グラナダ
Granada, Spain






"アルファンブラの想い出"
昔、聞いたギターの名曲のメロディーに魅せられ、
アルファンブラ宮殿に行ってみたいと思っていました。

アルファンブラ宮殿がどういう経緯で
建てられたのか知らないまま、
イメージが膨らんでいました。

実はグラナダへの旅行は以前ドイツに
赴任している時に一度計画したのですが、
直前にインフルエンザに罹ってしまって、
キャンセルしてしまった事があるので、
アルファンブラへの思いは断ち
切れないものがあったのです。



でも、その時がいよいよやってきました。
朝ホテルを出て、グラナダの街の中心、
Plaza Nueva(ヌエバ広場)からバスに乗り
アルファンブラ宮殿を目指します。

アルファンブラ宮殿はグラナダの街を
見下ろす丘の上に建っています。
バスは狭い門を抜け、木々の間を縫って
勾配を上って行きました。
いよいよアルファンブラ宮殿です。


ヘネラリフェ(Generalife)

予約購入してあったチケットを受け取り、
まずヘネラリフェ(Generalife)に向かいました。
ヘネラリフェは14世紀に夏の離宮として
建てられたところだそうです。

谷を挟んで、アルファンブラ宮殿と
グラナダが見渡せます。



このヘネラリフェには水路の周りに
庭園が整備されていました。
薔薇の花でしょうか、
綺麗に咲いていました。




カルロス5世宮殿(Palacio de Carlos V)

へネラリフェでしばらく過ごした後、
城門をくぐり、アルファンブラ宮殿の
中に足を踏み入れました。

庭園が広がり、昔の遺構が赤い土の中に
その一部をのぞかせています。

どこに王宮があるのか、よく
わからないままに歩いていきます。
晴れ渡ったアンダルシアの空から、
まだ朝の9時過ぎというのに強い
日の光が降り注ぎ、汗ばんできました。


やがて左手に石積み大きな建物が現れてきました。
建物の西側に回りこむと大きな建物に似合わず、
小さな入口が現れました。



どうやらここはカルロス5世宮殿
(Palacio de Carlos V)のようです。

入口から中に入ると、四角い堅牢な建物の中に、
意外にも円形の広場が広がっていました。



広場は2階建ての柱廊に囲まれています。
どことなくイタリアの雰囲気を醸し出しています。


このカルロス5世宮殿を出て、右に折れ、
階段を下りると、大きなカルロス5世宮殿の
影にいくつか建物が見えました。

ここがアルファンブラ宮殿の王宮
(Palecio Real)の入口の様です。


アルカサバ(Alcazaba)

予約した時間にはまだ30分以上もあるので、
係りの人の薦めに従い、まずは
アルカサバ(Alcazaba)に行きました。

アルカサバは、9世紀頃このグラナダの街を
望む丘の上に初めて建てられた王宮の跡です。

まずは谷に突き出たCube Towerに向かいます。
深く切れ込んだダロ川の谷の向こうの丘に、
白い壁の家々が折り重なるように立ち並んでいます。
家と家の間の木々が丁度いいアクセントとなって、
目の覚めるような眺めです。



アルバイシン(Albaicin)地区と呼ばれ、
このアルファンブラ宮殿と共に
世界遺産に指定されています。

谷を渡る風が心地よく吹いています。

アルバイシン地区の丘の更に向こうには、
その昔、グラナダの街を取り囲んでいた
城壁の一部が今でも残っているのが見えます。

右手には王宮の建物が日の光を
浴びて輝いていました。




昔の建物の遺構が残るMilitary Quarterを抜け、
腕の様に突き出たPuerta de las Armasに出ます。

アルバイシン地区だけでなく、
グラナダの街が一望に見渡せます。

最も高いベラの塔(Torre de la Vela)が
間近にそびえています。

これはそのベラの塔からのMilitary Quarterの眺め。



赤茶けた幾何学模様の遺構が1000年以上前の
栄華を彷彿とさせています。

ベラの塔からの眺めを楽しむうちに、
いよいよ予約した時間になりました。
期待で胸が高まります。

綺麗な花が咲き乱れるアダルベス庭園を抜け、
ついに、王宮に向かう時が来ました。


王宮 (Palecio Real)

