクフルト発パリ行き 401/260 列車


フランクフルト発パリ行きの
夜行列車の発車時間は22:47発です。
当時住んでいた最寄駅を22時過ぎの
S-Bahnに乗って充分間に合ったのですが、
その30分も前の電車で駅に向かってしまいました。

でもフランクフルト駅のラウンジが使えるので、
そこでビール飲みながら時間を潰していました。


パリ行きの401/260列車の時刻は以下です:

Frankfurt 22:47 → Darmstadt 23:04 →
Heidelberg 23:45 → 0:15 Karlsruhe 0:55
→ Kehl 1:40 → 1:52 Strasbourg 2:10 →
Bar-le-Duc 4:47 → Chalons-en-Champagne 5:28
→ 7:04 Paris-Est

フランクフルトを発車した時の列車番号は401で、
この401列車はFrankfurt発Milan行きの列車です。
パリ行きの編成は、この401列車に併合されていて、
途中Karlsuheでは40分の停車時間中に切り離され、
今度はミュンヘン発パリ行きの260列車に結合されるのです。


発車時間が近づき、ホームに下りてみました。
既に列車は入線していました。



駅舎よりにParis行きの6両編成、
その先にMilan行きの編成が繋がっていました。
先頭車両まで行ってみたかったのですが、
夜の暗いホームに妻子をおいてフラフラと
出歩くわけにも行かず、諦めました。

この日はイースター休暇の前日の金曜日で、
6両のうち2両が増結車両のようです。
クシェットと呼ばれる簡易寝台が2両、
そして2等寝台が一両連結されていました。



しばらくして、いよいよ車両に乗り込みました。
まず寝台車の入り口のところで、
パスポートのチェック。
ドイツとフランス両国は、両国間の移動に対し、
パスポートのチェックをしない取り決めをしている
筈なので、ちょっと??でした。


2等寝台は、2人一部屋のコンパートメント。
但し、寝室の作り方は下の図の様に凝っていて、
3段寝台を上手く組み合わせてあります。

互い違いの窓の配置がちょっと面白いですね。



僕の寝台は上の段の寝台。
高い位置に2つのベットがあり、
ベットの間にソファーがあって、
そこに腰掛けられるようになっています。

ベットの位置が高いのに、転落防止の
柵やベルトが付いていませんでした。


定刻を10分程過ぎたところで、発車。
マイン川を渡る時、フランクフルトの
高層ビル街の灯りが見えました。

しばらく、室内の明かりを消して、
夜の景色を眺めていたのですが、
明日も早いのでダルムシュタットに
停車したところでベットにもぐり込みました。

しばらくウトウトした後、なんとなく
長い間停まっている様な気配です。
起きだしては見なかったのですが、
きっとKarlsruheに停まって、
編成の付け替え作業をしていたんでしょう。

しばらくして、再び発車の気配で眠りが浅くなりました。
この長い停車の後は、列車がスピードを上げたのか、
線路の状態が悪くなったのか、かなり揺れました。
転落防止の柵がないので、子供がベットから
落ちるのではないかと、心配になるぐらいの揺れでした。


そんな具合であまりぐっすりは眠れなかったのですが、
目を覚まして見ると、もう6時半を過ぎていて、
辺りはすっかり夜が明けきっていました。

周囲はなだらかな丘陵地帯で、
丘の斜面は一面葡萄畑です。



列車はセーヌ川の支流Marne川の
流れに沿って、快調に走っています。

次第に人家が増えだし、
何本も線路が輻輳しはじめ、
いつの間にか住宅が密集していて、
もうパリ市内に入ったようです。



そして7時30分、定刻より30分程の遅れで、
パリ東駅に到着しました。
大都市パリのターミナルですが、
まだ駅は眠りについているかの様でした。


この後、タクシーでパリ・モンパルナス駅に出て、
TGVで サン・マロに行きました。
その時の様子は こちらです。


パリ発フランクフルト行き EC 55 列車
Gustave Eiffel


サン・マロ モン・サン・ミッシェルを巡り、
パリの市内観光をした後、
フランクフルトへの帰途に着きました。

パリに着いた時と同じパリ東駅から
フランクフルト行きのEC 55 列車に乗りました。
パリ東駅発12:53、フランクフルト着19:06
およそ6時間の汽車旅です。

パリ東駅はフランス東部のストラスブールや
ナンシー、メッスに向かう列車が発着しています。

パリに着いた時はあまり人もいなくて、
ガラ〜ンとした駅ですが、
昼間は行き交う人で溢れ、
さすがに活気に満ちています。




ヨーロッパのターミナル駅の例に漏れず、
頭端式のホームに列車は停まっていました。
列車名は「Gustave Eiffel」。
エッフェル塔を建てたその人の名が
列車名になっているんですね。

編成は14両もあり、駅舎側から2両が一等車
食堂車一両の後、6両の2等車。
ここまでの9両がフランクフルト行きで、
更に5両のメッス行きが繋がっていました。

先頭のメッス行き5両は空いていたのですが、
フランクフルト行きはほぼ満員の状況。
フランス国鉄はTGVに限らず列車速度が速く、
一方道路は最高速度130km/hに抑えられているので、
列車利用者が多いのでしょうか。


列車は例によって音もなくスムーズに発車。
パリの街並みを走ります。

20分程で郊外の景色となり、マルネ川沿いの
緩やかな起伏の台地を走っていきます。




つい4日ほど前、フランクフルトからの夜行列車から
早朝眺めた景色と同じなのですが、
明け方のどんよりしていた車窓と、
日の光をいっぱい浴びた、今日の車窓では
同じ景色でも違った印象です。

葡萄畑が牧場に変わり、牧場が菜の花畑となり、
次第次第に鄙びた風景になっていきました。




のどかな風景を2時間以上ものんびり眺めるうち、
複線の線路が寄り添いメッスに到着です。
列車はここで進行方向を変え、
フランクフルトを目指しました。



鉄道旅行へのいざない - Europe編- に戻る