高山
Takayama, Japan






高山は小京都と呼ばれ、
歴史と情緒に溢れる街です。

碁盤の目状の街の区割りの真中を
宮川が清らかに流れる街の様子が、
小京都と呼ばれる由縁でしょうか。


高山は江戸時代には天領となっていて、
武士ではなく町人の街として栄えていたようです。
当時の豪商が軒を構えていたのが、
一之町、二之町そして三之町と呼ばれる
宮川の東側の3つの路地です。



このうち三之町は今でも狭い路地の両側に
格子の連なる古い商家が並んでいます。
ゴールデンウィークで狭い三之町の路地は
多くの観光客で溢れていました。



その三乃町のある商家。
軒先に大きな蜂の巣が架かっています。
商売繁盛のおまじないなのでしょうか。




この三之町にはお土産物屋さんが多いのですが、
御幣餅やみたらし団子、それに高山名産の
せんべいのお店が沢山あります。

歩き疲れて御幣餅を食べていたら
格子の戸に立てかけられた水車に、
綺麗に花が植えられていました。



この三乃町界隈では人力車が走っています。
古い家の前と緋毛氈の人力車の
組合せが、とっても印象的でした。




三之町を北に向い、江名子川の細い流れを渡ると、
2軒の古い豪商が軒を連ねています。
日下部住宅(民芸館)と吉島家住宅です。



日下部家は幕府の御用商人、
吉島家は酒造を生業にしていたそうです。
どちらの住宅も国の重要文化財に指定され、
その内部が公開されています。

吉島家の住宅を訪れてみました。
玄関を入ったところの土間は
2階部分の天井まで吹き抜けの造りで、
その広々とした空間に驚かされます。



太い柱や梁が組み合わさり、
立体的な機能美が感じられました。
2階の障子戸から差し込む日の光が、
深みを与えているようです。


この吉島家から程遠くないところに、
こんもりとした森に囲まれた
桜山八幡宮があります。




豪華な屋台で有名な高山祭りは
春の山王祭(4月14・15日)と
秋の八幡祭(10月9・10日)の
年2回行われます。
秋はここ桜山八幡宮の例祭です。

曳き回される屋台は春の例祭に12台、
秋の例祭では11台の計23台にもなります。
これら屋台は各町内ごとに、
その豪華さを競うように造られました。

ここ桜山八幡宮には屋台会館があって、
秋のお祭りに曳かれる屋台のうち
4台を交互に展示しています。

屋台には細かで手の込んだ装飾が施してあり、
中には見事なからくり人形を
備え付けているものもあり、
思わず見とれてしまいました。


飛騨の山奥のこの地に、各町内ごとに
豪華な屋台を持つことが出来たのは、
高山の町人の財力もあるのでしょうが、
古くは平安の時代から、
飛騨の地から多くの匠が京に送られ、
宮殿や寺院の建築に携わっていた事も
その理由の一つかも知れません。


桜山八幡宮前の茶屋で小休止した後、
江名子川に沿って街外れの方に歩きました。
川沿にはしだれ桜か柳の木が並び、
なかなか風情があります。

高山の東に位置するこのあたりは、
丘陵地の端に多くの寺院がならび、
京都になぞらえ、東山と呼ばれています。



これは、大雄寺の佇まい。
三之町界隈とはうって変わり、
このあたりは静寂な雰囲気で、
いくつもの寺院を縫う様に
東山遊歩道が続いています。

そして、下の写真は東山の寺院の
南の端にある宗猷寺の境内。
静かな境内にのんびりと
時間が過ぎているようでした。




宗猷寺から山を下り、
三乃町の南端に架かる中橋を渡りました。



中橋は宮川にかかる赤い欄干の橋で、
古い高山の街並みによく似合っています。

この中橋を渡ると高山陣屋があります。
陣屋は江戸幕府の天領だった高山の
行政・財政・警察の政務を
行った役所に当たるところです。



当時は全国に何箇所かあった陣屋ですが、
現在で残っているのは、
この高山のみだそうです。

内部には、政務を司った数多くの部屋や、
昼の食事を作った台所や庭があり、
江戸時代のお役人の仕事環境を
想像する事が出来て楽しかったです。

また農民からの年貢を
収納した蔵も再現されています。
年貢米の保存の様子や、
飛騨地方の資料コーナーもあって、
江戸時代の人々の生活の厳しさも
知る事が出来ました。


一日ちょっとの短い高山観光でしたが、
高山は本当に情緒豊かないい街でした。

なお、高山へはJRのワイドビューが便利です。
飛騨川の渓谷美を車窓から楽しめる、
高山本線の乗車記は、
こちらです。


Hotel Information

旅館 清龍

〒506 - 0015
岐阜県高山市花川町6番地
TEL: 0577-32-0448
FAX: 0577-32-2345

Home Page: http://www.ryokan-seiryu.co.jp/

高山駅から東に歩いて7分の
位置にある旅館です。

三乃町へものんびり歩いて
数分という立地の良さです。

歩き疲れて旅館に戻り、
温泉にのんびり浸かって
足の疲れを癒し、
美味しい食事に舌鼓を打ちと、
楽しく高山観光が出来ました。

サービスも行き届いていて、
よかったです。



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