スペインは8世紀、イスラム教徒により征服され、
その後数百年にわたり、イスラム文化の
支配するところとなったそうです。

13世紀キリスト教徒がスペインの国土を
支配するようになったのですが、
このグラナダは最後のイスラム王朝が
15世紀末まで残っていたそうです。

この王宮は、セビーリャやコルドバ等から
キリスト教支配を逃れてやってきた
建築家や芸術家が、華を咲かせた宮殿。
イスラム王朝の粋を集めた
最高傑作と言われているそうです。


いよいよ王宮の中に入ります。
強い日の光を浴びるアルカサルからは変わり、
蔦の生い茂る王宮の入口の雰囲気は
しっとりとした感じです。




入口を入ったところがSala de Mexuar
メスアルの間です。

元々は法廷だったところだそうですが、
キリスト教徒により礼拝堂に
作り変えられたそうです。

メスアルの間に入ると、ひんやりとした
空気が伝わってきます。

ドアの無い入口から日が差し込み、
細かな装飾で覆われた部屋の壁を
優しく照らしていました。




メスアルの間の奥からはアルバイシン地区の
白い家々の様子が優雅にカーブした
窓の向こうに見えていました。



灯りを落とした室内から見る
アルバイシンの白い家々は、
輝いているような感じでした。


メスアルの間から小部屋を抜けると、
次はComares Palaceです。
四角い塔の真ん中が中庭の様になっていて、
中庭を取り巻く壁面には、いずれも
細かい装飾がなされています。



快晴の天気で外は強い日差しが
降り注いでいるはずなのですが、
高い塔で囲まれたこの中庭へは
柔らかな光が降り注いでいます。
この柔らかな光が、壁面の繊細な装飾を
一層引き立てている様です。


このComares Palaceの次の空間が、
天人花のパティオ(Patio de Arrayanes)です。

中庭の中央に長方形の池があり、
その周囲にアラヤネスの花の
生垣が取り囲んでいます。



宮殿の外を歩いている時は
汗ばむ程の陽気だったのですが、
この獅子のパティオに佇んでいると、
風が吹き抜け、とても爽やかです。

燕が何羽も中庭を飛び交い、燕の囀りが
ふと夢のような空間から現実の世界へと
意識を引き戻してくれているようです。

獅子のパティオを取り囲む建物には
アベンヘラヘスの間(Abencerrajes bGallery)と
二姉妹の間(Hall of the Two Sisters)があります。

ドーム状の天井からは淡い光が漏れてきています。
この天井はまさにこの世のものとは思えない
夢幻的な空間を作り出しています。



無数の蜂の巣状の装飾がドームを飾り、
いくつかの窓から取り入れられた光が
そのドーム内を柔らかに照らしています。


この美しいドームの装飾に目を奪われ、
時の経つのを忘れて、佇んでいたのですが、
リンダラハの間(Mirador of Lindaraja)を
通してみるリンダハラ庭園も、
息を呑むような眺めです。



ここでは庭園からの光が怪しく
壁面の装飾を照らしています。

アルファンブラ宮殿ではいくつかのパティオ、
いくつかの部屋があるのですが、そのいずれもが
光の取り入れ方がとても緻密に計算されていて、
しかも部屋毎、パティオ毎に異なった工夫がされていて、
本当に息を呑むような景観の連続です。


