伏見は今では京都市に編入されていますが、
太閤秀吉建立の伏見城や伏見稲荷、
それに伏見は銘酒でも知られ、
京都の文化とは少し趣が違うように感じられます。
徳川幕府倒幕の直接のきっかけとなる
鳥羽伏見の戦いが起こったのも、この伏見です。
そんな伏見の町の南側に、
維新の立役者坂本竜馬にちなむ
史跡「寺田屋」があります。
京阪電鉄の中書島駅に程近いところ、
宇治川の流れを引き込んだ堀のほとりに、
古い日本旅館が建っています。
この旅館が「寺田屋」です。
格子の窓枠や旅籠という文字の提灯が、
その古い歴史を物語っています。
寺田屋の界隈も堀に沿って、
古い酒蔵が立ち並んでいて、
なかなか雰囲気のある所でした。
明治時代になるまで、
大阪と京都の間の主要交通手段は、
淀川を行き交う船便だったようです。
大阪からの旅人は淀川を船で遡り、
この伏見で船を下りるケースが多く、
このあたりの川沿いには沢山の
船宿があったことと思います。
「寺田屋」もそんな船宿の一つで、
長崎で「亀山社中」
これは寺田屋の一室に飾られた坂本竜馬の肖像画です。
竜馬が泊まった時にはいつもこの部屋が与えられ、
襲撃の時もこの部屋で、捕吏に立ち向かい、
裏の階段から逃げたのだそうです。
寺田屋の古い部屋を眺めながら、
130年ほど前の出来事を、
思い起していました。