妻籠
Tsumago, Japan






妻籠は旧中山道の宿場町。
木曽川に沿って南下してきた中仙道が
川から離れ、標高801mの馬籠峠を越えていく
その峠道の入り口にある宿場町です。

移動の手段が列車や自動車に移った時、
鉄道や国道は馬籠峠を避け、
木曽川沿いに下るルートを選んだ為、
妻籠の宿場は寂れていってしまいました。

こうして、時代に取り残されてしまったのですが、
町を保存しようという運動が起こり、
江戸時代の宿場町の様子を今に伝えています。


馬籠からのバスを妻籠で折り、
旧中仙道に沿った集落に足を踏み入れます。

すると水車のある小屋が目に留まりました。



妻籠宿に入ると、そこでは
時代が一気に遡ったように感じます。

まず、妻籠宿の北の端に向かいました。



これは宿場の北の外れにある高札跡です。
当時のお触れが今も張り出されています。

宿場の外れの中仙道沿いに
大きな岩が折り重なるように
なっていました。
1805年(文久2年)に発行された
「木曽路名所絵図」にも載っている鯉岩です。



当時は鯉に似た形だったようですが、
1897年(明治24年)の濃尾地震で崩れ、
今では亀石のようにも見えます。


ここから引き返し、妻籠宿を
北から南へと歩きます。



街道の両側に民宿やお土産物やさんが並んでいます。
宿場の中は自動車侵入禁止になっているので、
気持ちよく散策する事が出来ます。

軒先に飾られた花が心を落ち着かせてくれます。




しばらく歩くと復元された妻籠宿本陣がありました。



この妻籠本陣は、江戸時代後期の様式が
再現されているそうです。
本陣の斜め向かいには脇本陣奥谷家の建物があり、
大名らの参勤交代の時は、この辺りは賑った事でしょう。




この辺りは、古い造りの宿やお土産物屋が
並んでいるのですが、道幅は広く、江戸時代から
この道幅が確保されていたのかと、
ちょっと意外な感じがしました。

どの建物も古風な感じを残していて
郵便局も一見すると当時の
建物と区別が付きませんでした。



郵便局を過ぎ、観光案内所の先から
枡形と呼ばれるクランク状の角を曲がります。



桝形跡の角を曲がって、細い通りに
入った瞬間、街並みが一変しました。

道は未舗装に変わり、通りに並ぶ建物も
一層鄙びた雰囲気に変わりました。



屋根の上に置石をした建物が続いていました。
当時の中仙道も然もありなんと言った感じです。



この辺りは寺下地区と呼ばれ、
妻籠宿の保存運動が始まったのも、
この寺下地区が発端だったそうです。



実際、古い街並みを維持・保存するのは
大変な事だと思います。
妻籠地区では、
「売らない、貸さない、壊さない」
が、町の三原則となっていて、
重要伝統的建造物群保存地区を
守っているそうです。




これは庶民の宿だった上嵯峨屋の建物の内部です。
板敷きの部屋に囲炉裏と、質素な造りです。
家の中には厩もあって、長い道中を旅する
庶民には欠かせない宿だったのでしょう。


[ 妻籠への行き方 ]

妻籠へは中央本線南木曽駅から
おんたけ交通のバスに乗り換え10分程です。

運転本数が少ないので
時刻表で確認する必要があります。
名古屋からは下記の接続があります:

名古屋 07:10 - しなの1号 - 08:08 南木曽
南木曽 08:15 - バス - 08:22 妻籠

名古屋 08:45 - 快速 - 10:02 中津川
中津川 10:16 - 普通 - 10:33 南木曽
南木曽 10:35 - バス - 10:42 妻籠

名古屋 11:00 - しなの15号 - 11:47 中津川
中津川 11:59 - 普通 - 12:17 南木曽
南木曽 12:25 - バス - 12:32 妻籠



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