リンダハラの間が王宮の最後の見所で、
浴場の所の廊下を抜け、庭園に出るのですが、
その廊下から浴場を見たところです。



特にどうという事も無い空間なのですが、
薄暗い廊下に、浴場からの光が差し込み、
思わず足を止めてシャッターを押していました。


リンダハラ庭園を抜けて、王宮の外に出ました。
燕が囀り、爽やかな風が吹き抜けるパティオとは
打って変わって強いアンダルシアの太陽が
降り注いでいます。

その輝く太陽の光を浴びて佇む
Torre de las Damasです。




アルファンブラ宮殿の出て、今度は谷を
挟んだアルバイシン地区に行って見ました。

アルカサルから見た白い家の連なる一角です。

ヌエバ広場から谷に沿って坂道を上って行きました。
次第に左手に白い壁の家が増えてきました。
家々の間に幾つもの細い路地が走っています。

このアルバイシン地区はその昔、グラナダを制した
アラブ人が古くから住んでいる所だそうです。




小さなベランダに飾られた綺麗な花が
家々の白い壁にとっても似合っていました。


そして丘を上りきったところに
サン・ニコラス教会がありました。

この教会の前はちょっとした広場になっていて、
この広場から谷を挟んだアルファンブラ宮殿を
手にとるように望む事が出来ます。



汗ばむ暑さのなか、アルファンブラ宮殿の
姿に、しばし見入っていました。


夕暮れ再びこの広場に戻って来ました。
夕暮れと言っても日没の遅いヨーロッパ、
午後8時を周り、ようやく日が西に傾きました。

昼間とは光線の具合が異なり、アルファンブラ
宮殿が浮き上がるように見えています。

宮殿の向こうには遠く雪を抱いた
シェラネバダ山脈の山々が聳えています。
昼間には雪を抱いた山は見えなかったし、
こうした景色を眺められるとは
思ってもみなかったので、
とても驚きました。

午後9時を周り、次第に辺りが
夕闇に被われはじめました。



広場には大勢の人が日没の時を待っています。
時が経つにつれ、アルファンブラに注ぐ光が
次第次第に弱まり、宮殿が赤く染まってきました。



夕暮れにアルファンブラを見ながら、
物思いに耽っていました。


[アルファンブラ宮殿の行き方]

アルファンブラ宮殿は、世界各地から
大勢の団体旅行客が訪れています。
詳しくはわからないのですが、
どうも宮殿への入場者を制限している様で、
チケットを購入してもすぐに
入場できるとは限らない様です。

日本の旅行社でチケットの
予約販売をしているそうですが、
電話でもチケットの予約が可能です。

(+34) 913465936
に電話して、希望の日時・人数を伝え、
クレジットカードの支払いで、
入場券を予約購入出来ます。
値段は7.88Euroです。
この時予約番号をしっかり確認しておきます。

で、当日アルファンブラ宮殿の
チケット窓口で予約番号を伝えて、
チケットを入手する事になります。
ちなみに、予約済みの人はチケット
売り場の左側の列に並びます。

重要なのは予約した時間の1時間前には
チケット売り場に行っておく必要があります。
これは、予約者用のチケット売り場も混む事と、
チケット売り場からアルファンブラ
宮殿まではかなり距離がある為です。

ちなみに、購入したチケットで、
アルファンブラ宮殿(王宮)と、アルカサバ
それとヘネラリフェに行けるのですが、
入場時間の制限は王宮だけなので、
近くのアルカサバかカルロス5世宮殿で
時間調整するのがいいと思います。


アルファンブラ宮殿へはヌエバ広場から
30番のバスで行く事が出来ます。
アルバイシン地区へは31番のバスです。
32番のバスはアルファンブラ宮殿から
一旦ヌエバ広場に戻ってから
アルバイシン広場に行きます。

バスの料金は0.85 Euroです。


Hotel Information

Hotel Melia Granada

Angel Ganivet, 7
18009 Granada, Spain
Tel: (+34) 958 227 400
(+34) 902 144444 for Reservation
Fax: (+34) 958 227 403
URL: http://www.solmelia.com

グラナダ市街の中心地にあるホテルです。

近代的なホテルで、英語も通じました。


Restaurant Information

La Castellana

C/. Almona Del Campillo 3
Granada, Spain
Tel: (+34) 958 225 910

泊まったホテルの近くにあるレストランです。


El Acebuche

Plaza San Miguel Bajo 6
1810 Granada, Spain
Tel: (+34) 651 443 743

アルバイン地区のサン・ニコラス広場の西にある
サン・ミグエル・バホ広場にあるレストランです。
広場のテラス席が特等席です。

サン・ミグエル・バホ広場にはこの他にも
いくつかレストランがあります。


この他ヌエバ広場周辺にも
いくつかレストランがありました。



Shane旅日記 - Europe編- に戻る