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Shane旅日記
鉄道旅行へのいざない



野上電気鉄道 (日方 - 登山口)
Nokami Railway (Hikata - Tozanguchi)



乗車日:April 23, 1993




野上電気鉄道は、和歌山県海南市の
日方という駅から東に向い、登山口駅まで、
11.4kmの小私鉄でした。

古い阪神電鉄の車両が、一両でのんびりと走っていて、
鉄道ファンにも人気のあった鉄道だったのですが、
1994年3月31日限りで、廃止になってしまいました。


この野上電気鉄道には1993年4月23日に乗りました。

高野山を訪れた後、和歌山経由海南駅に着いた時には、
もう夕暮れに近い時間になっていました。

JRから野上電気鉄道に乗り継ぐのであれば、
海南の駅の裏口を出たところに、
連絡口という乗場があって、
ここから乗れば便利なのですが、
せっかく野上鉄道に乗るのであれば、
始発から乗車したいので、
改札を出て、日方駅に向いました。



海南駅から日方駅までは思ったより遠く、
1km程離れていたように思います。
いよいよ野上鉄道に乗れるという思いで、
早足で歩いたので少々汗ばんでしまいました。

古ぼけた駅舎は、昔ながらの広告とかが
そのまま張り出されていたりして、
20年近くタイムスリップしたような感じでした。



登山口までの切符を買い、ホームに出ると、
留置線の向うに、先ほど見た連絡口駅のホームが
手に取るように見えています。
200mも離れていないように思います。


野上電気鉄道は、この時既に
廃止の噂が広まっていたのですが、
列車本数は思いのほかに多く、
日中45分、朝夕30分間隔で走っていました。

次の列車は16:30発。
どことなく馬面の一両編成の列車でした。




三々五々、地元の人たちが乗り込んで、
列車は定刻に発車しました。
走り始めるまでもなく、すぐ連絡口。
数人の人が乗り込みました。

海南市の街並みを抜けるとのどかな山郷となり、
途中で貴志川沿いの緩やかな谷あいを走りました。
乗客は途中駅で次々に下車していき、
いつしか僅か数名の乗客が残っているだけです。
30分程で、終点登山口着。
山あいの、寂しい終着駅でした。



駅前に接続のバスが停車していましたが、
そのバスに乗り込んだ人はほとんどありませんでした。


帰りの車内は、閑散としていました。
もう5時をまわって、夕暮れが近づき、
電車の白熱灯が淡く車内を照らし出していました。






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