Home
Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



名古屋鉄道 揖斐線・谷汲線
(忠節 - 本揖斐、黒野 - 谷汲)

Nagoya Railway, Ibi Line & Tanigumi Line
(Chuusetsu - Honibi, Kurono - Tanigumi)


乗車日:June 17, 1994


谷汲山・華厳寺仁王門


忠節からは、都市近郊線といった感じで、
住宅地が続き、やがて家々の間に
田畑が広がるようになりました。

北方本町を過ぎたところで、
根尾谷断層や淡墨桜で知られる
樽見に向かう樽見鉄道をオーバークロスします。
揖斐川を渡り、忠節から25分程で黒野着。



このあたりまで来ると車窓風景は
かなり鄙びたものになってきます。


ここで谷汲行きの電車に乗り換えました。
谷汲に向かう電車は黒野を出て、北に向い、
しばらくすると揖斐川に沿って走りました。

行く手に山が迫っています。



河原では子供達が水遊びに興じています。
対岸には先程オーバークロスした
樽見鉄道が走っています。

山あいを抜け、揖斐川の支流に沿って
小さな谷を遡り雑木林を抜けると、
終点・谷汲に到着しました。



ここ谷汲は町外れにある谷汲山・華厳寺の門前町。
多くの参拝客が乗り降りした筈の谷汲駅なのですが、
到着した列車には僅か数人が乗っていただけでした。


その谷汲山・華厳寺は西国33箇所霊場の最後の札所です。
普段は、列車に乗るだけの味気ない列車旅が多いのですが、
この時は、華厳寺まで行ってみる事にしました。

駅前の交差点を右折し、山門をくぐると門前です。
長い参道の両側にお土産物屋が並び、
お寺まで、続いています。

仁王門をくぐり、長い石段を登ると本堂に到ります。

 

山深く本堂もひっそりと佇んでいました。
その本堂には数多くの折鶴が飾られていました。



この本堂の脇には小さな池があったのですが、
モリアオガエルの生息地となっている様です。


華厳寺を訪れた後、谷汲から黒野に戻り、
今度は揖斐線の終点・本揖斐駅に向かいました。


揖斐線・本揖斐駅にて


こうして、のどかな谷汲・揖斐線の
鉄道旅行を楽しんだのですが、
今、黒野と谷汲そして本揖斐間の
廃止が検討されているそうです。

郊外の町から、市内の繁華街に
直接乗り入れており、
沿線の利用者にとっては
とても便利な路線と思うのですが、
利用客が減少しているのだそうです。


岐阜市内線のスピードアップさえ達成出来れば
乗客も増えると期待出来ます。

その方策は、極めて簡単です。

今は自動車が軌道に乗り入れており、
更に市内線の軌道が右折車線として
使われているのが致命的です。
そうです、軌道内の自動車の乗り入れ禁止と、
交差点信号を路面電車優先にする事です。

今から40年程前には、日本には
数多くの路面電車が走っていましたが、
モータリゼーションの高まりとともに、
邪魔者扱いされ、姿を消していきました。

しかし、今でも路面電車が残っている、
長崎・熊本・広島等の都市では
軌道内の車の乗り入れを禁止しており、
スピード・アップだけでなく、
定時運行が可能で、乗客も増えているそうです。


さらにヨーロッパやアメリカでは、
渋滞する都市交通の解決策として、
路面電車が見直されています。

ヨーロッパの施策は、車を街中から追い出し、
中心部の繁華街には路面電車でアクセスするものです。
郊外電車がそのまま中心部に乗り入れられる様
路線を新設したり、車両を改造するケースもあります。

そして、溢れる車で足の遠のいた中心部の繁華街に、
多くの人が戻り、排ガスのない空間が広がっています。

名鉄の岐阜市内線・揖斐線・谷汲線は、
郊外からの電車が市内の繁華街に
直接乗り入れられる形態になっています。

なんとか、市内線のスピード・アップを図り、
いつまでも存続して欲しいものです。



名古屋鉄道のページに戻る


私鉄編に戻る


Home
Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない